そんなあなたに今回は、「カモミールの室内での育て方」について
- カモミールの栽培時期
- 室内での育て方
- 準備・用意するもの
- 種まきor苗植え
- 水やり
- 虫がついたとき
- 収穫
- 注意点
など育てるために必要な条件も含め、順番に解説していきます。
これからカモミールを育てる場合、ぜひ参考にしてくださいね。
今回は、初心者にも簡単で、育てたらカモミールティーにもできる
「ジャーマンカモミール」を例にお話しします。
それでは、さっそく「カモミールの育て方の流れ」から見ていきましょう。
ジャーマンカモミールを室内で育てる手順と流れ
- はじめにホームセンターや園芸店、ネットで種もしくは苗を購入
- プランターや鉢の底に鉢底ネットを穴が塞がるサイズにカットして敷く
- 鉢底石をプランターの1/10の深さまで入れる
- 用意した土をプランターの2/3くらいの高さまで入れる
- カモミールの種を全体にまんべんなくばら撒く
- 底から水が流れるくらいたっぷりと、種が流れないように水をやさしく与える
- 1~2週間後の発芽まで、毎日土が乾燥していたら午前中に水やりをする
- 育ってきてかなり多くなり重なり出したら適度に間引きする
- 花が咲いて2~3日後に収穫
- カモミールティーなどに使う
- 乾燥や冷凍して保存、必要な時に使う
- 冬越しは、花を放置すると種になり落ちるので、春(3月末頃)にまた芽を出す
- 8番まで戻る(繰り返し)
これがカモミールの育て方の流れになります。
春から冬まで、1年間通しての流れなので何度も読んでイメージしてくださいね。
そして、作業するときは順番に熟していけばOKです^^
また、花をすべて摘んでしまうと、種にはならないので次の年は再度購入し、育てる必要があります。
適度に残しておくことも考えましょう。
次に育てるためには、道具を準備しないといけませんので、最低限必要なものをお伝えします。
道具の準備・用意するもの
- プランター、鉢などの入れ物、受け皿も
- スコップ
- じょうろ・コップ(水を与えられるものならOK)
- 手袋
- 園芸用ハサミ(普通のハサミで代用可能)
- ハーブ専用培養土・用土(培養土)
- 鉢底ネット
- 鉢底石(大粒の赤玉土でも代用可能)
- カモミールの種、もしくは苗
「鉢」:素焼きタイプで通気性、排水性のいいもの。
「鉢底ネット」:底穴サイズに合わせてカットし、そこに敷くことで石や土がこぼれたり害虫が侵入したりするのを防いでくれます。
「鉢底石」:鉢などのそこに敷くことで水はけをよくしてくれます。
※今回はベランダで育てることも考えてプランターでの説明になりますが、鉢を使っても問題ありません。
ここからは、カモミールの育て方で「ポイント」になる部分をそれぞれ解説していきます。
大事なところは赤文字にしておくのでぜひ最後まで読み進めてくださいね。
これさえ、わかっていればカモミールの育て方はバッチリです。
カモミールを栽培する時の21のポイント
カモミールは一年草で、他のハーブよりも早めに育ち、収穫になります。
今回は、【室内】で栽培ということですが、正直、カモミールは室内栽培に向いていません。
育てるのなら日当たりが良く、風通しのいいベランダがいいです。
それか、土地があれば地植えですね。
ということであればここから紹介する種まき・苗植えの時期や収穫時期、ポイントを参考にしてください。
種より苗の方がおすすめ
まず最初に、種より苗を植えたほうが簡単です。
種まきを考えているかもしれませんが、少し工程が多くなり育てる期間も長くなるので個人的には初心者でも簡単な苗をおすすめします。
4月頃になればハーブの苗が出回るので、園芸店などで手に入ります。
カモミールの選び方
ハーブのカモミールには
- ジャーマンカモミール
- ローマンカモミール
2種類あります。
おすすめは、ジャーマン種の方です。
カモミール自体が初心者向きのハーブですが、ジャーマンの用途は主にハーブティーなので、自分で育ててハーブティーにする楽しみがありますね。
ローマン種の方は主に香り用で、精油の原料として使われることが多いです。
ハーブティーにすると効能はありますが、苦みを感じます。
種を購入する際は、「草丈が低い方」と記載されているならそれは「ローマン種」のことが多いです。
苗を購入するときは、葉を触ってみて香りがするのが「ローマン」
葉から香りがしないのは「ジャーマン」です。
種も苗も最初はわかりにくいと思いますので、店員さんにどちらか聞いてみましょう。
種まき・苗植えの時期
「春」種まき・苗植え:3~4月(5月も間に合う)
「秋」種まき・苗植え:9~10月
※基本的には「春」に植えます。
今回は室内での育て方なので、部屋が暖かいことを想定すると秋に植えることも可能です。
秋の方は時間はかかりますが、株が丈夫で大きく育ち、花数も多くなる傾向があります。
収穫・開花時期
※時期が前後するのは地域によって温度差があるので東京を基準にすると、書いている時期の中間くらいになります
秋に植えた場合は、11~12月頃に蕾が付き、やがて花が咲きます。
日当たり・置き場所
カモミールは、日当たりと風通しのよい場所を好みます。
直射日光が当たりすぎるのは良くないので、午前は陽が当たり午後は日陰になるような場所が適しています。
陽の当たり方は部屋の位置にもよるので、小さなプランターや鉢で育てるのであれば、陽が当たる時間に窓際へ、午後は部屋の内部に移動なども考えましょう。
