土は虫が付くから水耕栽培をしたいなぁ。
土を使わないってことだから汚れないと思うし簡単だろうし、室内で栽培できるはず・・・。
もし、そんな風に思っているのであれば・・・
ちょっと待ってください。
その考えは少し甘いかもしれません。
土を使わないことでのメリットはあります。
でも、デメリットもあるんです。
水耕栽培の場合は虫は本当につかないのでしょうか。
それに、いざ水耕栽培をしようと思ったときどうすればいいか、いくらぐらいかかるのでしょうか。
水にミントなど入れるだけでOKなのか。
水耕栽培の水やりも、どのくらいですればいいのか気になりますよね。
みんなやってるけど、そもそも水耕栽培の何がいいんだろう?と思う人もいるはず。
私は、実際に水耕栽培をしてみて根が腐ってしまったことがあります。
今思うと水やりを間違えていたんでしょう。
せっかく栽培するのなら、あなたには私のような失敗をしないでほしい。
そこで、今回は・・・
- ミントの水耕栽培のメリット・デメリット
- 栽培の方法・手順
- 管理する方法・ポイント
- 本当に室内で栽培できるのか?
- 注意点など
これらをまとめました。
特に「土いじりは苦手で・・・」「毎日の水やりはたいへん。」という方にはおすすめできる水耕栽培。
これを見れば初心者の方でも、ミントに限らず他の植物でも水耕栽培ができますので、ぜひご覧ください。
まずは、水耕栽培とはどんな栽培方法なのか?から知っておきましょう。
水耕栽培とは?
よく見かけるのは観葉植物ですね。
水耕栽培はハイドロカルチャーとも言われます。
「カルチャー」は”栽培”という意味があります。
つまり、ハイドロカルチャー=水耕栽培ですね。
例えば、グラスやコップなどに水を入れて、根の生えた植物を入れ、育てるだけでもひとつの水耕栽培になります。
しかし土の中と違い、水は水。
ほとんど栄養もありません。
植物にとってはかなり過酷な環境になりますね。
ですので、この状態を少し人工的なものを使って快適に成長できるようにしてあげます。
水耕栽培がどんな栽培方法かなんとなく分かりましたか?
それでは、今回のメインテーマ、
「ミントの水耕栽培」について見ていきましょう。
ミントで水耕栽培はできるのか?
これを今回はミントでするということですが、答えから言ってしまうと
できます!
しかし、元々は土で育てるのに向いている植物なので、できれば土で育てたほうがいいです。
それをわざわざ水耕栽培で育てようとするので色々とデメリットがあるんですよ。
水耕栽培のメリットとデメリットを書きますね。
メリット
メリットを挙げると・・・
- 自分の好きな器で栽培できる。
- 清潔である。
- 虫がつきにくい。ただし、つきにくいだけで全くつかないわけではないので注意。
- 手入れが簡単で水がなくなったら入れるだけ。
- 水挿しなら毎日水を交換すればいい。
- 時々薄めた液体肥料を与えるだけ。
また、土で育てるときと同じで温度管理はした方がいいですね。
それで育ってくれます。
デメリット
次にデメリットですが、土で育てるときより弱くなります。
ミントの場合は土地で育てるのと比べ、
- 葉が小さくなりやすい
- 葉の色が茶色になる
- 香りが弱い
- 腐りやすい
などのデメリットがあります。
これは、本格的に手入れをすればかなりいいものはできますが、そうなるとよくテレビで見かけるようなお金のかかっていそうな設備などが必要になります。
初心者や、ちょっとやってみよう!と思って水耕栽培する場合、きちんと手入れをしないとこうなりやすいというのは覚えておいてください。
用意するものは?水耕栽培をする時はどうすればいい?
土で栽培するときもそうですが、水耕栽培にも必要なものはあります。
作業自体、簡単ではありますが、土で栽培するときより弱くなるのできちんとした準備や管理が必要になります。
一度慣れてしまえば土で育てるより簡単と思えるのかもしれません。
まず必要なものをそろえましょう!
