お酒のジンの、すっきりとした森のような香り。そのもとになっているのがジュニパーベリーです。
「ベリー」と呼ばれますが、じつは針葉樹の小さな実です。

この記事では、ジュニパーベリーの正体と料理での使い方、知っておきたい注意をまとめました。
先に結論
ジュニパーベリーは、ヒノキ科の針葉樹「セイヨウネズ」の実(植物学上は球果)。
ジンの香りのもとで、肉料理やザワークラウトの香りづけにも使います。
お茶にするのは、18歳未満・妊娠中・授乳中・重い腎臓の病気のある方は控えてください(ヨーロッパの医薬品庁)。
ジュニパーベリーは、どんな植物?
- 学名……Juniperus communis
- 科……ヒノキ科ビャクシン属の常緑の針葉樹
- 和名……セイヨウネズ
- 実……はじめは緑色で、熟すと黒紫色になる。表面に白い粉をふいたような見た目
- 香り……松や森を思わせる、すっきりした香りと、ほのかな甘み

「ベリー」なのに、針葉樹の実なんだ!

そうなんです。松ぼっくりと同じ「球果」の仲間で、うろこが閉じて丸くなったものなんですよ。見た目がベリーのようなので、こう呼ばれています。
★料理での使い方
- 肉料理……豚肉や鹿肉などのロースト・煮込みに。脂の多い肉や、くせのある肉と相性がよい
- ザワークラウト……キャベツの酢漬けの香りづけに
- マリネ……肉を漬けこむ液に、つぶして加える
- ジン……お酒のジンには、ジュニパーベリーの香りが欠かせない
使うときのコツ
- 使う前に、包丁の腹などで軽くつぶすと香りが立つ
- 香りが強いので、4人分で数粒から
- 煮込みに入れたものは、食べる前に取り出してもよい
肉料理のハーブでは、ローリエやタイム、ローズマリーと一緒に使われることもあります。

数粒つぶして入れるだけなら、いつもの煮込みにも使えそう!
ヨーロッパでの使われ方
ヨーロッパの医薬品庁(EMA)は、ジュニパーベリーを「長く使われてきた実績にもとづくハーブ医薬品」として、軽い尿のトラブルのときに尿の量を増やすことや、おなかの張りなど軽い消化の不調に使うことをまとめています(EMAの資料)。
ただし、これは昔から使われてきたことにもとづくもので、臨床試験で効果が確かめられたという意味ではありません。日本では、ジュニパーベリーは食品で、医薬品のように国の審査で効果が認められたものではありません。
熱がある、排尿のときに痛む、尿に血がまじるなどのときは、お茶で様子を見ずに医療機関を受診してください。
★お茶にするときの注意
EMAの資料にもとづく注意
- 18歳未満の子どもには、すすめられていません
- 妊娠中・授乳中は、安全性が確かめられていないため、すすめられていません
- 重い腎臓の病気のある方、医師から水分を控えるように言われている方は、すすめられていません
- 2週間をこえて症状が続くときや、悪くなるときは医師に相談する
- お薬を飲んでいる方、持病のある方は、飲む前に医師や薬剤師に相談してください
そのほかに知っておきたいこと
- ジュニパーの精油(エッセンシャルオイル)は飲まない
- 食べたりお茶にしたりするのは、食用として売られているものだけに。ビャクシンの仲間には、庭木などにも似た実をつけるものがあり、見た目で見分けて口にするのは危険です
料理の香りづけに数粒使う程度なら、ふだんの食事の範囲です。気をつけたいのは、お茶で毎日たくさんとる場合です。
保存のしかた
- 乾燥した実を密閉容器に入れ、湿気と光を避けて保存
- 香りが飛びやすいので、使う分だけつぶす
まとめ
- ジュニパーベリーはヒノキ科の針葉樹「セイヨウネズ」の実
- ジンの香りのもと。肉料理やザワークラウトに、つぶして数粒
- お茶は、18歳未満・妊娠中・授乳中・重い腎臓の病気のある方は控える
- 食べるのは食用として売られているものだけ。精油は飲まない
数粒で、料理に森の香り。いつもの煮込みに少しだけ足してみてください。
ほかのハーブについてはハーブの種類・名前一覧図鑑にまとめています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。


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