秋まきで育てるときは、窓際は寒さで霜が付く可能性があります。
凍結には気を付けてください。
用土
水はけの良い、保水性のある土壌を好みますので、ホームセンター、園芸店や、スーパーなどに売っている市販の花や野菜用の用土でも構いません。
が、ハーブ用にブレンドされたハーブ専用培養土もあるので、できればこちらを使いましょう。
自分で用意する場合は、赤玉土7:腐葉土3の割合で混ぜた土がいいですね。
小さい鉢で育てる場合には、100円均一にも土を売っていることがあるのでチェックしてみてください。
プランター・植木鉢サイズの選び方
プランター:50cm程
植木鉢:5~8号鉢
大きくなったらサイズを変えて植え替えでもいいですが、それも手間がかかってしまうので簡単に育てたいというのであれば、最初から大きいものがおすすめです。
もし、他の植物やハーブと一緒に育てるのであれば間に仕切りは入れたほうがいいです。
特にミントと一緒に育てるとミントの繁殖力が強く根がほかの植物の根を侵食してしまい、交雑したり淘汰してしまうので気を付けてください。
プランター・植木鉢に土を入れる時の注意
プランターには、鉢底石を敷き、培養土を入れます。
その時は、ギュッと敷き詰めずモサっとした感じで入れましょう。
土だけだと、水はけが悪くなり根腐れしやすくなりますので、鉢底石は入れてくださいね。
肥料
カモミールはあまり肥料を好みません。
植え付け時に元肥を混ぜ込んでいれば十分に足ります。
購入する用土には、すでに混ざっていることもあるので確認しましょう。
わからなければ店員さんに聞くのが早いですよ^^
カモミールに限らず、肥料を与えすぎると、
- ハーブの香りが弱くなる
- 虫がつく
こういった原因になるので気を付けてください。
種まきする場合
種を蒔く場合は、プランター全体にまんべんなく散らしながら、ばら撒きます。
そして、種が流れないようにやさしく水をあげましょう。
早くて数日、長くても1~2週間で発芽します。
園芸店などではわかりにくいこともあるので▼こちらの、ジャーマンカモミールの種と分かり、評価が高いものを載せておきます。
苗植えをする場合
今回は種まきからがメインですが、苗植えについてもお話しておきますね。
苗を植える場合は、葉の色が綺麗な緑色で、しっかりとしていそうなものを選びましょう。
できれば、花の咲いていないものを選んでください。
その方が、時間をかけてたくさんの花を楽しむことができます。
50~60cmのプランターに2~3株が理想です。
あまり多すぎても育って大きくなった時にごちゃごちゃしてしまいます。
10cm間隔で植えられる程度にしておきましょう。
種とは違い1株単位で購入するので「間引き」をする必要が初年はありません。
一番難しい、種からの発芽やその後の間引きを専門の方がした後の苗なので、種まきよりかなり楽に育てることができます。
プランターに植える際は、ビニールポットを外し、軽くほぐしてから植えて水をたっぷりあげましょう。
水やり
土の表面が乾いたら、水を根元にたっぷり与えましょう。
鉢ならそこから少し水が出てくるくらいでOKです。
与える時間は、朝の涼しいうちか、夕方5時頃。
1日に与えていいのは1回か2回です。
注意することは、日中に水やりをすると花や水についた水が高温になって蒸れやすく、葉焼けの原因になります。
上から全体にかけると良くないので、根元に与えたほうがいいですね。
また、蒸れに弱いので、水のやりすぎには注意してください。
水やりは土が乾いてからです。
少し、乾かし気味に育てるのがポイント。
あと、受け皿の水は捨てましょう。
残しておくと根腐れや虫が湧く原因となります。
摘心(てきしん)
苗が10~15cm程になったら少し摘心をしてください。
(しなくてもそこそこ大きく育ちます)
そうすることで、枝数が増えてしっかりした株に育ちます。
花の数が多くなります。
手では無くハサミを使いましょう。
実や花を大きくするために、新しく伸びてくる茎・枝を途中でつみ取ること。
切り戻し
葉っぱ同士が重なっている場合は、茎や葉を切って風通し、日当たりを良くしてください。
病気や、害虫の発生、そして蒸れによる根腐れの予防になります。
間引きの方法
間引きの目的は「日当たりや風通しを良くすること」
株と株が近すぎると蒸れやすくなり、湿気を好むアブラムシが付きやすくなります。
鉢の場合は5号鉢なら1株をしっかり育てるように、紹介している50cmくらいのプランターなら5~10株くらい(鉢の場合は8号)がいいです。
直線状なら少ないですが、ジグザグに植えるなら10株くらい行けますね。
株と株の間を10cmくらい開けることを意識してください。
小さいときは、2~3株近くにあってもいいです。
成長していく段階で上手く育つものと弱いものが見えてきます。
生き生き育つものを残していく感じです。
結局は栄養の取り合いもしていますので、たくさん残したい気持ちも分かりますが、それがいいカモミールができない原因になるので気持ちを押し殺して数を減らしましょう。
最終的には大きくなってプランターに3株くらいしか育てられなくなります。
(サイズにもよります)
また、室内なら虫は入ってこないと安心しているといつの間にか湧いているので、そういう意味でも2~3株にして茎を見安く、風通しを良くしてください。
アブラムシが付いた時にどうすればいいか?