●用意するもの
- ハイドロボールまたはレカトン ネオコールでもいい。(おすすめ)
- イオン交換樹脂材またはイオン交換樹脂栄養剤
- ミリオンA
- コップ/透明なグラス/透明なガラスの器
- ミントの苗
これ全部で2000円くらいでしょうか。
それぞれどんなものか説明を書きますね。
ハイドロボール(レカトン)
植物の根を支える支持体の役割。
粘土を高熱で焼き発砲させた発泡煉石は発泡させているため小さな穴が無数にあり、この穴が植物の根に必要な空気を保つので腐りにくくなります。非常に保水力が高いため、容器の底に水がなくなってもしばらくの間は水を入れなくても大丈夫です。
ネオコール
炭の力を利用することで植物にいい環境を作れる。
中心部分が木炭で、その周りを多孔質セラミクスで覆ったものです。
水の浄化作用があるため 水腐れを防ぐことが出来ます。
ホルムアルデヒドや室内大気汚染物質を吸着除去する事ができ、さらに消臭効果もあります。
※インターネットならどちらでも手に入ります。
※ 細い根のミントを育てる場合は小さい粒が向いているので小さいサイズを買いましょう。
イオン交換樹脂材
これを使うことで根が排出する老廃物を吸着する水質を浄化ができます。
イオン交換樹脂栄養剤
こっちを使う水質の浄化に加えて栄養を与えることができるのであまり肥料のことを気にしなくてすみます。
ミリオンA
水腐れや、根腐れの防止ができます。
本来は園芸や農業で土壌の改善のために使うものですが、水耕栽培ではかなり使えるものなので上手く栽培したいという人は、水質を植物の好む状態にしてくれたり、雑菌の繁殖を抑えてくれたりするので使った方がいいかもしれません。
土ではバクテリアが老廃物を分解してくれますが、水耕栽培の場合は「イオン交換樹脂材」と「ミリオンA」がその役割を果たします。
ですので最低でもどちらかは使うようにしましょう。
両方入れれば相乗効果で浄化作用が高くなります。
※ 「スーパーミリオンA」という商品はこれら両方が入っているのでいいですね。
コップ/透明なグラス/透明なガラスの器
穴が開いていない入れ物を使いましょう。
形は好きなものを。
そして、できれば透明なものを使った方がいいです。
水の量などが目に見えてわかりますし、根が伸びてくればその状態も管理できます。
また、ハイドロボールなどの色を変えることで見た目をアレンジしたりできオシャレなインテリアにできます。
ミントの苗
種からだと難しいのでできれば苗を買って来ましょう。
それか、もう育てているのなら根から抜いてくるか、水挿しの要領で切って使います。
切ってくる場合は根が生えるまで水挿しで育ててそれから上記の物を用意して水耕栽培をした方が上手く育ちますが、ミントは強いので根が生えるのを待たなくてもできるかもしれません。
買うミントの種類は「何に使いたいか」で決めましょう。
こちらの記事が参考になるはずなのでご覧ください。
→3500種類以上もあるミントの種類!育てやすいおすすめのミントはコレだ!
水耕栽培の植え方、手順
手順はそれほど難しくありませんので一連の流れを覚えておきましょう^^
ざーっと流れを見るとこんな感じです。
- 入れ物の用意
- 根腐れ防止剤を入れる
- ハイドロボールなどを入れる
- 苗を入れる
- ハイドロボールなどを入れる
- 水を入れる
- 完成!
では、1から詳しく手順を書いていきますので読みながら実際にやってみてください。
手順
1、入れ物の用意する。
穴の開いていないものを用意する。
(お店の方に許可をいただきました)
これは100均の陳列台にあったものですが、かなり小さいガラス容器です。
ミントを育てる場合は、増えることを考えるとこれらよりもっと大きいものが向いています。
ハイドロボールなどを入れやすいので、四角柱や円柱タイプの方がいいかもしれませんね。
2、根腐れ防止剤のミリオンAやイオン交換樹脂剤を底に入れる。
まず使う入れ物、容器の内容量を知っておきましょう。
それに合わせて、イオン交換樹脂剤は入れる量が袋に書いてあるはずなのでそれを見て入れましょう。
大体、入れ物の底の2/3がかくれるくらいになるはずです。
ミリオンAは少し多めに入れても問題ないので書いてある量より少しだけ多めに入れておきましょう。
3、ハイドロボールやネオコールを入れる。
そのまま使うと細かな汚れが付くので、一度洗った方がいいです。
洗い終わったらネオコールなどを入れ物に入れます。
底に入れる量は、苗を上に乗せたときに入れ物の口より少し下に治まるくらいでいいです。
4、苗を入れます。
苗の土は買ったときに付いている黒いポットから抜いた状態で使います。
土をとってしまったりしないように。
3に苗を入れます。
5、ハイドロボールやネオコールを入れる。
苗の土部分、全体が隠れるまで入れます。
できるだけ中心に苗を置いて入れるようにしましょう。
入れ物に根が当たっていると根腐れを起こす原因になります。
6、水を入れる
水は入れすぎないよう注意しましょう。
3で一度洗ったものは水分を吸収しています。
ですので、入れ物に対して1/5くらいの水を与えます。
もし、乾いているハイドロボールを使った場合は入れ物に対して1/3ほど水を与えてください。
数時間置くと全体に水がいきわたります。
水がいきわたった状態で底に水が1/5くらいあればOK!
