春の田んぼのあぜや道ばたで、白い小さな花と、ハートのような三角形の実をつけている草。それがナズナです。
「ぺんぺん草」と言えば、知っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ナズナの名前の由来と若葉の食べ方、摘むときや飲むときの注意をまとめました。
先に結論
ナズナは、アブラナ科の越年草。実の形が三味線のばちに似ていることから「ぺんぺん草」とも呼ばれます。
春の七草のひとつで、若葉は七草がゆやおひたしに。
摘むなら犬の散歩道や除草剤の心配がない場所のものを。お茶として続けて飲むのは、妊娠中・授乳中・18歳未満は避けてください(ヨーロッパの医薬品庁)。
ナズナは、どんな植物?
- 学名……Capsella bursa-pastoris
- 科……アブラナ科ナズナ属の越年草(秋に芽を出し、冬を越して春に花を咲かせる)
- 生える場所……春の田畑、あぜ道、道ばたなど
- 花……3〜5月ごろ。白い小さな花がたくさん咲く
- 実……平たい三角形(ハート形)で、三味線のばちに似ている

どうして「ぺんぺん草」って呼ばれるの?

実の形が三味線のばちに似ているからなんです。三味線の音「ぺんぺん」から、ぺんぺん草と呼ばれるようになったと言われていますよ。実のついた茎をくるくる回すと、実がふれあって小さな音がするので、それが由来だという話もあります。
「ナズナ」という名前の由来
「ナズナ」という名前の由来には、いくつかの説があります(辞典より)。
- 撫で菜(なでな)説……撫でたいほどかわいい菜、という意味から
- 夏無(なつな)説……夏になると枯れてなくなることから
★春の七草と七草がゆ
ナズナは、春の七草のひとつです。
春の七草
セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ
(「セリ ナズナ/ゴギョウ ハコベラ/ホトケノザ/スズナ スズシロ/これぞ ななくさ」と、五・七・五・七・七で覚えるのが有名です)
1月7日の朝に、七草を入れたおかゆを食べる風習が「七草がゆ」です。早春にいち早く芽吹く七草は邪気を払うと言われ、昔から無病息災を願う行事食として親しまれてきました(農林水産省 北陸農政局の資料)。
ナズナは、中国でも古くから野菜として食べられてきた植物です。

道ばたのぺんぺん草が、七草がゆの「ナズナ」だったんだ!
★若葉の食べ方
食べるのは、花が咲く前のやわらかい若葉です。冬から早春に、地面に葉を広げているころが食べごろです。
- 七草がゆ……さっとゆでて刻み、炊きあがったおかゆに混ぜる
- おひたし・和えもの……さっとゆでて水にとり、しょうゆやごまで
- 汁もの……みそ汁やすまし汁の青みに
下ごしらえのコツ
- 根元に土がつきやすいので、水をはったボウルでふり洗いしてから、流水でよく洗う
- 1月の七草がゆには、スーパーで売られている七草のセットを使うと手軽

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★摘んで食べるときの注意
摘む場所に気をつける
- 犬の散歩道や車の多い道ばたのものは避ける
- 除草剤や農薬がまかれているかもしれない場所のものは摘まない
- 田畑やあぜ道は、持ち主の方の許可をもらってから
- 見分けに自信がないものは食べない。花も実もない冬の若葉は、ほかの草と見分けにくいことがあります
道ばたの野草では、オオバコも若葉を食べられる草として知られています。
薬草として使われてきたナズナ
ナズナは、昔から薬草としても使われてきました。全草を乾かしたものは「薺菜(せいさい)」という生薬の名前で、止血などに使われてきたと言われています(辞典より)。
ヨーロッパの医薬品庁(EMA)は、ナズナの地上部を「長く使われてきた実績にもとづくハーブ医薬品」として、規則的な月経周期のある女性の、月経の出血量が多いときに使うことをまとめています。ただし、医師の診察で、ほかに重い原因がないと確かめたあとに、という条件つきです(EMAの資料)。
これは昔から使われてきたことにもとづくもので、臨床試験で効果が確かめられたという意味ではありません。日本では、ナズナは食品で、医薬品のように国の審査で効果が認められたものではありません。
月経の出血が多い、月経以外のときに出血がある、といったときは、ナズナで様子を見ずに、婦人科を受診してください。
★お茶として続けて飲むときの注意
EMAの資料にもとづく注意
- 18歳未満には、すすめられていません
- 妊娠中・授乳中は、安全性が確かめられていないため、すすめられていません
- 飲んでいて症状が続くとき、悪くなるときは、医師に相談する
- お薬を飲んでいる方、持病のある方は、飲む前に医師や薬剤師に相談してください
七草がゆに入れて食べる程度なら、ふだんの食事の範囲です。気をつけたいのは、お茶などで毎日続けてとる場合です。

食べるのと、薬のように続けて飲むのとでは、話が違うんだね。
まとめ
- ナズナはアブラナ科の越年草。実が三味線のばちに似ていて「ぺんぺん草」
- 春の七草のひとつ。1月7日の七草がゆに
- 若葉はさっとゆでて、おかゆやおひたしに
- 摘むなら犬の散歩道・除草剤の心配がない場所のもの。見分けに自信がなければ食べない
- お茶として続けて飲むのは、妊娠中・授乳中・18歳未満は避ける
足もとのぺんぺん草も、春を祝う七草のひとつ。道ばたで見かけたら、三角形の実を探してみてください。
ほかのハーブについてはハーブの種類・名前一覧図鑑にまとめています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。



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