タイムは、寒さに強くて、水やりもほとんどいらないハーブです。
それなのに枯らしてしまう——原因は、たいてい夏の蒸れです。

この記事では、タイムの育て方と、枯らさないためのコツをまとめました。
先に結論
タイムは乾いた環境が好き。日当たりと風通し、水はけのよさが三点セットです。
苦手なのは夏の高温多湿。梅雨に入る前に、株の2分の1〜3分の1まで刈り込むと夏を越しやすくなります。
ふやすなら挿し木。真夏と真冬を避ければ簡単です。
タイムは、どんなハーブ?
- 学名……Thymus(ティムス属)
- 科……シソ科
- 和名……タチジャコウソウ(コモンタイムの場合)
- 原産……地中海沿岸
- 草丈……5〜30cm
- 開花期……主に4〜6月。赤・ピンク・白・淡い紫の小さな花
- 耐寒性……強い/耐暑性……強いが多湿には弱い
原産地は地中海沿岸。「日差しが強くて、乾いている」場所の植物だと覚えておくと、育て方の理屈がそのまま分かります。

日本の夏とは、正反対の環境なんだね。
立性とほふく性、2つのタイプがある
買う前に知っておきたいのが、枝の伸び方の違いです。
- コモンタイム(立性)……上に立ち上がって育つ。料理やお茶に使うのはこちら
- クリーピングタイム(ほふく性)……地面をはうように広がる。グラウンドカバーに向く
使うために育てるなら立性のコモンタイム、地面を覆いたいならクリーピングタイム——この2つで選べば、まず迷いません。
よく見かけるタイムの種類
園芸店に並ぶタイムには、いくつかの顔があります。
- コモンタイム……もっとも一般的な立性のタイム。和名タチジャコウソウ。料理にもお茶にも使う
- レモンタイム……葉にレモンのような香りがある。料理やお茶に人気
- シルバータイム……葉のふちに白い斑が入る。寄せ植えの彩りに
- クリーピングタイム……地面をはうタイプ。春に花がじゅうたんのように咲く
どれもシソ科Thymus属の仲間で、育て方の基本は同じです。「日当たり・風通し・水はけ」と「梅雨前の刈り込み」を押さえておけば、種類が変わっても迷いません。
置き場所と土
タイムが好きな場所
1. 日当たりがよい
2. 風通しがよい
3. 用土の水はけがよい
この3つがそろっていれば、タイムはとても丈夫なハーブです。逆に、じめじめして風の通らない場所では、たちまち弱ります。
鉢で育てるなら、水はけのよい土を選びます。軽石や鹿沼土を混ぜた山野草向けの土なら、失敗が少なくなります。
水やりと肥料は「控えめ」
- 水やり(鉢植え)……用土が乾いてから与える
- 水やり(庭植え)……根づいてしまえばほとんど不要
- 肥料(鉢植え)……春と秋に、置き肥なら月1〜2回、液体肥料なら月5〜6回
- 肥料(庭植え)……ほぼ不要
かわいがって水をやりすぎるのが、いちばんの失敗です。乾いてから、が基本になります。
★枯れる原因は、夏の蒸れ
タイムを枯らす原因は、ほとんどこれです。
夏の高温期に雨が続くと、株が蒸れて枝葉が枯れこんだり、株が腐ったりします。病害虫はほとんど出ないハーブなので、気をつけるのは蒸れだけと言ってもいいくらいです。
対策は「梅雨前の切り戻し」
いちばん大事な作業
花が一段落したら、梅雨に入る前に刈り込みます。
枝を2分の1〜3分の1くらいまで切り戻しておくと、風が通って夏を越しやすくなります。
切った枝は、そのまま料理やお茶に使えます。捨てるところがありません。
- 花がら……早めに刈り取る
- 混み合った枝……株の内側の風通しを意識して抜く
- 鉢植え……雨の当たらない軒下へ移すのも手

蒸れに弱いのはラベンダーも同じです。地中海生まれのハーブは、だいたいこの性質ですよ。
植えつけ・植え替え
- 植えつけ……真夏と真冬を除けばいつでも可能
- 植え替え……春か秋に
鉢の中が根でいっぱいになると、水はけが悪くなって蒸れやすくなります。1〜2年に一度を目安に、ひとまわり大きな鉢へ。
ふやし方は挿し木がいちばん簡単
挿し木の手順
1. 真夏・真冬を避けて、健康な新しい枝を5〜8cm切る
2. 切り口は斜めに
3. 挿し木用の土に穴をあけて挿し、土を軽く押さえる
4. たっぷり水をやり、風通しがよく気温の安定した場所へ
5. 土が乾いたら水をやる。6〜8週間で根が出る
株分けでもふやせます。タネからも育てられますが、挿し木のほうが早くて確実です。
冬の管理と、木のように硬くなってきたとき
タイムは寒さに強いので、冬に室内へ入れる必要はありません。屋外でそのまま冬を越せます。冬は生長がゆるやかになるので、水やりはさらに控えめで大丈夫です。
何年か育てていると、株元が木のように硬くなってきます。硬くなった部分からは新しい芽が出にくいので、やわらかい枝が残っているうちに、こまめに切り戻しておくのがコツです。
- 株の真ん中が枯れこんできたら、挿し木で世代交代させる
- 切り戻しは、やわらかい葉のある位置まで
- 鉢の中が根でいっぱいなら、植え替えか株分け
摘んで使う
立性のコモンタイムは、料理の香りづけによく使われます。肉や魚の下ごしらえ、煮込み、スープなど、加熱しても香りが残るのが持ち味です。
- 生のまま……枝ごと鍋に入れて、肉や魚、スープの香りづけに
- 乾燥させて……びんに入れて保存。ハーブティーにも
乾かし方はハーブの乾燥方法にまとめています。生乾きはカビのもとなので、からからになるまで乾かしてください。
ハーブティーにするときは
タイムは香りが強いハーブです。少量から試して、ほかのハーブと合わせると飲みやすくなります。ハーブティーは食品であり、医薬品ではありません。
育てるハーブを増やしたい方へ
タイムは水やりの手間が少なく、冬も越せるハーブなので、鉢をひとつ置いておくと長く楽しめます。同じように育てやすいハーブは、こちらでもご紹介しています。
- ローズマリーの育て方……同じ地中海生まれ。蒸れに弱いところも同じ
- ラベンダーの育て方……枯れる原因は「蒸れ」と「根元の病気」
- ミントを植えてはいけない理由……こちらは逆に、増えすぎるほう
ほかのハーブについてはハーブの種類・名前一覧図鑑にまとめています。
まとめ
- タイムはシソ科、地中海沿岸生まれ。和名はタチジャコウソウ
- 寒さに強く、水やりはほとんど不要。かわいがりすぎないのがコツ
- 苦手なのは夏の高温多湿。枯れる原因はたいてい蒸れ
- 梅雨前に2分の1〜3分の1まで刈り込むのがいちばん大事な作業
- 使うために育てるなら立性のコモンタイム
- ふやすなら挿し木。5〜8cmの枝で、6〜8週間で根が出る
手をかけないほうがうまく育つ——タイムは、そういうハーブです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。



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