ミントと一緒に寄せ植えしても大丈夫な、相性のいいハーブの種類って何があるんだろう?
逆に、ミントと相性の悪いハーブってなんだろう?
よく言われるのは、「ミントは危険だから寄せ植えしないほうがいい」。
ネットなどを見ると、こう書かれていることが多いですよね。
でも、アパートやマンションではスペースが無い。
いくつもハーブを育てたくても、1つの植木鉢やプランターで寄せ植えしないとできない。
しかも、ミントと別のハーブ育てたいのに寄せ植えしちゃいけないって言われても・・・
そんなこと言われたら肩を落としたくなりますよね。
実は、ミントも寄せ植えできないことは無いんですよ。
「できない」のではなくて「やめたほうがいい」ということです。
それでも、どうにか寄せ植えできないのだろうか?
と思う人もいるので、今回は、ミントと他のハーブの寄せ植えについてお話しさせていただきます。
また、「ミント以外のハーブがどんな環境を好むのか?」もまとめましたので、他のハーブを寄せ植えするときの参考になればと思います。
では、最初は「寄せ植えとは?」から簡単に説明していきますね。
寄せ植えとは?
アパートやマンションだとなかなか植物を育てるスペースがありません。
そういった狭い空間や、見た目を可愛らしくするために数種類のハーブ(植物)を一つの植木鉢やプランター・コンテナなどに一緒に植えて栽培する方法を「寄せ植え」と言います。
ハーブによって相性のいいもの、悪いものがあるので寄せ植えする時には注意が必要です。
次に、気になるミントと他のハーブの相性についてみていきましょう。
ミントと相性のいい種類のハーブはない?寄せ植えはできない?
最初にお話ししておくと、
ミントと一緒に寄せ植えできる相性のいい種類のハーブはありません。
「寄せ植えはできない」というわけではなく、ミントの性質上、寄せ植えは「しないほうがいい」です。
ミントは、
- 繁殖力が強い
- 他のハーブを駆逐してしまう
同じミントの種類ならば、
- 交雑(こうざつ)
- 弱い方は駆逐される
こういったことが起こります。
邪魔するものを追い払う。
ミントの場合は、他のハーブが行き場を失い枯れたり育たなくなります。
別の品種と混ざって雑種をつくること。交配。
簡単に言えば、ミントのようなハーブは繁殖力が強すぎるため他の植物の生長を邪魔してしまうので、単体で植えたほうがミントにとってもいい環境になります。
しかし、「このハーブとミントは一緒に植えることはできないんだろうか?」という、いくつか気になる組み合わせがあります。
例えば、
- ローズマリーとミント
- ラベンダーとミント
- レモンバームとミント
- バシルとミント
これらの寄せ植えはどうなるのでしょうか?
ローズマリーとミントの寄せ植えは大丈夫なのか?
この2つのハーブは寄せ植えに向いていません。
両方とも繁殖力が強いハーブなのですが、
ローズマリーは高さが2mほどになる常緑低木(じょうりょくていぼく)。
- 株になる
- 根が弱く、植え替えを好まない
- 乾燥を好む
ミントは、広く浅く根を張るタイプ。
- 株にならない
- 根が強く、植え替えに強い
- 湿気を好む
特に大きくなり「植え替える」となったときにローズマリーにはとてもストレス与えてしまいます。
また、乾燥を好むハーブと湿気を好むハーブですので環境が合いません。
冬でも葉を落とさないタイプ木本性の植物。
常緑樹の中でも背の低い種類のことを指す。
ラベンダーとミントの寄せ植えは大丈夫なのか?
この2つのハーブは寄せ植えに向いていません。
繁殖力は強い2つのハーブですが、
ラベンダーは常緑低木(じょうりょくていぼく)。
- 株になる
- 乾燥を好みます。
ミントは、
- 株にならない
- 湿気を好みます。
ローズマリーとミントの関係と似ていますね。
よって、環境が合いません。
レモンバームとミントの寄せ植えは大丈夫なのだろうか?
