夏のあいだ元気だったレモングラスが、冬を越したら枯れていた。
これはよくあることです。そして、育て方が下手だったからではありません。

この記事では、なぜ枯れるのか、どうすれば冬を越せるのかをまとめました。
先に結論
レモングラスは熱帯生まれで、5℃以下で枯死するとされています。
日本の多くの地域では、外に植えっぱなしでは冬を越せません。
鉢で育てて、寒くなる前に室内へ入れる。これがいちばん確実です。
レモングラスはイネ科の、熱帯のハーブ
レモングラスはイネ科の多年草です。学名を Cymbopogon citratus といい、日本メディカルハーブ協会によればマレーシア〜スリランカ原産とされています。
ハーブというとミントやローズマリーのようなシソ科を思い浮かべますが、レモングラスはまったく別の系統です。
- ミント・ローズマリー・レモンバーム……シソ科
- レモングラス……イネ科(ススキやレモンの仲間ではなく、イネの仲間)
見た目がススキのような細長い葉なのは、そのためです。名前も見た目も草そのもので、「グラス(草)」と呼ばれるのも納得できます。

レモンの木の仲間だと思ってた!
レモンの香りがするのに、レモンとは縁もゆかりもありません。レモンバーベナやレモンバームも同じで、「レモンの香りがする別の植物」がハーブにはいくつもあります。
冬に枯れる、いちばんの理由
寒さです。
日本メディカルハーブ協会は、レモングラスについて「寒さに弱く5℃以下で枯死する」と記しています。関東以北では屋外での越冬が難しく、室内に取り込むなどの防寒対策が必要とされています。
5℃は、氷点下ではありません。
霜が降りなくても、冷え込んだだけで駄目になるということです。
ここが、他のハーブとの大きな違いです。たとえばレモンバームは氷点下30℃まで耐えるとされていて、地上部が枯れても翌春には芽吹きます。
同じ「レモンの香りのハーブ」でも、寒さへの強さはまるで違います。
- レモンバーム……氷点下30℃まで耐える
- レモングラス……5℃以下で枯死
「ハーブは丈夫」という一般論で扱うと、レモングラスだけが冬に消えます。
冬を越す3つの方法
1. 鉢で育てて、室内に入れる(いちばん確実)
最初から鉢で育てるのがおすすめです。地植えにしてしまうと、冬に動かせません。
- 最低気温が10℃を下回る前に室内へ
- 置き場所は日の当たる窓際
- 水やりは控えめに。土が乾いてから
冬のあいだは成長が止まります。枯れたように見えても、株元が生きていれば春に芽吹きますので、慌てて捨てないでください。
2. 刈り込んで、防寒する
日本メディカルハーブ協会によれば、寒くなる前に10〜15cmほどに刈り込んで防寒対策をすれば越冬できるとされています。
刈り取った葉は、そのまま使えます。乾燥のしかたはこちらにまとめました。
ただし、これは暖かい地域での話と考えてください。氷点下になる地域では、刈り込みだけでは足りません。
3. 一年草と割りきる
毎年苗を買い直す、という付き合い方もあります。
レモングラスは春に植えれば夏には大きく育つハーブです。冬越しに神経を使うより、そのほうが気楽だという方もいます。

