去年植えたカモミールは夏に枯れてしまったのに、今年もまた同じ場所に咲いている。
これは、カモミールが「こぼれ種」で増えるハーブだからです。

この記事では、カモミールが毎年咲く理由と、夏に枯れるわけをまとめました。
先に結論
ハーブティーでおなじみのジャーマンカモミールは一年草です。株は一年で終わります。
それでも毎年咲くのは、一度植えるとこぼれ種でどんどん繁殖するから。
そして高温に弱いので、夏に枯れていくのは自然なことです。
ハーブティーのカモミールは「ジャーマン」
カモミールと呼ばれる植物にはいくつか種類がありますが、ハーブティーによく使われるのはジャーマンカモミールです。
- 学名……Matricaria chamomilla
- 科……キク科
- 性質……耐寒性一年草
- 香り……花は甘くフルーティーな香り
生活の木のハーブ図鑑では、ジャーマンカモミールを「耐寒性一年草」としています。

一年草なのに、毎年咲くんだね。
ジャーマンとローマンの違いについてはカモミールの違いで詳しく書いています。
毎年咲くのは、こぼれ種のおかげ
生活の木のハーブ図鑑は、ジャーマンカモミールについて「一度植えると、こぼれ種でどんどん繁殖します」としています。
- 花が咲き終わると、中心部分にとても小さな種がたくさんできる
- 種が地面にこぼれ落ちる
- 条件が合うと、そこから新しい芽が出る
株は一年で枯れても、種が次の世代をつないでいる——「毎年同じ場所で咲いている」ように見えるのは、このためです。
思わぬ場所からも出てくる
種がとても小さいので、風や水やりで流されて、植えた場所から少し離れたところにも芽を出します。
プランターの外、鉢の周り、通路のすき間。
「こんなところにカモミールが?」ということが起きるのは、こぼれ種ならではです。
夏に枯れるのは、暑さに弱いから
生活の木のハーブ図鑑によれば、ジャーマンカモミールは高温に弱いため、夏場の直射日光は避け、半日陰などの涼しい場所に移すことがすすめられています。
- 春……花の盛り。日当たりのよい場所で元気に咲く
- 初夏……暑くなるにつれて、株が弱りはじめる
- 夏……一年草としての一生を終えて枯れていく
夏に枯れても、育て方の失敗ではありません。花が咲いて種を残したなら、カモミールとしては役目を果たしています。

枯れたんじゃなくて、バトンを渡したんだね。
こぼれ種で「毎年楽しむ」には
- 花をいくつか摘まずに残す……種ができるまで待つ
- 枯れた株をすぐに片づけない……種が落ちきるまで少し待つ
- その場所の土を深く耕さない……小さな種が深く埋まると芽が出にくい
- 芽が混み合ったら間引く……風通しを確保する
全部の花をお茶用に摘んでしまうと、翌年は出てきません。摘む花と残す花を分けておくのがコツです。
増やしたくないときの対策
逆に、決まった場所だけで育てたい場合は——
- 咲いた花を早めに摘む……お茶用に収穫すれば、種はできない
- 咲き終わった花は、種ができる前に切る
- 出てきた芽は、小さいうちに抜く……根が浅いので簡単
「花を収穫する」ことが、そのまま増やさない対策になります。お茶に使う人にとっては、とても管理しやすいハーブです。
こぼれ種の芽を、上手に育てるには
こぼれ種から出た芽は、自分でまいた苗より丈夫に育つこともあります。その場所の環境で、自然に芽を出したものだからです。
- 混み合っていたら間引く……株と株の間に、風が通る余裕を
- 移したいときは小さいうちに……根が浅いうちなら、土ごとそっと掘って移せる
- 通路など邪魔な場所の芽は抜く……必要な数だけ残す
「全部育てる」ではなく「残す芽を選ぶ」——これで、毎年ほどよい量のカモミールを楽しめます。
花の摘み方
- 摘みどき……花がしっかり開いて、中心の黄色い部分がこんもり盛り上がってきたころ
- 摘む時間……朝露が乾いた、晴れた日の午前中
- 摘み方……花のすぐ下で、茎を短く残して摘む
咲いている花をこまめに摘むと、次のつぼみが上がってきやすくなります。お茶用の収穫と、花を長く楽しむことが両立できます。
アブラムシに注意
生活の木のハーブ図鑑も、ジャーマンカモミールはアブラムシがつきやすいとしています。摘んだ花は、使う前によく見て、虫がついていないか確かめてください。
ローマンカモミールは多年草
同じカモミールでも、ローマンカモミールは性質が違います。
- ジャーマン……一年草。こぼれ種で世代をつなぐ
- ローマン……多年草。同じ株が何年も生きる。地面を這うように広がり、グランドカバーにも使われる
「うちのカモミールは枯れずに毎年ある」という場合は、ローマンカモミールの可能性もあります。
育てるときの基本
- 日当たり……日当たりのよい場所。ただし夏は半日陰へ
- 土……風通しと水はけのよい場所
- 虫……アブラムシがつきやすいので、つぼみや茎の先をこまめに見る
地植えと鉢植え、それぞれの育て方はカモミールの育て方(地植え)とカモミールの育て方(室内)にまとめています。
摘んだ花を、お茶にするなら
カモミールの花は小さく、お茶にするほど集めるには、たくさん摘む必要があります。そして乾かすとぐっと小さくなります。
乾燥のしかたはハーブの乾燥方法を参考にしてください。
長野県飯田市山本のケーキとビストロ美城(みき)は、ハーブを育てて、乾かして、ブレンドするところまでを10年以上続け、商品として販売しているお店です。敷地内のハーブ畑で20種類以上を自家栽培しています。
カモミールが入っているブレンドから、3つご紹介します。
畑の様子は自家栽培ハーブティーは何が違う?長野・美城のハーブ畑からで写真つきでご紹介しています。
まとめ
カモミールのこぼれ種と、夏に枯れる理由について、こちらをお話ししました。
- ハーブティーのジャーマンカモミールは一年草
- 一度植えるとこぼれ種でどんどん繁殖し、翌年も芽を出す
- 高温に弱く、夏に枯れていくのは自然なこと
- 毎年楽しむなら花を少し残す、増やしたくないなら早めに摘む
- ローマンカモミールは多年草で、性質が違う
摘む花と、残す花。その選び方ひとつで、カモミールとの付き合い方を自分で決められます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。



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