この2つのハーブは寄せ植えはできないこともない。
レモンバームは、
- 多年草
- 半日陰を好む
- 湿気を好む
- 寒さに強い
ミントも同じような環境を好みます。
一見、寄せ植えしても大丈夫そうに見えますが、圧倒的にミントの繁殖力が強いため一緒に植えるとレモンバームは無くなります。
私は地植えで近くに植えたことがありますが、3年目くらいでレモンバームが生えなくなってしまいました。
「仕切り」を使えば寄せ植えは可能です。
バシルとミントの寄せ植えは大丈夫なんだろうか?
この2つのハーブは寄せ植えに向いていません。
バジルは繁殖力が弱く暑いところでも大丈夫です。
ミントは繁殖力が強く高温多湿を嫌います。(湿気は好みますがあまりにも湿気が多いのは苦手)
こうなると、仕切りをしても環境が合わないため寄せ植えは向いていません。
基本的に、ミントと寄せ植えできるハーブはほぼ無いと思ってください。
ここからは、ミントに限らず他のハーブについても触れていきます。
今後ミント以外も育てたいと思ったときに参考になると思いますのでぜひご覧ください。
ハーブを寄せ植えするときのポイントと注意点
寄せ植えのポイントは、
「似たような育ち方、環境を好むハーブ同士を一緒に植える」ことです。
例えば、育っても背の低いハーブと背が高くなるハーブを植えたら片方が陰になってしまいますよね。
他にも、乾燥を好むハーブと湿気を好むハーブを一緒に植えるとなかなかうまく育ってくれないことが多いです。
「強い種類」と「弱い種類」を寄せ植えすると弱い種類は枯れてしまいます。
ミントに限らず寄せ植えするときは、土質や生育と栽培条件が似ているものを寄せ植えしないと片方が上手く育ってくれません。
それぞれのハーブの特徴がよくわからないうちは単体で植えることをおすすめします。
でも、できればそれぞれのハーブが好む環境などを知っておきたいところ。
一般的に手に入れることができるハーブたちを、それぞれが好む環境や性質ごとに分けてみました。
生育環境や用途に合わせて分けたハーブたち
ここでは、
- 乾燥
- 湿気
- 寒さ
- 暑さ など
に分けましたので栽培するときの参考になればと思います。
●乾燥を好むハーブ
- オレガノ
- セージ
- ゼラニウム
- タイム
- ヒソップ
- ラベンダー
- ローズマリー など
●湿気を好むハーブ
- アニスヒソップ
- コリアンダー(パクチー)
- シソ
- バジル
- パセリ
- ミント
- レモングラス
- レモンバーム
- ワイルドストロベリー など
●寒さに強いハーブ
- アニスヒソップ
- オレガノ
- カモミール
- 月桂樹(げっけいじゅ)またはローリエ
- セージ
- タイム
- タラゴン
- チコリ
- フェンネル
- ポットマリーゴールド
- ボリジ
- ミント
- ヤロウ
- ルバーブ
- レモンバーム
- ローズマリー
- ワイルドストロベリー など
●暑さに強いハーブ
- オレガノ
- コーンフラワー
- バジル
- レモングラス など
●肥沃(ひよく)な土を好むハーブ
土地が肥えているところ。
農作物がよくできる肥えた土。
- アニスヒソップ
- 月桂樹(げっけいじゅ)またはローリエ
- コリアンダー(パクチー)
- コーンフラワー
- シソ
- ステビア
- セージ
- チコリ
- ディル
- バジル
- パセリ
- フェンネル
- ブルーマロウ
- ポットマリーゴールド
- ルバーブ
- レモングラス
- レモンバーム など
●やせた土を好むハーブ
- ヒソップ
- ラベンダー
- ローズマリー など
●日陰・日なた(半日陰)を好むハーブ
1日のうちで数時間(3時間ほど)日が当たるような場所のこと。午前中に日が当たり、午後は日陰になる。
そういった場所は太陽が東から昇るので家の東側などによくみられます。また、窓際などでレースカーテン越しに日光を浴びている状態も半日陰と言います。
