苗のラベルやハーブティーの原材料で、「ブラックミント」という名前を見かけることがあります。
ペパーミントとは別のミントなのでしょうか?

この記事では、ブラックミントとペパーミントの関係をまとめました。
先に結論
ブラックミントは、ペパーミントの中の「ブラック系」です。別の種類ではありません。
茎が赤紫色なのが目印で、草丈は低く葉は小さいのに、香りは強いのが特徴です。
反対に、茎が緑の「ホワイト系」もあります。
ペパーミントには「ブラック」と「ホワイト」がある
ペパーミントは、学名を Mentha × piperita といいます。日本メディカルハーブ協会によれば、ウォーターミント(M. aquatica)とスペアミント(M. spicata)の交雑種です。
そのペパーミントには、大きく分けて2つの系統があります。
- ブラック系……ブラックペパーミント、ブラックミント
- ホワイト系……ホワイトペパーミント、ホワイトミント、グリーンペパーミント
「ブラックミント」は、ペパーミントの一系統の呼び名、ということです。

ブラックもホワイトも、どっちもペパーミントなんだ。
ペパーミントとスペアミントの見分け方はミントの見分け方にまとめています。
違い1:茎の色
いちばん分かりやすいのは、茎の色です。
日本メディカルハーブ協会によれば、ブラック系は茎の表皮細胞にアントシアニンを含むため赤紫色になり、寒い時期には葉も色づきます。
- ブラック系……茎が赤紫色。寒くなると葉も色づく
- ホワイト系……茎も葉も鮮やかな緑色
アントシアニンは、ブルーベリーや赤じそ、マロウブルーの色のもとにもなっている色素です。
違い2:大きさ
- ブラック系……ホワイト系より草丈が低く、葉が小さい
- ホワイト系……草丈90cmほどと高く、葉も大きく細長い
見た目だけなら、ホワイト系のほうが立派に見えます。
違い3:香り
ここが、ブラック系のいちばんの特徴です。
日本メディカルハーブ協会によれば、ブラック系は小さいながら香りが強く、香料の原料として大規模に栽培されています。
一方ホワイト系は香りが穏やかで、油がとれる量が少ないため、香料の原料には向かないとされています。
小さくて地味なブラック系のほうが、香りは強い——意外な関係です。

見た目で選ぶと、逆になっちゃうね。
違い4:花の咲きやすさと、広がり方
- ブラック系……花が咲きにくい。匍匐茎(地面を這う茎)で広がる
- ホワイト系……薄紫色の花の穂をよく咲かせる
ブラック系は花が咲きにくいぶん、茎を伸ばして横へ広がる性質が目立ちます。
一覧にすると
- 茎の色……ブラック=赤紫/ホワイト=緑
- 草丈……ブラック=低い/ホワイト=90cmほど
- 葉……ブラック=小さい/ホワイト=大きく細長い
- 香り……ブラック=強い/ホワイト=穏やか
- 花……ブラック=咲きにくい/ホワイト=よく咲く
育てるときに気をつけたいこと
ブラックミントもミントの仲間です。匍匐茎で広がるので、地植えにすると庭じゅうに広がることがあります。
- 鉢で育てる……広がりを止めるいちばん確実な方法
- 伸びた茎はこまめに摘む……収穫を兼ねて、広がる前に切る
- ほかのミントと並べて植えない……ミントは種類どうしで交雑しやすい
ミントの増え方と対策はミントを植えてはいけない理由で詳しく書きました。
茎の色で、ちゃんとブラックか確かめる
苗を買うときは、茎が赤紫色かどうかを見てください。茎が緑なら、ホワイト系か、ほかのミントの可能性があります。
寒くなると葉が紫になるのは、異常ではない
秋から冬にかけて、ブラックミントの葉まで赤紫っぽく色づくことがあります。
病気ではありません。
先ほど書いたとおり、ブラック系は寒い時期に葉も色づく性質があります。
- 寒くなって、葉全体がほんのり紫がかる……ブラック系の性質
- 葉に斑点が出て、しおれていく……こちらは病気や水の問題を疑う
色づき方が「全体にほんのり」なら、心配いりません。
花が咲かなくても、それが普通
ホワイト系や、ほかのミントを育てたことがある人ほど、「ブラックミントは花が咲かない」と不思議に思うかもしれません。
日本メディカルハーブ協会によれば、ブラック系は開花しにくい系統です。花が咲かないのは、育て方の問題ではありません。
花が咲きにくいぶん、葉を収穫する期間が長く取れるという見方もできます。ミントは花が咲くと葉の香りや質が変わりやすいので、葉を使う人にとってはむしろ扱いやすい性質です。
ホワイト系を選ぶのは、どんなとき?
- 見た目を楽しみたい……背が高く、薄紫の花穂も楽しめる
- 香りは穏やかなほうがいい……料理に添えるなど、強すぎない香りが欲しいとき
香りを重視するならブラック、見た目や穏やかさならホワイト——目的で選ぶと迷いません。
お茶にするなら、香りの強さを活かして
ブラックミントは香りが強いので、少ない量でもしっかりミントを感じられます。ほかのハーブと合わせると、全体をさわやかに引き締める役になります。
ペパーミントティーの淹れ方はペパーミントの使い方を参考にしてください。
長野県飯田市山本のケーキとビストロ美城(みき)は、ハーブを育てて、乾かして、ブレンドするところまでを10年以上続け、商品として販売しているお店です。敷地内のハーブ畑で20種類以上を自家栽培しています。
美城の原材料には「ブラックミント【ペパーミント】」と書かれています。香りの強いブラック系を、飯田の畑で育てているということです。入っているブレンドから3つご紹介します。
⑥ ストレス解消!さわやかな香りブレンド
スペアミント/ブラックミント【ペパーミント】/ローズレッド(パキスタン産)/シソ(表記なきものは飯田産)
⑰ スースースッキリ爽快ブレンド
甜茶(中国産)/スペアミント(飯田産)/ブラックミント【ペパーミント】(飯田産)/ローズレッド(パキスタン産)
畑の様子は自家栽培ハーブティーは何が違う?長野・美城のハーブ畑からで写真つきでご紹介しています。
まとめ
ブラックミントとペパーミントの違いについて、こちらをお話ししました。
- ブラックミントはペパーミントの「ブラック系」。別種ではない
- 茎が赤紫なのはアントシアニンを含むから。寒いと葉も色づく
- ホワイト系より小さいが、香りは強い。香料原料として大規模栽培される
- 花が咲きにくく、匍匐茎で広がる
- 育てるなら鉢で。苗は茎の色で確かめる
茎が紫なら、香りが強いほう。ミントの苗を選ぶときの、覚えやすい目印です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。




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