セージは、寒さにとても強いハーブです。
雪の下なら氷点下30℃の地域でも越冬できると言われるほど。それなのに枯れてしまうとしたら、犯人はたいてい日本の夏です。

この記事では、セージの育て方と、枯らさないためのコツをまとめました。「浄化のハーブ」として知られるホワイトセージとの違いにも触れます。
先に結論
セージは地中海沿岸生まれの常緑多年草。寒さに強く、乾いた環境が好きです。
苦手なのは夏の高温多湿。梅雨に入る前に切り戻して風を通すのがいちばん大事な作業です。
料理でおなじみのセージと、浄化で知られるホワイトセージは別の植物です。
セージは、どんなハーブ?
- 学名……Salvia officinalis(種小名は「薬用の」という意味)
- 科……シソ科サルビア属
- 和名……ヤクヨウサルビア/英名 Common Sage
- 原産……ヨーロッパ南部・地中海沿岸
- 草丈……40〜80cm(株元が木のようになる常緑木本)
- 開花期……5〜7月/花色は青紫
- 耐寒性……とても強い/耐暑性……強いが蒸れに弱い
葉の色は「セージグリーン」と呼ばれる白緑色〜青灰色。インテリアや塗料の色名にもなっているあの色は、このハーブの葉の色からきています。

あの色の名前、ハーブからきてたんだね。
原産地はタイムやローズマリー、ラベンダーと同じ地中海沿岸。「日差しが強くて、乾いている」場所の植物だと覚えておけば、育て方の理屈はそのまま当てはまります。
★料理のセージと、浄化のホワイトセージは別もの
検索していると必ず出てくるのがホワイトセージです。名前が似ているので同じものだと思われがちですが、まったく別の植物です。
- コモンセージ(Salvia officinalis)……ヨーロッパ南部原産。草丈40〜80cm。料理やお茶に使うのはこちら
- ホワイトセージ(Salvia apiana)……米国カリフォルニア〜メキシコ北西部原産。樹高1〜1.5mで葉は白っぽい銀色
ホワイトセージは、ネイティブアメリカンの部族が葉を燃やして立ちのぼる煙を場や人の清めに使ってきたことで知られています。この習慣はスマッジングと呼ばれています。
買うときに気をつけたいこと
「セージの苗」として売られていても、コモンセージなのかホワイトセージなのかで、育て方も使い道も変わります。料理に使いたいなら、ラベルに「コモンセージ」と書かれたものを選んでください。
園芸店で見かける「◯◯セージ」たち
サルビア属は500種以上あり、園芸店には「セージ」と名のつく植物がいくつも並んでいます。名前は似ていても、原産地も姿もばらばらです。
- コモンセージ(Salvia officinalis)……地中海沿岸。料理用はこれ。’パープル”ゴールデン”トリカラー’などの園芸品種がある
- パイナップルセージ(Salvia elegans)……メキシコ原産。草丈1.5mになり、葉が甘い香り
- チェリーセージ(Salvia greggii ほか)……米国南部〜メキシコ原産。花を楽しむタイプ
- クラリセージ(Salvia sclarea)……二年草で草丈1〜1.6m。香料の原料として知られる
- ホワイトセージ(Salvia apiana)……米国カリフォルニア原産。儀式に使われてきた
料理やお茶に使いたいなら、迷わずコモンセージを。花を楽しみたいならチェリーセージやパイナップルセージ、というふうに選ぶと失敗しません。
置き場所と土
セージが好きな場所
1. 日当たりがよい
2. 風通しがよい
3. 水はけがよい
この3つがそろえば、ほとんど手がかかりません。
- 鉢植え……ハーブ用の土か、草花用の培養土でそのまま育ちます
- 庭植え……多湿を嫌うので、苦土石灰で酸度を調整し、水はけをよくしてから
水やりと肥料は「控えめ」
- 水やり(鉢植え)……土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るくらいたっぷり
- 水やりの時間帯……朝から午前のうちに済ませる
- 水やり(庭植え)……根づけば雨まかせ。ひどく乾いたときだけ
- 肥料……ほとんど不要。植えつけのときに元肥を入れておけば足ります
やや乾燥ぎみが、セージのちょうどよさです。夕方に水をやると、夜のあいだ土が湿ったままになって蒸れやすくなります。
★枯れる原因は、夏の蒸れ
セージを枯らす原因は、ほとんどこれです。
寒さには強いのに、高温多湿にはめっぽう弱い。梅雨から夏にかけて株の内側が混み合うと、風が通らずに蒸れて傷みます。
対策は「梅雨前の切り戻し」
いちばん大事な作業
梅雨に入る前に、混み合った枝葉を切り取って風の通り道をつくります。
このとき切った枝は、そのまま収穫になります。
花が終わったあとにも、全体を軽く切り戻しておきましょう。

