春の道端や土手で、ヨモギを摘んで草餅やお茶に。
楽しい季節の行事ですが、ひとつだけ必ず知っておきたいことがあります。

それは、ヨモギと間違えやすい有毒植物があるということです。代表がトリカブトです。
先に結論
見分けるポイントは3つです。
① 葉の裏が白いか ② 茎や葉の裏に細かい毛があるか ③ ヨモギ特有の香りがあるか
3つそろわなければ、摘まない。迷ったら摘まない。これがいちばん確実です。
そもそもヨモギは、どんな草?
見分けるポイントの前に、ヨモギそのものの姿を知っておくと迷いにくくなります。
- 葉……深い切れ込みが入った形。表は緑、裏は白っぽい
- 生え方……日当たりのよい野原や道端に、かたまって群生していることが多い
- 大きさ……春は地面近くの低い草。夏には1mほどに伸びる
- 増え方……種と、地面の下を横に伸びる地下茎の両方で増える
地下茎で増えるので、ヨモギは1本だけぽつんと生えていることが少なく、まとまって生えているのが普通です。
ただし「群生しているからヨモギ」とは限りません。
トリカブトも群生します。あくまで参考にとどめて、最後は必ず3つのポイントで確かめてください。
なぜ間違えるのか
ヨモギはキク科の多年草で、日本メディカルハーブ協会によれば北海道から沖縄まで日本全域に生えています。道端にも土手にも普通にあるので、「見慣れた草」だと思いがちです。
ところが、若い芽のうちは、切れ込みの入った葉の形がほかの植物と似ています。
日本メディカルハーブ協会は、ヨモギ摘みの際にトリカブトやニリンソウ、クサノオウなどの有毒植物と間違えないよう注意が必要だとしています。

形だけ見て「ヨモギだ」と思っちゃだめなんだね。
見分けるポイント1:葉の裏が白い
葉を1枚そっと裏返してください。
ヨモギの葉の裏には、灰白色の綿毛がびっしり生えています。そのため、表は緑でも裏は白っぽく見えます。
この綿毛は、お灸に使うもぐさの原料にもなる部分です。ヨモギらしさがいちばんよく出るところだと言えます。
裏も表と同じように緑でツヤがある——そういう葉は、ヨモギではありません。
見分けるポイント2:細かい毛があって、ツヤがない
日本メディカルハーブ協会によれば、ヨモギは茎と葉の裏に細かい毛が生えていて、光沢がないのが特徴です。
一方のトリカブトは、葉がツヤツヤしています。
- ヨモギ……しっとりした、マットな質感。触ると毛のやわらかさがある
- トリカブト……表面に光沢がある
見分けるポイント3:香りがある
ヨモギには、特有の香りがあります。草餅を思い出す、あの香りです。
トリカブトには、その香りがありません。
ただし、香りを確かめるために有毒植物を素手でもんだりしないでください。日本メディカルハーブ協会も、トリカブトを素手で触るのは危険なので手袋を用意して出かけるようすすめています。

手袋は必須だね。
3つをまとめると
- 葉の裏……ヨモギは白い/トリカブトは白くない
- 質感……ヨモギは毛があってツヤなし/トリカブトはツヤツヤ
- 香り……ヨモギは特有の香り/トリカブトは香りなし
1つでも当てはまらなければ、摘まない。野草摘みでは、これを徹底してください。
摘む時期は、春から初夏
日本メディカルハーブ協会によれば、ヨモギ摘みのシーズンは3〜5月です。
春先に芽吹いた若葉はやわらかく、草餅や草団子にするのに向いています。初夏になって伸びてきたら、やわらかい先端付近を摘んで使います。
夏を過ぎると葉が硬くなり、食べるのには向かなくなります。
摘む場所にも気をつけたい
見分け方と同じくらい大事なのが、どこで摘むかです。
- 車の通りが多い道端……排気ガスやほこりを浴びている
- 犬の散歩道……目線の高さのヨモギは避けたい
- 畑や公園のまわり……除草剤や農薬がまかれていることがある
- 私有地……持ち主の許可なく摘まない
「きれいな場所で、はっきりヨモギと分かるものだけ」を少しずつ。欲張って一度にたくさん摘むと、ほかの草が混ざりやすくなります。
摘みに行くときの持ち物
- 手袋……有毒植物に素手で触れないために。いちばん大事な持ち物です
- はさみ……ちぎるより、やわらかい先端を切るほうが株も傷みにくい
- 袋かかご……種類ごとに分けられるよう、いくつか用意すると安心
- スマートフォン……迷った草は摘まずに写真を撮り、あとで調べる
「あとで調べればいい」と思って、分からない草まで摘まない。摘んだ時点で、ほかのヨモギと混ざってしまうからです。
お茶や料理に使う前の下ごしらえ
摘んできたヨモギは、そのまま使わずに次の順で整えてください。
- 1枚ずつ確認……葉の裏の白さと香りを、もう一度見る
- 傷んだ葉や、ほかの草を取りのぞく
- 流水でよく洗う……土や虫、ほこりを落とす
- お茶にするなら、しっかり乾かす……生乾きはカビの原因になります
摘んだあとの注意
キク科の植物にアレルギーのある方は、使用に注意してください。
日本メディカルハーブ協会も、この点を注意事項として挙げています。
また、摘んだヨモギは、使う前にもう一度1枚ずつ確かめるようにしてください。摘んでいるときは気づかなくても、かごの中で見ると違う草が混ざっていることがあります。
ヨモギ茶の味や淹れ方はヨモギ茶の味と飲み方にまとめました。
自分で摘むのが不安なら
見分け方を知っていても、やっぱり野草を口にするのは不安という方もいると思います。それは慎重で、正しい感覚です。
育った場所がはっきりしているヨモギを使うという選択肢もあります。
長野県飯田市山本のケーキとビストロ美城(みき)は、ハーブを育てて、乾かして、ブレンドするところまでを10年以上続け、商品として販売しているお店です。敷地内のハーブ畑で20種類以上を自家栽培しています。
ヨモギも、飯田の畑で育てたものが使われています。
⑳ よもぎの緑茶
緑茶(国産)/ヨモギ(飯田産)
※妊娠中の方にはあまりおすすめできません。
畑の様子は自家栽培ハーブティーは何が違う?長野・美城のハーブ畑からで写真つきでご紹介しています。
まとめ
ヨモギとトリカブトの見分け方について、こちらをお話ししました。
- 見分けるポイントは葉の裏の白さ・毛とツヤ・香りの3つ
- トリカブトはツヤがあって香りがない。素手で触らない
- ほかにもニリンソウやクサノオウなど、似た有毒植物がある
- 摘む時期は3〜5月。場所は道端・散歩道・農薬に注意
- 迷ったら摘まない
「ヨモギらしい」ではなく、「3つとも確かめた」で摘む。それだけで、春の野草摘みはぐっと安心になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。




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