無理に越冬させなくてもいいんだ。
育てるときの基本
- 日当たり……よく日の当たる場所。日照不足だと香りが弱くなります
- 水……夏は乾かしすぎない。もともと湿った土地の植物です
- 鉢のサイズ……大きく育つので、思っているより大きめを
- 収穫……外側の葉から。葉の縁が鋭いので手袋を
草丈は、西インドレモングラスでおよそ1.5mに達します。小さな鉢では窮屈になりますので、余裕をもたせてください。
葉の縁で手を切ることがあります。細長い葉のふちがギザギザしていて、素手でしごくと切れます。収穫のときは軍手をしましょう。
増やし方は「株分け」
種からではなく、株分けで増やします。
ただし日本メディカルハーブ協会は、レモングラスの株分けについて「分げつ株は地面より上の茎の節についているため発根の十分ではない場合が多く、ほぼ挿し木に近い要領で行う」と説明しています。発根を促すには15℃以上が望ましいとのことです。
つまり暖かい時期に行うのが前提で、秋の株分けはうまくいきません。春から初夏に済ませてください。
よくある失敗、3つ
香りが弱い
日照不足のことが多いです。レモングラスは日ざしを浴びて香りをつくります。室内の奥まったところに置きっぱなしにすると、葉は伸びても香りが乗りません。
冬に室内へ入れたときも、できるだけ明るい窓辺に置いてください。
葉先が茶色くなる
水切れを疑ってください。もともと湿った土地の植物なので、夏の乾燥は苦手です。
鉢植えは土が乾きやすく、真夏は朝夕2回でも足りないことがあります。葉先の茶色は「乾いた」というサインだと思って構いません。
大きくならない
鉢が小さいケースです。1.5mほどに育つ植物を、小さな鉢で育てようとすると根がまわって止まります。
購入した苗のまま育てず、ひとまわり大きな鉢に植え替えるところから始めてください。
収穫は、株がしっかりしてから
植えてすぐの株から葉を取ると、そのぶん育ちが遅れます。株がふさふさと茂ってから、外側の葉を根元近くで刈り取ってください。
葉のほかに、株元のふくらんだ白い部分も使えます。ここは香りが強く、東南アジアの料理では煮込みによく使われるところです。

葉っぱだけじゃないんだ。
地植えにしていいのは、どんな場所?
冬に霜が降りない地域であれば、地植えのまま冬を越せることもあります。
ただし、5℃以下で枯死するという数字を思い出してください。日本の多くの地域では、冬の朝にこの温度を下回ります。
迷ったら鉢。
これがレモングラスとの、いちばん安全な付き合い方です。
地植えは「枯れてもいい」と思えるときだけにしてください。
お茶にするまでが、もうひと仕事
無事に育って収穫できたとして、ハーブティーにするには乾かす工程があります。
これが意外と難しいところです。生乾きだとカビますし、乾かしすぎると香りが飛びます。レモングラスは香りが身上のハーブですから、ここで失敗すると残念なことになります。
長野県飯田市山本のケーキとビストロ美城(みき)は、ハーブを育てて、乾かして、ブレンドするところまでを10年以上続け、商品として販売しているお店です。敷地内のハーブ畑で20種類以上を自家栽培しています。
レモングラスも、飯田の畑で育てたものが使われています。
飯田は長野県の南部で、冬は氷点下まで下がります。5℃以下で枯死するレモングラスを、その土地で毎年育てているということです。
レモングラスが入っているブレンドから、3つご紹介します。
⑧ ポンポコタヌキになりたくな〜いブレンド
マルベリーリーフ/レモングラス/レモンバーム/ワイルドストロベリー(すべて飯田産)
㈣ レモングラスほうじ茶
ほうじ茶(長野県産)/レモングラス(飯田産)
※妊娠中の方にはあまりおすすめできません。
畑の様子は自家栽培ハーブティーは何が違う?長野・美城のハーブ畑からで写真つきでご紹介しています。
まとめ
レモングラスの育て方について、こちらをお話ししました。
- イネ科の、熱帯生まれのハーブ
- 5℃以下で枯死するとされ、外での冬越しは難しい
- いちばん確実なのは鉢で育てて室内に入れること
- 増やすなら春から初夏の株分け
冬に枯れてしまったとしても、それは育て方が悪かったからではありません。もともと日本の冬を想定していない植物です。
鉢に植えておく。たったこれだけで、来年も同じ株から収穫できます。
香りや味、淹れ方についてはレモングラスの効能と使い方にまとめました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。





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