サフランとは?めしべを集めた世界一高価なスパイス|使い方と、よく似た有毒植物「イヌサフラン」の注意

サフランとは?イヌサフランに注意 ハーブ名・種類一覧

パエリアやサフランライスの、あざやかな黄金色。その色のもとがサフランです。

サフランは、花のめしべだけを集めた、世界で最も高価なスパイスのひとつです。

サフラン

この記事では、サフランの正体と使い方、そして名前のよく似た有毒植物「イヌサフラン」の注意をまとめました。

先に結論

サフランは、アヤメ科のサフランの花のめしべを乾かしたスパイス。1gに花160個ほどが必要です。

使うのはひとつまみ。ぬるま湯に浸して色と香りを移してから料理に加えます。

名前も花の時期も似ているイヌサフランは、全草が有毒。庭の植物を「サフランだから」と食べないでください。

サフランは、どんなスパイス?

  • 学名……Crocus sativus
  • 科……アヤメ科(クロッカスの仲間)
  • 使う部分……花のめしべの先(柱頭)。1つの花に3本だけある、あざやかな深紅の部分
  • 花の時期……秋。花が咲くのは1〜2週間ほどに集中する
  • 採れる量……1gを採るのに、花が160個ほど必要
  • 色……水に溶ける黄色い色素で、料理を黄金色に染める
いろはちゃん

えっ、1gで花が160個も!?それは高いはずだね……

ハーブティー博士

そうなんです。めしべは手で1本ずつ摘み取られます。そのぶん、料理に使うのはほんのひとつまみで十分なんですよ。

日本では、サフランは「番紅花(ばんこうか)」とも呼ばれ、生薬として日本薬局方にも載っています。

サフランの使い方

使い方の基本

  • 量は4人分でひとつまみ(めしべ10〜20本ほど)
  • 使う前に、大さじ2〜3のぬるま湯に15〜30分ほど浸して、色と香りを移す
  • その浸した水ごと料理に加える
  • パエリア……スペインの炊き込みごはん
  • ブイヤベース……南フランスの魚介のスープ
  • サフランライス……カレーに添える黄色いごはん
  • リゾット……イタリア・ミラノ風のサフランのリゾット
いろはちゃん

ひとつまみで、ごはんが全部黄金色になるなんてすてき!

「紅花」とは別もの

紅花(サフラワー)は、キク科の別の植物です。花びらが黄色〜赤の色素を持ち、「サフランの代わり」として使われることがありますが、サフランとは別のものです。くわしくはサフラワー(紅花)でご紹介しています。

★イヌサフランは、全草が有毒

サフランとまちがえやすい植物に「イヌサフラン」があります。名前が似ているうえ、同じ秋に、よく似た薄紫の花を咲かせます。

  • 学名……Colchicum autumnale(園芸では「コルチカム」とも呼ばれる)
  • 有毒な部分……花・葉・球根のすべて
  • 毒の成分……コルヒチン
  • 症状……嘔吐、下痢、皮膚の感覚がにぶくなる、呼吸困難。重い場合は死亡することもある
  • まちがえやすいもの……春に出る葉はギョウジャニンニクやギボウシに、球根はジャガイモやタマネギに似ている
  • 日本での食中毒……2011〜2015年に5件、そのうち3件が死亡

(厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル:イヌサフラン」より。厚生労働省)

いろはちゃん

庭にサフランを植えたら、自分でめしべを摘んで使えるのかな?

ハーブティー博士

サフランを育てる方もいますが、球根や苗が本当に食用のサフラン(Crocus sativus)かを、必ず確かめてください。少しでも迷うなら、料理にはお店で売られているスパイスのサフランを使うのがいちばん安全です。

守ってほしいこと

  • 庭や野山の植物を、「サフランだから」「ギョウジャニンニクだから」と思い込んで食べない
  • 食べられる植物と有毒な植物を、同じ場所で育てない
  • 口にしてしまったときや、ようすがおかしいときは、すぐに医療機関を受診する

量と妊娠中の注意

料理にひとつまみ使う程度のサフランは、ふつうの食べ方です。イランの研究者たちが毒性の研究をまとめた報告(2017年)でも、治療の試験などで使われる量では、大きな毒性は見られなかったとされています(論文)。

一方で、何gもの大量(5gをこえるような量)では、重い副作用が報告されています。子宮を刺激するとも言われ、生薬としてのサフランは妊婦には使わないものとされています。

妊娠中の方は、料理の色づけ程度をこえる量をとらないでください。サフランのサプリメントなどを使いたいときは、必ず医師に相談してください。サフランは食品として売られているもので、医薬品のように国の審査で効果が認められたものではありません。

選び方と保存

  • めしべの形のまま(ホール)のものは、色があざやかな深紅で、先がラッパのように広がっている
  • あまりに安いものは、別の花やほかの物が混ざっていることもあるので、信頼できるお店で買う
  • 光と湿気で色と香りが落ちるので、密閉容器に入れて暗い場所で保存

まとめ

  • サフランは、アヤメ科の花のめしべ。1gに花160個ほど
  • 4人分でひとつまみ。ぬるま湯に浸して、水ごと料理に
  • 紅花(サフラワー)とは別の植物
  • イヌサフランは全草が有毒。花も時期も似ている。日本でも死亡事例がある
  • 妊娠中は、料理の色づけ程度をこえる量はとらない

ひとつまみの、秋の金色。お店で買ったサフランで、安心して楽しんでください。

ほかのハーブについてはハーブの種類・名前一覧図鑑にまとめています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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