「レモンバームもミントみたいに増えるの?」
植える前に、これは気になるところだと思います。

答えを先に書きます。増えます。でも、ミントほどではありません。
先に結論
レモンバームはこぼれ種で増えます。
ただし地下茎を出しません。ここがミントとの決定的な違いです。
花が咲く前に刈れば、広がりはほぼ止まります。
ミントとの違いは「地下茎があるかどうか」
どちらもシソ科で、見た目も似ています。それでも増え方はまったく違います。
日本メディカルハーブ協会は、レモンバームの株分けについて「地下茎が出ませんので」と明記しています。
- ミント……地下茎が土の中を横に走り、1m先、2m先から芽を出す
- レモンバーム……地下茎なし。株はその場で少しずつ太るだけ
「ミントテロ」という言葉があるのに、レモンバームには無い。その理由がここにあります。

じゃあ、何で増えるの?
増える理由は「こぼれ種」
日本メディカルハーブ協会によれば、レモンバームは種子・挿し木・株分けで殖やすことができ、こぼれ種で実生でも殖えます。
つまり花を咲かせて種を落とすと、翌年その場所から芽が出るということです。
ミントのように地面の下を進んでくるわけではないので、出てくる場所は予想がつきます。株のまわり、種が落ちた範囲です。
増やしたくないときは、ここを見る
- 花が咲く前に刈る……これがいちばん確実です
- 初夏から夏にかけて花が上がるので、その前に収穫を兼ねて切る
- 芽が出てしまったら、小さいうちに抜く(根が浅いので簡単です)
収穫すること自体が、そのまま対策になります。ここがミントとの大きな違いで、レモンバームは「使っていれば増えない」ハーブです。
地植えと鉢、どちらがいい?
心配なら鉢で構いません。ただ、ミントほど神経質になる必要はありません。
地植えでもいい人
花を咲かせる前に収穫する習慣がある。多少広がっても気にならない。
鉢のほうがいい人
庭が狭い。他の植物とはっきり分けたい。世話を忘れがち。
鉢で育てる場合は、やや大きめを選んでください。草丈は40cmほどから、条件がよければ120cmに達することもあります。
種から育てる? 苗を買う?
苗から始めるほうが簡単です。
種でも育ちますが、発芽までに時間がかかりますし、レモンバームは発芽に光が必要なタイプなので、種を土で厚く覆うと出てきません。
はじめての方は、園芸店で苗をひとつ買うところから始めてください。1株あれば充分です。放っておいても株は太りますし、こぼれ種でも増えます。
増やしたいときは、株分けか挿し木
逆に「もっと増やしたい」という場合もあると思います。
- 株分け……春か秋。地下茎が無いので、株そのものを掘り上げて分けます
- 挿し木……初夏。切った茎を水に挿しておくと根が出ます
収穫のついでに切った枝を、そのまま水に挿しておくだけでも根は出ます。
ただし根が出たら土に植えてください。水に挿したまま育て続けるのは、ハーブ全般で無理があります。ミントで同じことをして枯らしてしまう例は、ミントの水差しで根が出ない・枯れる原因にまとめました。
寒さには、とても強い
レモンバームは南ヨーロッパ原産の多年草で、耐寒性に優れています。
日本メディカルハーブ協会は「氷点下30℃まで耐え、冬期、地上部が冬枯れしても、翌春には芽吹きます」と記しています。
冬に葉が無くなっても、枯れたわけではありません。
根が生きていて、春にまた出てきます。掘り返さないでください。
同じ「レモンの香りのハーブ」でも、レモングラスは5℃以下で枯死するとされています。まるで逆です。
- レモンバーム……氷点下30℃まで耐える
- レモングラス……5℃以下で枯死
名前が似ていても、育て方はまったく別物だと考えてください。
育てるときのポイント
- 日当たり……日なた〜半日陰。真夏の強い日ざしは避ける
- 水……湿りぎみを好みます。真夏の水切れに注意
- 収穫……春から晩秋まで長く採れます
- 肥料……葉が黄ばんできたら、窒素分が足りていないサイン
葉が黄色くなる原因については、日本メディカルハーブ協会も窒素肥料の不足を挙げています。日照や水やりを疑う前に、肥料を見直してみてください。
虫ではヨコバイやダニの被害が知られています。葉の裏に水をかけるだけでも違います。
夏に弱るのは、日ざしのせい
レモンバームは耐寒性に優れる一方で、真夏はやや苦手です。
強い日ざしに当て続けると葉が硬くなり、香りも落ちます。夏だけ半日陰に移すか、地植えなら背の高い植物の陰になる場所を選んでください。
そして水切れに注意です。真夏は朝と夕方、たっぷり与えてください。もともと湿りぎみの土を好むハーブです。
夏を越せば、秋にまた柔らかい葉が出ます。
夏に見た目が悪くなっても、そこで諦めないでください。
名前の由来はミツバチ
学名の Melissa は、古代ギリシャ語で「ミツバチ」を意味します。蜜源植物であることが語源です。
種小名の officinalis はラテン語で「薬用の」という意味。ハーブの学名によく出てくる言葉です。

花が咲くと、ミツバチが来るんだね。
増えるのが気になるなら花は咲かせないほうがいいのですが、ミツバチを呼びたいなら咲かせる。そこは好みで決めてください。
採れすぎた葉は、どうする?
レモンバームは春から晩秋まで収穫できるので、育てているとかなりの量になります。
フレッシュのままハーブティーにするのがいちばん手軽ですが、飲みきれない分は乾燥させて保存します。
ただしこの乾かす工程が、いちばん難しいところです。レモンバームは葉が柔らかく水分が多いので、生乾きだとカビますし、乾かしすぎると香りがほとんど残りません。
長野県飯田市山本のケーキとビストロ美城(みき)は、ハーブを育てて、乾かして、ブレンドするところまでを10年以上続け、商品として販売しているお店です。敷地内のハーブ畑で20種類以上を自家栽培しています。
レモンバームは、美城のブレンドでいちばんよく使われているハーブのひとつです。入っているものから3つご紹介します。
⑧ ポンポコタヌキになりたくな〜いブレンド
マルベリーリーフ/レモングラス/レモンバーム/ワイルドストロベリー(すべて飯田産)
畑の様子は自家栽培ハーブティーは何が違う?長野・美城のハーブ畑からで写真つきでご紹介しています。
まとめ
レモンバームの増え方と育て方について、こちらをお話ししました。
- 増えるが、ミントほどではない
- 理由は地下茎を出さないから。増えるのはこぼれ種
- 花が咲く前に刈れば、広がりはほぼ止まる
- 氷点下30℃まで耐えるので、冬の心配はいらない
収穫していれば増えません。使う人にとっては、扱いやすいハーブです。
香りや味、淹れ方についてはレモンバームの効能と使い方にまとめました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。






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