フランス料理のレシピで見かける「エストラゴン」。じつはこれ、タラゴンのことです。
ヨモギの仲間なのに、アニスのような甘い香り。それがタラゴンです。

この記事では、タラゴンの正体と、料理での使い方、育てるときのコツをまとめました。
先に結論
タラゴンは、キク科ヨモギ属のハーブ。フランスではエストラゴンと呼ばれます。
香りはアニスに似た甘さと、ほろ苦さ。鶏肉・卵・魚料理やタラゴンビネガーに使います。
料理に向くのはフレンチタラゴン。種がほとんどできないので、苗から育てます。
タラゴンは、どんなハーブ?
- 学名……Artemisia dracunculus
- 科……キク科ヨモギ属(ヨモギと同じ仲間)
- 原産……シベリアからカスピ海沿岸にかけての地域とされる
- 姿……高さ60cm〜1mほどの多年草。細長い葉。夏に緑がかった白い小さな花
- 香り……アニスに似た甘い香りと、ほろ苦さ
- 別名……エストラゴン(フランス語)

タラゴンって、ヨモギの仲間だったんだ!

そうなんです。でも、香りはヨモギとはまったく違って、アニスのような甘い香りがします。名前は、ギリシャ語の「小さな龍」に由来すると言われているんですよ。
★フレンチタラゴンとロシアンタラゴンの違い
タラゴンには、大きく分けて2つのタイプがあります。
- フレンチタラゴン……香りが高く、料理に使うのはこちら。フランスでは「本物のタラゴン」とされる。種がほとんどできないので、苗や株分け・挿し木で増やす
- ロシアンタラゴン……丈夫で育てやすいが、香りが弱い。種で売られていることが多い
「タラゴンの種」として売られているものは、香りの弱いロシアンタラゴンのことが多いので、料理に使うならフレンチタラゴンの苗を選びましょう。
★タラゴンの使い方
- 鶏肉料理……ソテーやローストに。クリームソースとも相性がよい
- 卵料理……オムレツやゆで卵のサラダに刻んで
- 魚料理……白身魚のバター焼き、サーモンに
- ベアルネーズソース……ステーキに添える、フランス料理の定番のソース
- フィーヌ・ゼルブ……パセリ・セルフィーユ・チャイブと合わせて刻んだ、フランス料理のハーブミックス
- タラゴンビネガー……酢に漬けて香りを移す。ドレッシングやマリネに
使うときのコツ
- 香りが強いので、少量から
- 生の葉は、使う直前に刻む
- 温かい料理には、仕上げに加えると香りが生きる

オムレツに入れるだけなら、すぐにできそう!
かんたん:タラゴンビネガー
材料
- 生のタラゴン……2〜3枝(洗って、水気をしっかりふく)
- 白ワインビネガー(または穀物酢)……200ml
- 煮沸消毒した清潔なびん
1. びんにタラゴンを入れ、酢を注ぐ。枝が酢から出ないようにする
2. ふたをして冷暗所に置き、1〜2週間で香りが移る
3. 香りが移ったら枝を取り出し、早めに使いきる
葉に水気が残っていたり、枝が酢から出ていたりすると、カビの原因になります。にごりやカビが見えたら、使わずに捨ててください。
育てるときのコツ
- 苗から……フレンチタラゴンは種がほとんどできないので、苗を買って植える
- 場所……日当たりと風通しのよい場所。夏の蒸れが苦手なので、水はけのよい土に
- 水やり……土の表面が乾いたら、たっぷり
- 冬……地上部が枯れても、根が残れば春にまた芽を出す
- 増やし方……春の株分けや挿し木で
気をつけたいこと
タラゴンの香りの成分には、エストラゴールが含まれます。ヨーロッパの医薬品庁(EMA)は、エストラゴールを含むハーブについて、小さな子ども・妊娠中・授乳中の方がとる量はできるだけ少なくするよう求めています(EMAの資料)。
知っておきたいこと
- 料理の香りづけに使う量は、ふつうの食べ方です
- 小さな子ども・妊娠中・授乳中の方は、お茶やサプリメントなどで料理の量をこえてとらないようにし、気になるときは医師に相談してください
- キク科の植物(ヨモギ、ブタクサなど)にアレルギーのある方は注意してください
- タラゴンの精油(エッセンシャルオイル)は飲まないでください
- タラゴンは食品で、医薬品のように国の審査で効果が認められたものではありません
同じエストラゴールを含むハーブには、フェンネルもあります。アニスに似た甘い香りのスパイスは、アニスシードでもご紹介しています。
保存のしかた
- 生のタラゴン……湿らせたキッチンペーパーで包み、袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ
- 冷凍……葉を刻んで保存袋に入れて冷凍。凍ったまま料理に使える
- 乾燥……香りが弱くなりやすいので、生か冷凍のほうがおすすめ
まとめ
- タラゴンはキク科ヨモギ属のハーブ。フランス語でエストラゴン
- 香りはアニスに似た甘さとほろ苦さ
- 料理にはフレンチタラゴン。種がほとんどできないので苗から
- 鶏肉・卵・魚料理、ベアルネーズソース、タラゴンビネガーに
- 子ども・妊娠中・授乳中は、料理の量をこえてとらない
いつものオムレツに、ひとつまみ。それだけで、フランスの家庭料理の香りになります。
ほかのハーブについてはハーブの種類・名前一覧図鑑にまとめています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。



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