他にも「木漏れ日」や「すだれ越し」など少し日が当たり、陰にもなっている状態のことも半日陰と言います。
- チコリ
- ミント
- ルバーブ
- レモンバーム
- ワイルドストロベリー など
●日なたを好むハーブ
上記以外の殆どのハーブです。
●繁殖力が強いハーブ
- オレガノ
- コンフリー
- セージ
- タイム
- ミント
- ラベンダー
- ローズマリー など
●繁殖力が弱いハーブ
- カモミール
- タラゴン
- バジル
- パセリ
- レモングラス など
●大きい株に育つハーブ
- ローズマリー
- ラベンダー
- アニスヒソップ
- 月桂樹(げっけいじゅ)またはローリエ
- コンフリー
- ジャスミン
- セージ
- ディル
- ボリジ
- ヤロウ
- ローズ など
●一年草のハーブ
- カモミール
- コリアンダー(パクチー)
- コーンフラワー
- シソ
- チコリ
- チャービル(セルフィーユ)
- ディル
- バジル
- パセリ
- フィーバーユー
- ポットマリーゴールド
- ボリジ など
●ハーブティーに使えるハーブ
- カモミール
- ステビア
- タイム
- レモングラス
- レモンバーベナ
- レモンバーム
- ワイルドストロベリー など
●キッチンハーブとして役立つハーブ
- タイム
- チコリ
- バジル
- パセリ
- フェンネル
- ローズマリー など
●寄せ植えの相性が悪く単体で植えたほうがいいハーブ
- ミント
- ローズマリー
- ラベンダー
- バジル
- フェンネル
- ディル
- タイム
- セージ
- オレガノ
- レモングラス
- ヨモギ など
寄せ植えする時期
基本的に、ハーブの寄せ植えはホームセンターや園芸店などに苗が出回る時期に行うのが理想的です。
主に3月末~5月頭ころまで苗が出回っているので「春」が寄せ植えには適していますね。
また、秋には寒さに強い「耐寒性」のあるハーブたちが出回るのでこれらの種類は9~10月ころでも寄せ植えができます。
苗が出回っている時期はそのハーブがこれから植えることができるということでもあるのでハーブによっては一年中寄せ植えできる種類もあります。
春が多いので、
「寄せ植え=春」
もしくは
「苗が並んでいる=寄せ植えできる」
と考えてください。
寄せ植えの仕方、寄せ鉢などの作り方
寄せ植えは簡単です。
本来1つの鉢やプランターなどに1種類植えるのを「仕切り」を使って2種類以上植えるだけです。
- 植木鉢の底に鉢底ネットを敷きます
- そこが見えなくなるまで鉢底石を入れて散らします
- 鉢・コンテナの半分ほどの高さまでハーブ用の培養土などを入れます
- ハーブ苗(株)を20~30cmほど間隔をあけてビニールポットが付いたまま置きます
- ここで全体的な見た目(レイアウト)のバランスを確認します
- 良ければ、苗をポットから出し、土を軽くほぐして土の上に置きます
- 苗と苗の間を埋めるように残りの培養土を入れ、土の表面を平らに整えます。
- 底から少し出てくるくらいたっぷりと水を与えます
間隔は20~30cmと書きましたが、将来的に大きく・増えるミントやローズマリーなどのハーブは30cmほど間隔をあけたほうがいいです。
根がのびのびと育つことができるため根づまりしにくくなり、後で植え替えなどの時期を遅らすことができて楽です。
詳しくは画像にしましたのでこちらをご覧ください。
↓ ↓
「仕切り」を使って寄せ植えする方法、使い方
このようにプランター・コンテナ・鉢に「仕切り」を入れます。
ハーブとハーブの間隔が30cmほどになるのがいいと言われています。
おすすめは「プラスチックの下敷き」。
薄いものであれば、好きなサイズにハサミでカットできますし、薄いので簡単に土に挿すこともできます。
他にも、発砲スチロールなども使えますね。
木や段ボールなどはラップにくるんだり、ビニールで包んで挿せば水が染み込みことはありません。
ぜひ試してみてください。
土はハーブ用の土か普通の培養土どちらが良いか?