もしそれ以上水があるようなら一度水を捨てましょう。
多すぎる水分は根を腐らせ、枯れる原因になります。
7、完成!好きなところに飾りましょう^^
ここまで出来たら後は育て方や管理方法について覚えておきましょう。
せっかく作ったのに管理を怠ればダメになってしまいますからね。
育て方・管理方法・注意点
注意点を交えながら、育て方・管理方法を説明していきますね。
置き場所について
本来ミントは半日陽に当て、半日は日陰がいいですが、水耕栽培の場合は水の温度が上がり入れ物の中が蒸れて根腐れを起こす可能性があります。
ですので、直射日光の当たらない明るいところに置いておきましょう。
気温について
ミントは、10℃前後を維持できれば大丈夫なので、夏に高温になる場所や、冬にとても寒くなる場所には置かないように注意してください。
生命力の強い植物なのですが、普段も常温で高くても20℃くらいのところに置くようにしましょう。
湿度について
多湿はあまり好ましくないので、ジメジメしたところには置かないように。
強いハーブのため、少しは耐えられると思いますがあまり長い期間多湿に置いておくと腐る可能性があります。
水やりについて ※重要
水耕栽培は水が命。
一番肝心な部分ですので気を付けてください。
- 水は入れ物に入っているネオコールまたはハイドロボールの高さに対して1/4~1/5程度までしか入れないようにする。
- 入れ物の底に水がなくなってから2~3日経って水を入れる。
- 入れ物の底に水が残っているときには水やりはしないこと。
- 冬場の寒い時期、水やりは1週間に1度くらいにする。
これらのことに注意しましょう。
というのも、植物は息をしています。
土の中では常に酸素が回っているのでいいのですが、水の中は入れ物の場合含まれている酸素がなくなると酸素不足になってしまうんです。
すると根腐れを起こすので時々、根を新鮮な空気にも触れさせる必要があります。
ハイドロボールなどは、保水性があるため目に見える水がなくなっても実際は根がハイドロボールから水分を吸っています。
そして、2~3日後にまた水やりをすることで酸素を含んだ水を吸収することができるというわけですね。
肥料について
「イオン交換樹脂栄養剤」を使わなかった場合、使っても少し栄養が足りなかった場合は液肥(液体肥料)を与えます。
水耕栽培の場合、植物の根は弱くなってしまうので通常の物を薄めて使います。
強い液肥を与えると根腐れを起こしますので気を付けましょう。
土用の液肥を使う時は、希釈倍率を更に2倍以上薄めて使うように。
記載されている「〇倍に薄めてください」というのをさらに倍で薄めるということです。
例えば、
「100mlを10倍で薄めて使ってください」
と書いてあればこれをさらに2倍で薄めるので
100ml×10倍=1000ml
1000ml×2倍=2000ml
ここまで薄めて使うようにしてください。
成長期では1週間に1度あげるようにしましょう。
また、夏場・冬場の高温・低温の時には基本植物は成長を止めます。
その時は肥料をあげないようにしてください。
成長が止まっているので、根が栄養を吸収せず根が腐ります。
肥料を与えるのは、成長期の春と秋に薄めたものを1週間に1度、少しだけ与えましょう。
与え過ぎはよくないので少し与えて1週間様子を見ます。
ミントは生命力が強いので、肥料を欲しがりますが、あまり与え過ぎない方がいいです。
肥料は、窒素、リン、カリウムの三大要素、そして、植物の生育に欠かせないカルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛、ホウ素などたくさんの栄養素がすべて配合されているものを使うのがベストですが、用意するもので紹介した「ミリオンA」にマグネシウムやカルシウムなど全16種類のミネラルが含まれているので「ミリオンA」を使った場合は100均などの安いものでも十分です。
「ミリオンA」を使わなかった場合はちょっと高くても栄養素がたくさん含まれているものを探してください。
100均の液体肥料を使う場合は、ダイソーに液肥窒素6りん酸6カリウム6というのがあるので、規定の7倍程度(つまり3500倍)にします。
目盛りが付いてる細い方の注射器型シリンジで0.5ml測り、これを2リットルのペットボトルに入れ水道水を1700~2000mlいれ希釈します。
成長期に使う培養水はこれを使うのが身近で手に入って簡単ですね。
しかし、この培養水は光に当てすぎるとアオコなどが発生しやすいので、あまり光に当てないように少し明るい日陰に置いてください。
作り置きはできないので、入れ物に合わせて量を作るか、余ったら捨ててください。
ここまででミントの水耕栽培について一通り見てきたので、水耕栽培ができるはずです。
ここからは少し補足的なものや、皆さんが疑問に思っていそうなことを書いておきますね。
土を使わないから汚れないと思うけど室内で栽培できるの?