地中海生まれのハーブは、だいたい「梅雨前に刈り込む」で夏を越せます。タイムもラベンダーも同じです。
植えつけ・植え替えと、ふやし方
- 植えつけ・植え替え……春か秋。生育おうせいなので、鉢植えは1〜2年に一度
- ふやし方……挿し木か水挿し。春から初夏と秋が適期
- 収穫……春から秋まで随時。必要な分だけ摘めます
セージは株元が木のように硬くなっていく植物です。硬くなった部分からは新しい芽が出にくいので、やわらかい枝が残っているうちに切り戻し、数年に一度は挿し木で若い株に更新するのがおすすめです。
冬の管理と病害虫
セージは寒さに強いので、鉢を室内へ取り込む必要はありません。ただし、雪や霜に当たると葉が傷むので、霜が降りる前に地上部を刈り込み、霜よけをしておくと春の姿がきれいです。
- 病害虫は少ないハーブです
- まれにうどんこ病や根腐れ(どちらも過湿が引き金)
- ハダニ……乾きすぎたときに付くので、葉の裏に霧吹きを
摘んで使う
セージは香りが強く、肉料理の臭み消しや風味づけに古くから使われてきました。ソーセージやひき肉料理と相性がよいハーブです。
- 生のまま……バターで焼いて、肉料理の香りづけに
- 乾燥させて……びんに入れて保存。ハーブティーにも
乾かし方はハーブの乾燥方法にまとめています。生乾きはカビのもとなので、からからになるまで乾かしてください。
お茶にするときの注意
セージの精油にはツヨンという成分が含まれています。妊娠中の方は避けるべきとされ、多量・長期に飲み続けることも勧められていません。
ハーブティーは食品であり、医薬品ではありません。体調に不安のある方は、かかりつけの医師にご相談ください。
ほかのハーブも育ててみたい方へ
セージは植えっぱなしで何年も使えるハーブです。同じように手のかからない仲間を並べておくと、ハーブ畑らしくなります。
- タイムの育て方……同じ地中海生まれ。枯れる原因も同じ「夏の蒸れ」
- ラベンダーの育て方……根元の病気に注意
- バジルの育て方……こちらは逆に、暑さに強く寒さに弱い一年草
- 初心者におすすめのハーブ……ベランダで始めるなら
ほかのハーブについてはハーブの種類・名前一覧図鑑にまとめています。
まとめ
- セージ(コモンセージ)はシソ科、地中海沿岸生まれの常緑多年草。和名はヤクヨウサルビア
- 寒さにとても強い。苦手なのは夏の高温多湿
- 梅雨前に切り戻して風を通すのが、いちばん大事な作業
- 水やりはやや乾燥ぎみ、朝のうちに。肥料はほとんどいらない
- ふやすなら挿し木か水挿し。数年に一度、若い株に更新する
- ホワイトセージは別の植物。料理に使うなら「コモンセージ」を選ぶ
寒さより、夏の湿気。——セージは、そこさえ気をつければ長く付き合えるハーブです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。


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