どちらでも育ちます。
しかし、わざわざ「ハーブ用」と書いてある、ハーブを育てるために合わせた土があるので、それを使った方がいいですね。
65cmのプランター2つ分、25Lの土が西友の出入り口に置いてあったり、100円均一にも「ハーブ用培養土」という土を売っています。
手軽に手に入れることができますよ^^
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はミントとの寄せ植えについてお話しさせていただきました。
『今回の内容』
- 寄せ植えとは
- ミントと相性のいい種類のハーブはない?寄せ植えはできない?
- ローズマリーとミントの寄せ植えは大丈夫なのか?
- ラベンダーとミントの寄せ植えは大丈夫なのか?
- レモンバームとミントの寄せ植えは大丈夫なのだろうか?
- バシルとミントの寄せ植えは大丈夫なんだろうか?
- ハーブを寄せ植えするときのポイントと注意点
- 生育環境や用途に合わせて分けたハーブ
- 寄せ植えの相性が悪く単体で植えたほうがいいハーブ
- 寄せ植えする時期
- 寄せ植えの仕方、寄せ鉢などの作り方
- 「仕切り」を使って寄せ植えする方法、使い方
- 土はハーブ用の土か普通の培養土どちらが良いか?
ミントに限らず、寄せ植え全般についてもお話しさせていただきましたので他のハーブを植えるときにも参考になるかと思います。
- 寄せ植え
- 強い・弱い
- 仕切り
これらの言葉がいまいちよくわからない・・・という人は、ちょっとイメージしてみてください。
コンテナや植木鉢が4畳半くらいの狭い部屋だったとします。
そこに5人、6人住んで共同生活をしていたらどうでしょうか。
なんだか狭くて疲れそうですよね。
これが、とても広い部屋に2人で住んでいたら快適です。
しかし、2人の間に扉がなかったら・・・
プライベートな時間は無くストレスがたまるかもしれません。
でも、「仕切り」という扉があればそれも解決できますよね。
ハーブも生き物ですので、人がそれぞれ性格が違ったり生活リズムが違ったりするのと同じで種類によって変わってきます。
ストレスもたまってしまいますね。
こうやって人間に例えると、なんとなくイメージできるかと思います。
ですので、できる限りいい環境にしてあげようと思ったら単体で育てるのが一番おすすめですが、スペースがないときは仕方ないです。
狭いところにいくつも植えて育てるのは、根づまりしやすく枯れたりする原因にもなるのでおすすめはできないんですけど、「1年だけ育てる」ということであれば大丈夫だと思います。
「一年草のハーブ」というところに書いてあるハーブは寄せ植えしても大丈夫です。
でも、できれば「仕切り」は入れてくださいね。
特にミントと他のハーブを寄せ植えするときは気を付けてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
コメント
ミントの寄せ植えは危険だとは知りませんでした。
勉強になりました。
以前、鉢にミントを植えておいたら、
鉢底の穴からめちゃくちゃ強力に根が張って、
引き抜くのが大変でした。
シソも一度大変なことになったので、
それ以来、怖くて植えていません(笑)
小さいミントの葉は可愛くて好きなのですが、
ハーブ類は何も考えずに植えると、
大変なことになったりしますね。
次植える時は、こちらのサイトの記事を
色々参考にさせていただきます。
>しゃあさん
コメントありがとうございます。
ミントは雑草並みに強いですからね。
ホント、小さいときは可愛いと思えるのですが少し経つと一気に大きくなっていて驚きます。
植物は種類によって気を付けたほうがいいポイントなどがあるので一見簡単そうに思えて難しかったりもしますね。
でも、ハーブに関してはハーブティーに限らず育て方などもどんどん書いていくのでぜひまた見に来て下さい^^