ここまで読んできてなんとなくお分かりになったと思いますが、室内で栽培できます。
水耕栽培=室内栽培
世間一般ではこういわれていますが、これは観葉植物など部屋の中のインテリアとして使えることが関係しています。
手入れも簡単で虫もつきにくい。
そして、グラスやコップを使うこともできますし、透明なグラスなら石などを色が付いたものなどにすることで見た目がとてもオシャレなものになります。
その他の注意点は?冬は特に注意が必要!
特に冬ですが、水やりを気を付けないといけません。
冬は暖かいときと比べると、かなり少ない量の水で大丈夫なので少し乾かし気味くらいで与えるのがいいです。
水やりは1~2週間に1度。
ハイドロボールの上1/3くらいが乾いてきたら底に1/5水を入れる。
もし、根がまだ全然伸びていないようであれば、水が根に届かないので、もう少し早めに入れるようにしてください。
乾かし気味ですが、水が切れることは無いようにしてください。
肥料は与えません。
この時季には植え替えは絶対にしないでください。
あとは、昼間は暖かい窓際、夜は窓際は寒くなるので部屋の奥へ移動した方がいいです。
虫は寄ってくる?虫除けになる?
土がないのでほとんど虫が発生することは無いですが、虫除けにはちょっと期待できないです。
水耕栽培の場合は香りが弱くなってしまうため、虫除けに期待できる成分がほとんど出ないということになります。
つまり、水耕栽培での虫除け効果は期待できないということになります。
ハーブの水耕栽培はおすすめできない理由
ハーブ(香草)といわれる植物の大半は、元々ヨーロッパ原産です。
なので、高温多湿を嫌います。
水耕栽培はできますが、向いてないということです。
ハーブの中ではミントは強いので何とかできますが、上記で書いたようにデメリットがあることを忘れないでください。
また、他のハーブでもできないことは無いです。
それでも、ミントと同じようにデメリットがあるので私はおすすめはしません。
水耕栽培というよりは、土で育てたものを少し持ってきて水挿しにし、すぐ使えるようにキッチンに置いておくくらいの方がいいかもしれませんね。
これは写真用に撮ったものですが、こんな感じでもう少し多めに挿して台所に置いておくのもいいと思います。
これなら水を変えなくても2~3日は持ちます。
水を変えてあげることで、酷く寒かったり、高温でなければ1週間ほどは持つのでこういった使い方のほうがハーブには向いていると思います。
(※ ハーブによっては水挿しできないものもあります。)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ミントの水耕栽培について参考になりましたか?
今回は、
- 水耕栽培とは?
- ミントで水耕栽培はできるのか?
- メリット・デメリット
- 用意するものは?水耕栽培をする時はどうすればいいか?
- 水耕栽培の植え方、手順
- 育て方・管理方法・注意点
- その他の注意点
- 虫について
- ハーブの水耕栽培はおすすめできない理由
これらについて書かせていただきましたがほかの植物でも同じような栽培方法で育てることができます。
ハーブを水耕栽培で育てるのはあまりおすすめできないので、できれば土で育ててください。
せっかく期待しているミントの香りや効能が半減していしまいますからなんだかもったいない気がします。
それでも、室内で栽培したい!ということであれば今回紹介した方法で出来ますのでぜひ挑戦してみてください。
また、今回はミントについてでしたが、何かほかに育ててみたいものがあればぜひこの方法で水耕栽培できますので挑戦してみるのもいいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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