ビールのラベルで見かける、緑色の松ぼっくりのような絵。あれがホップです。
ビールのあの苦みと香りは、ホップの花から生まれます。

この記事では、ホップの正体と、ハーブとしての使い方、気をつけたいことをまとめました。
先に結論
ホップは、アサ科のつる性の多年草。使うのは雌株の松かさのような花(毬花)です。
毬花の中の黄色い粉(ルプリン)が、ビールに苦みと香りをつけます。
お茶としても飲まれてきましたが、12歳未満・妊娠中・授乳中には向きません。また、犬にとって危険な植物です。
ホップは、どんなハーブ?
- 学名……Humulus lupulus
- 科……アサ科カラハナソウ属(以前の分類ではクワ科)
- 原産……ヨーロッパから西アジアにかけての地域とされる
- 姿……つるで高く伸びる多年草。冬は地上部が枯れ、春にまた芽を出す
- 雌雄異株……雄株と雌株がある。使うのは雌株の毬花なので、畑では雌株だけを植える
- 日本の仲間……中部地方より北の山地には、よく似たカラハナソウが自生している

ビールの原料って、麦だけじゃなかったの?

麦芽がビールの土台なら、ホップは苦みと香りの担当です。毬花の中にある黄色い粉「ルプリン」が苦みと香りをつけ、泡立ちをよくしたり、ビールを傷みにくくしたりするのにも役立つと言われています。
★日本でのホップ
日本では明治時代にホップの栽培が始まり、北海道・山形・岩手・長野などで、ビールのために育てられてきました。
栽培地は、北海道や東北など、寒い地域が中心です。

長野でも育てられていたんだね!
ホップの使い方
- ビールづくり……苦みと香りづけ。いちばん知られた使い方
- ハーブティー……乾燥させた毬花を、ほかのハーブとブレンドして
- ポプリ・枕……乾燥させた毬花を袋に入れて、香りを楽しむ
- ドライフラワー……毬花のついたつるを、リースや飾りに
ホップティーとヨーロッパでの使われ方
ヨーロッパの医薬品庁(EMA)は、ホップの毬花を「長く使われてきた実績にもとづくハーブ医薬品」として、軽い精神的なストレスをやわらげ、眠りを助けることに使うとまとめています(EMAの資料)。
ただし、これは昔から使われてきたことにもとづくものです。眠りについての試験はバレリアンとの組み合わせで行われたもので、ホップだけの効果ははっきりしないとされています。日本では、ホップのお茶は食品で、医薬品のように国の審査で効果が認められたものではありません。感じ方には個人差があります。
淹れ方の目安(大人1杯分)
- 乾燥させたホップの毬花0.5〜1g
- 熱湯150〜200mlを注ぎ、ふたをして5〜10分蒸らす
- 苦みが強いので、レモンバームやカモミールなど、やさしい香りのハーブとブレンドすると飲みやすい
眠れない日が続く、気分の落ちこみが続くときは、お茶で様子を見ずに医療機関に相談してください。
カモミールなど、夜に飲まれることの多いハーブティーはカモミールティーのおすすめの飲み方でもご紹介しています。
★飲むときに気をつけたいこと
EMAの資料にもとづく注意
- 12歳未満の子どもには、使い方が確かめられていないため、すすめられていません
- 妊娠中・授乳中は、安全性が確かめられていないため、すすめられていません
- 眠気が出て、車の運転や機械の操作に影響することがあります。飲んだあとは運転しないでください
- 2週間をこえて症状が続くときや、悪くなるときは医師に相談する
- お薬(特に眠りや気分のお薬)を飲んでいる方は、飲む前に医師や薬剤師に相談してください
★犬がいる家では特に注意
ホップは、犬にとって危険な植物です。アメリカの動物虐待防止協会(ASPCA)は、ホップを犬に有毒としていて、息が荒くなる・体温が高くなる・けいれんなどが起き、命にかかわることもあるとしています(ASPCAの資料)。
犬を飼っている方へ
- 乾燥ホップやホップティーのブレンドは、犬の届かない場所に保管する
- ビールを手づくりする方は、使い終わったホップのかすも犬が食べないように捨てる
- 庭で育てている場合は、落ちた毬花を犬が口にしないように気をつける
- もし食べてしまったら、様子が変わらなくてもすぐに動物病院に相談する

えっ、ホップって犬には危ないの!?知らなかった…
保存のしかた
- 乾燥した毬花……香りが飛びやすいので、密閉容器に入れて、湿気と光を避けて保存
- 犬や小さな子どもの手の届かない場所に置く
まとめ
- ホップはアサ科のつる性の多年草。使うのは雌株の毬花
- 毬花のルプリンが、ビールに苦みと香りをつける
- 日本では明治時代から、北海道・東北・長野などで栽培
- お茶にもなるが、12歳未満・妊娠中・授乳中には向かない。飲んだあとは運転しない
- 犬には有毒。届かない場所に保管する
いつものビールの苦みは、つる草の花の贈りもの。ホップを知ると、ビールの味わい方も少し変わるかもしれません。
ほかのハーブについてはハーブの種類・名前一覧図鑑にまとめています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。



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