ジャーマンカモミールを育てて、収穫したらハーブティーにして飲みますよね。
ですので、原則的にスプレーなどの殺虫剤は厳禁です。
「育てているときにアブラムシを寄せ付けない方法」
についてはカモミールティーの作り方の乾燥した花に虫がついてたという記事で紹介していますので
そちらを参考にしてください。
カモミールの葉が白いのはうどん粉病
カモミールを育てていると、緑色の葉に白い粉が付着したようになっていることがあります。
それは、「うどん粉病」という病気です。
葉が白くなる原因や対策、枯れる理由などをまとめていますのでこちらをご覧ください。
収穫する
花が咲いて、2~3日後が収穫のタイミングです。
花だけを摘み取りましょう。
その時、量が多いようなら剪定を兼ねて茎から摘んでもいいです。
しかし、ジャーマンの茎は使いませんので捨てます。
収穫のタイミングから乾燥、保存方法についてはこちら▼
「収穫したてのカモミールでハーブティーを入れたい!」
と思ったら生の花でのフレッシュカモミールティーの入れ方の記事で紹介していますのでぜひご覧ください。
冬の越し方は?
ジャーマンカモミールは1年草。
カモミールは耐寒性がありますが、霜には弱いです。
株元に木などのチップを使ってマルチングを施すと苗が凍りにくくなります。
が、その場合、種が落ちても生えてこない場合がありますね。
室内ですので、窓際に夜置いておかなければ極度に冷えないと思うのですが、できる限り温かいところに置いておくのが理想です。
マルチングとは?
造園カタカナ用語。
土壌の乾燥や多湿、地温の上昇などを防ぐため、わらやビニールで耕地をおおうこと。
ジャーマンカモミールの増やし方
1年草なので、花をそのまま放置しておくと種が落ちて、次の年の春にまた芽を出します。
しかし、年を重ねると香りが弱くなっていくので数年間経ったら新しく種か、苗から育て直しましょう。
室内で育てる時の注意点
冒頭の方でもお話ししましたが、ジャーマンカモミールは室内栽培には向いていません。
向いていなくても、育てることは可能です。
しかし、外で育てたものと比べて茎が細かったり、香りが弱かったりします。
最悪、香りがしないなんてこともあります。
ですので、アパートに住んでいるのであれば、できれば日当たりが良く、風通しのいいベランダで育てることをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は「カモミールの育て方」について、
- 年間を通しての育て方の流れ
- 育て方のポイント
これらをお話ししました。
室内で育てることは可能ですが、外で育てるよりも細く弱々しいカモミールになりがちです。
また、香りが弱くなる可能性もありますので覚えておいてください。
水やりのやりすぎは根腐れを起こしやすくなり、枯れる原因になるので毎日1回か2回程度にしましょう。
土が乾いたら水をあげるようにするのがポイントですので、次の日に乾いてないようなら半日~さらに次の日まで様子を見ましょう。
初心者でも簡単に育てることができ、花が咲けばカモミールティーにして飲むこともできるのでぜひ、挑戦してみて下さいね。
綺麗に咲いたら画像のようにお部屋や玄関に飾るとほっこりしますよ^^
名前 | ジャーマンカモミール |
原産地 | ドイツを中心としたヨーロッパ・アジア北部 |
科・属 | キク科・シカギク属 |
難易度 ★1~5 |
★初心者向け |
形態 | 一年草 |
草丈 | 30~60cmほど |
種まき・苗植え | 3~4月(5月)/9~10月 |
開花時期 | 5~7月 |
花の色 | 白、黄色 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 弱い |
用途 | 主にハーブティー |
効果効能 | 抗炎症、興奮抑制、神経・筋肉疲労の緩和、鎮痛、お腹の張りの解消、発汗、血行促進、利尿、肌荒れ、冷え性、PMS(月経前症候群) |
注意点 | キク科アレルギーの方は使用しない 妊娠初期~中期、出産するまでは避けたほうが良い |
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