ローズヒップティーは、バラの実から作られます。
では、そのバラは家で育てられるのでしょうか?

この記事では、ローズヒップの代表的な原料・ドッグローズの育て方をまとめました。
先に結論
ローズヒップの代表はドッグローズ(ロサ・カニナ)という野バラの実です。
寒さに強い落葉低木で、家庭でも育てられます。
ポイントは日当たりと風通し。そして実を収穫したいなら、咲き終わった花を摘まずに残すことです。
ローズヒップの代表は、ドッグローズ
- 学名……Rosa canina(ロサ・カニナ)
- 科……バラ科
- 性質……耐寒性の落葉低木
- 花……一重咲きの中輪花。淡いピンク色
日本メディカルハーブ協会によれば、ローズはバラ科ロサ属植物の総称で、ローズヒップの代表はロサ・カニナの果実です。

ドッグローズ、ってかわいい名前だね。
「ドッグローズ」という別名は、昔、狂犬病の犬にかまれたときに用いられていたことに由来するとされています。
園芸店で見る八重咲きの豪華なバラとは、見た目がかなり違います。花びらが5枚の、素朴な野バラです。
花が咲いて、実が赤くなるまで
淡いピンクの花が咲いたあと、緑色だった果実が、橙色から濃い赤色に熟します。
この赤く熟した実を収穫します。
一般には秋が収穫の時期です。花の季節と実の季節、一年に二度楽しめるのがドッグローズのよさです。
なお、ローズヒップが植物学的には「実」ではなく偽果と呼ばれるものだという話は、ローズヒップティーの淹れ方で詳しく書きました。
育て方1:日当たりがいちばん大事
生活の木のハーブ図鑑は、ドッグローズについて直射日光を好むので、目安として5時間以上は日照のある屋外を選ぶようすすめています。
- 場所……日当たりのよい屋外。1日5時間以上の日照が目安
- 土……水はけがよく、栄養豊かな土
- 日陰……花も実も少なくなる
日当たりが足りないと、花が少ない=実も少ないということになります。
育て方2:水やりと肥料
水やり
生活の木のハーブ図鑑によれば、表面の土が乾いたらたっぷり与えます。夏場は朝夕2回が目安です。
肥料
- 植えつけのとき……元肥
- 2月……追肥
- 5月……追肥
- 開花後の8月くらい……追肥
バラの仲間は肥料をよく使う植物です。時期を決めて、切らさないようにしてください。
育て方3:湿気と病害虫に注意
ドッグローズは湿気に弱い植物です。
生活の木のハーブ図鑑によれば、多湿になるとアブラムシやうどんこ病に注意が必要です。
- 混み合った枝や葉は、随時剪定して風通しをよくする
- 株元に落ちた葉はこまめに取りのぞく
- 梅雨どきは特によく観察する

風通しが大事なのは、ほかのハーブと同じだね。
鉢植えと地植え
- 地植え……根が広く張れて株が丈夫に育つ。野バラなので、枝が伸びるスペースを考えて場所を選ぶ
- 鉢植え……日当たりのよい場所へ動かせる。梅雨どきに風通しのよい場所へ移せるのも利点
鉢植えの場合は、土が乾きやすいので夏の水切れに特に注意してください。生活の木のハーブ図鑑の「夏場は朝夕2回」という目安は、鉢植えでは特に大事になります。
剪定のしかた
ドッグローズは野バラなので、枝がよく伸びます。
- 混み合った枝……内側に向かって伸びる枝、重なり合う枝を切って風を通す
- 枯れた枝……見つけたら根元から取りのぞく
- 実を残したい枝……花のあとに切り戻さない
「風通しのための剪定」と「実のために切らない枝」を、あらかじめ決めておくと迷いません。
一年の流れ
- 冬(2月)……追肥。落葉している間に枝の混み具合を見る
- 春〜初夏(5月)……追肥。つぼみが上がり、淡いピンクの花が咲く
- 梅雨〜夏……風通しを保ち、アブラムシ・うどんこ病を見回る。夏は朝夕の水やり
- 開花後(8月ごろ)……追肥。実がふくらんでいく
- 秋……実が橙色から濃い赤に熟したら収穫
花から実まで半年ほどかけてゆっくり育つ——この時間の長さも、ドッグローズを育てる楽しみのひとつです。
「ほかのバラの実」でもいい?
バラの仲間には、ドッグローズ以外にも実をつけるものがあります。ただし、ハーブティーのローズヒップとして使われてきた代表はロサ・カニナです。
お茶に使うなら、ドッグローズ(ロサ・カニナ)と分かっている株の実を使ってください。庭のバラや野山のバラの実を、種類が分からないまま口にするのは避けましょう。
実を収穫したいなら、花を摘まない
一般的なバラの育て方では、咲き終わった花は早めに摘むのが基本です。株の体力を、次の花に回すためです。
ローズヒップが目当てなら、ここが逆になります。
咲き終わった花を摘んでしまうと、実はできません。
実を収穫したいなら、花が終わってもそのまま残して、実がふくらむのを待ってください。
「花を楽しむ枝」と「実を残す枝」を分けるという方法もあります。
収穫と下ごしらえ
- 濃い赤色に熟したら収穫する
- 実の中には種と、細かい毛が入っている
- お茶にするなら、半分に切って中の種と毛を取りのぞき、よく乾かす
中の細かい毛は、口や喉に触るとチクチクします。下ごしらえでしっかり取りのぞいてください。
乾燥のしかたはハーブの乾燥方法を参考にしてください。
手軽に楽しむなら
実の中の種と毛を取りのぞく作業は、一粒ずつだとかなり根気がいります。お茶にするほど集めるのは、なかなか大変です。
ローズヒップはハイビスカスとブレンドして飲まれることも多いハーブです。
長野県飯田市山本のケーキとビストロ美城(みき)は、ハーブを育てて、乾かして、ブレンドするところまでを10年以上続け、商品として販売しているお店です。敷地内のハーブ畑で20種類以上を自家栽培しています。
ローズヒップ(チリ産)が入っているのは、こちらの3つのブレンドです。
畑の様子は自家栽培ハーブティーは何が違う?長野・美城のハーブ畑からで写真つきでご紹介しています。
まとめ
ドッグローズの育て方について、こちらをお話ししました。
- ローズヒップの代表はドッグローズ(ロサ・カニナ)の実
- 耐寒性の落葉低木。淡いピンクの一重の花が咲き、秋に赤い実が熟す
- 1日5時間以上の日照、水はけのよい栄養豊かな土
- 肥料は元肥+2月・5月・8月。湿気に弱く、アブラムシ・うどんこ病に注意
- 実が欲しいなら、咲き終わった花を摘まない
花を見送って、実を待つ。普通のバラとは少し違う楽しみ方ができるのが、ドッグローズです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。




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