ハーブティーの原材料に「サフラワー」と書かれていて、
「サフランのこと?」
と思った方へ。別の植物です。しかも、科からして違います。

先に結論
サフラワー=キク科のベニバナ(紅花)。花びらを使う。山形県の県花。
サフラン=アヤメ科のクロッカスの仲間。めしべを使う。世界一高価なスパイス。
名前が似ているのは、どちらも料理を黄色く染めることから混同されてきたためです。
サフラワーとは
- 学名……Carthamus tinctorius
- 科・属……キク科ベニバナ属
- 和名……ベニバナ(紅花)、末摘花(すえつむはな)
- 原産……エジプトから中近東あたり(諸説あります)
- 分類……一年草
- 使用部位……花びら

咲きはじめは黄色く、日が経つと赤みを帯びます。お茶にすると淡い黄色に。
アザミによく似た、とげとげした葉を持つ植物です。背丈は1mほどになります。
おもしろいのは花の色で、咲きはじめは黄色、日が経つにつれてだんだん赤くなります。「紅花」という名前は、この赤くなったあとの姿から来ています。

黄色い花なのに「紅花」なんだ。ややこしい……

どちらも本当なんですよ。同じ花が、咲きながら色を変えていくんです。
「末摘花」という別名
末摘花(すえつむはな)とは、茎の先(末)から順に摘んでいく花という意味です。収穫の仕方が、そのまま名前になっています。
源氏物語の巻の名前としても知られていますが、もとはこの植物の呼び名です。
サフランとの違い
同じ「料理を黄色くするもの」でも、中身はまったく違います。
| サフラワー | サフラン | |
|---|---|---|
| 和名 | ベニバナ(紅花) | サフラン |
| 科 | キク科 | アヤメ科 |
| 使う部分 | 花びら | めしべ |
| 分類 | 一年草 | 球根植物 |
| 値段 | 手に取りやすい | 世界一高価なスパイス |
| 香り | ほとんどない | 強い独特の香り |
決定的なのは「使う部分」と「値段」です。
サフランは1つの花からめしべが3本しか採れず、しかも手作業で摘みます。1gに150〜200個ほどの花が必要と言われるほどで、これが高価な理由です。
サフラワーは花びらをまるごと使えます。同じ「黄色く染める」用途でも、価格がまったく違うのはこのためです。
買うときに間違えないために
パッケージに「ベニバナ」「紅花」とあればサフラワー、細い糸のような赤い繊維が入っていればサフランです。
見た目でも区別できます。サフラワーはオレンジ色の花びらの束、サフランは濃い赤の細い糸です。
日本での歴史
日本には飛鳥時代ごろに渡来したとされ、古くから染料として使われてきました。
紅色に染めた布や、口紅の「紅」もサフラワーから作られたものです。とげのある花から、あの色を取り出していたわけです。
いまも山形県の県花で、最上(もがみ)紅花が有名です。江戸時代には、最上川を下って京都まで運ばれ、大変な高値で取引されました。
種からは紅花油(サフラワー油)が採れます。食用油の名前として見たことがある方も多いと思います。
お茶にすると
味と香り
- 色……淡い黄色〜オレンジ。きれいに出ます
- 香り……ほとんどありません
- 味……穏やか。ほんのり草のような風味
- 存在感……控えめ。他のハーブの邪魔をしません
香りも味も主張しないので、単体で飲むより、ブレンドの色づけとして使われることが多いハーブです。カップの中がぱっと明るくなります。
淹れ方
1. 乾燥した花びらをティースプーン1杯ほど
2. 熱湯を注ぐ
3. 3〜5分置く
色をしっかり出したいときは、少し長めに置いてください。
美城のブレンドでは
長野県飯田市山本のケーキとビストロ美城(みき)のブレンドティーにも、サフラワーが使われています。
⑤ 女性リズムを整えるブレンド
原材料:レモンバーム(長野県飯田産)/ローズヒップ(チリ産)/カモミール(長野県飯田産)/レッドクローバー(長野県飯田産)/サフラワー(中国産)
1袋(ティーバッグ2個入り)300円。
※妊娠中の方にはあまりおすすめできません。
サフラワーは中国産で、飯田で育てているものではありません。いっぽうレモンバーム・カモミール・レッドクローバーの3つは飯田産の自家栽培です。
構成を見ると、サフラワーは主役ではありません。レモンバームとカモミールという穏やかな土台に、ローズヒップの酸味とレッドクローバーを重ね、サフラワーで色を添える——という組み立てです。上に書いたとおり「香りも味も控えめで、色がきれい」というのがサフラワーの持ち味なので、理にかなった使い方だと思います。
美城は、ハーブを育てて、乾かして、ブレンドするところまでを10年以上続け、商品として販売しているお店です。敷地内のハーブ畑で20種類以上を自家栽培し、全国に配送しています。
畑の様子は自家栽培ハーブティーは何が違う?長野・美城のハーブ畑からで写真つきでご紹介しています。
飲むときに気をつけたいこと
妊娠中の方はお控えください
サフラワー(紅花)は、古くから妊娠中は避けるように言われてきたハーブです。
美城の⑤にも「妊娠中の方にはあまりおすすめできません」と明記されています。
妊娠中・妊娠を考えている方は、飲まないでください。
そのほかの注意
キク科の植物(ブタクサ、ヨモギ、カモミールなど)にアレルギーのある方はお控えください。
授乳中の方、持病のある方、お薬を飲んでいる方は、かかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。
ハーブティーは食品であり、医薬品ではありません。
まとめ
- サフラワー=ベニバナ(紅花)。キク科で、使うのは花びら
- サフランはアヤメ科で、使うのはめしべ。まったくの別物
- 花は咲きはじめ黄色、のちに赤く変わる
- 別名末摘花。山形県の県花で、最上紅花が有名
- 染料・口紅・紅花油としても使われてきた
- お茶は淡い黄色。香りも味も控えめで、ブレンドの色づけ向き
- 妊娠中は避ける。キク科アレルギーの方も注意
- 美城では⑤。サフラワーは中国産
派手さはありませんが、カップの色をきれいにしてくれる、縁の下の力持ちのようなハーブです。
ほかのハーブについてはハーブの種類・名前一覧図鑑にまとめています。



コメント