ハイビスカスティーを初めて飲んだとき、多くの人が同じ反応をします。
「わ、酸っぱい」
きれいな赤色から、甘い南国の飲み物を想像していると、一口目でしっかり驚きます。

でもこの酸っぱさには理由があり、知っていると飲み方が変わります。この記事では、酸味の正体と、苦手な人の飲み方、ローズヒップとセットになっている理由をまとめました。
先に結論
ハイビスカスティーが酸っぱいのはクエン酸などの酸が多いから。
飲んでいるのは花びらではなく「がく」の部分です。
ローズヒップと合わせるのは、酸味がやわらぎ、味がまとまるから。
観賞用のハイビスカスとは別の植物です
まず、いちばん誤解されている点から。
お茶にするハイビスカスは、南国のホテルに咲いているあのハイビスカスではありません。
- 学名……Hibiscus sabdariffa
- 科・属……アオイ科フヨウ属
- 別名……ローゼル
- 原産……西アフリカ
- 使用部位……がく(花びらではありません)
同じフヨウ属の仲間ではありますが、ローゼルという別の種です。庭に植えている観賞用のハイビスカスの花を摘んでも、あの赤いお茶にはなりません。

えっ、飲んでるのは花びらじゃないの!?じゃああの赤いのは何?

「がく」です。花が散ったあと、実を包むように残る厚くて赤い部分ですね。ここを乾燥させたものがハーブティーになります。

これがローゼルの花です。花びらはクリーム色で、赤いのは中心とがくの部分。真っ赤な観賞用ハイビスカスとは見た目からして違います。
「エジプト産」が多いのはなぜ?
ローゼルはアフリカ原産で、エジプトが代表的な産地です。市販のハイビスカスティーの原材料表示を見ると、エジプト産と書かれていることが多いのはそのためです。
なぜあんなに酸っぱいのか
酸味の正体は、クエン酸・ハイビスカス酸・リンゴ酸といった有機酸です。レモンや梅干しを酸っぱく感じさせるのと同じ種類のものが、まとまって含まれています。
甘みの成分がほとんどないので、酸味だけがまっすぐ来ます。これが「思ったより酸っぱい」と感じる理由です。

左が乾燥させた「がく」。これを煮出すと、右のようなルビー色になります。
味と見た目
- 味……はっきりした酸味。甘さはほぼない
- 香り……ほとんどない。香りを楽しむタイプのハーブではありません
- 色……鮮やかなルビー色。ハーブティーの中でも特に美しい部類
つまりハイビスカスティーは「香りではなく、色と酸味で楽しむ」お茶です。ラベンダーやカモミールとは、そもそも楽しみ方が違います。
酸っぱいのが苦手な人の飲み方
「体に良さそうだから飲みたいけれど、酸味がつらい」——これはとても多い声です。
1. はちみつを入れる
いちばん確実です。酸味と甘みは打ち消し合うので、少量でぐっと飲みやすくなります。
2. 冷やす/炭酸で割る
冷たいほうが酸味は穏やかに感じられます。炭酸水で割ると、赤色も映えてジュースのような感覚になります。
3. 薄く入れる
そもそも濃すぎることが多いです。ティーバッグを引き上げるのを1〜2分早めるだけでも変わります。
4. 他のハーブと合わせる
これが次の話です。ハイビスカスは単体より、ブレンドのほうが飲みやすいハーブです。
★ローズヒップと一緒に売られている理由
ハイビスカスを探すと、ほぼ必ず「ローズヒップ&ハイビスカス」が出てきます。これは偶然ではなく、理由のある組み合わせです。
1. 酸味の質が違うので、角が取れる
ハイビスカスの酸味はとがっていて直線的。ローズヒップの酸味はまるくて、果実感がある。合わせると、ハイビスカスの鋭さがローズヒップに包まれてまとまります。
2. 香りの空白が埋まる
ハイビスカスはほとんど香りがありません。ローズヒップの果実のような香りが加わることで、飲んだときの物足りなさが消えます。
3. 色がさらにきれいになる
ハイビスカスの赤に、ローズヒップのオレンジみが加わって、深みのある赤になります。
つまりローズヒップは、ハイビスカスの足りないところをちょうど埋める相手なのです。定番になっているのには、ちゃんと理由があります。
逆に言えば、ハイビスカス単体を買って「酸っぱすぎた」となった方は、ブレンドを試すと印象が変わるかもしれません。
淹れ方
基本の淹れ方(ティーバッグ1個・カップ1杯分)
1. カップにティーバッグを入れる
2. 熱湯を注ぐ
3. 3分ほど置く(酸味が苦手なら2分で)
4. ティーバッグを引き上げる
アイスにするなら
熱湯で濃いめに出して、氷を入れたグラスに一気に注ぎます。急冷すると色が濁らず、透き通った赤になります。
鉄の急須・鉄瓶は避けてください。ハイビスカスの酸と鉄が反応して、色が黒っぽく変わってしまいます。ガラスや陶器がおすすめです。せっかくの赤を見て楽しむお茶なので、ガラスの器がいちばん映えます。
美城のブレンドでは
長野県飯田市山本のケーキとビストロ美城(みき)のブレンドティーにも、ハイビスカスが使われています。
④ 美肌と健康に心がけるブレンド
原材料:ローズヒップ(チリ産)/ハイビスカス(エジプト産)/ローズレッド(パキスタン産)/ステビア/イチゴ(長野県産)
どちらも1袋(ティーバッグ2個入り)300円です。
注目していただきたいのは④の構成で、上で書いた「ハイビスカス×ローズヒップ」の定石どおりになっています。さらにステビアとイチゴで甘みと果実感が足されているので、酸っぱいのが苦手な方でも入りやすい組み立てです。
飲んだ感想(美城のスタッフより)
⑫ 輝く目に!きらきらひとみブレンド
一口目の酸っぱさで、ふっと目が覚めるような感じがしました。午後にだれてきたとき、これを飲むと切り替わります。
酸味はしっかりあるので、甘いお茶が好きな方は最初びっくりするかもしれません。私はこの酸っぱさが好きで、飲むと内側からしゃきっとする感じがします。
※⑫は妊娠中の方にはあまりおすすめできません(美城の商品ページより)。
感じ方には個人差があります。ハーブティーは食品であり、医薬品ではありません。
なお、ハイビスカスはエジプト産です。美城が自家栽培しているのはカレンデュラやマロウブルーなどで、畑の様子は自家栽培ハーブティーは何が違う?長野・美城のハーブ畑からでご紹介しています。
飲むときに気をつけたいこと
こんな方はご注意ください
酸が強いお茶なので、空腹時に濃いものをたくさん飲むと胃にこたえることがあります。
歯のことが気になる方は、飲んだあとに水を一口飲むとよいと思います。
また妊娠中・授乳中の方、持病のある方、お薬を飲んでいる方は、かかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。
ハーブティーは食品であり、医薬品ではありません。
まとめ
- 飲んでいるのはローゼルという別種の「がく」。観賞用ハイビスカスではない
- 酸っぱさの正体はクエン酸などの有機酸。甘みがないので酸味が際立つ
- 香りはほぼない。色と酸味で楽しむお茶
- 苦手ならはちみつ・冷やす・薄く出す・ブレンドにする
- ローズヒップと合わせるのは、酸味がまるくなり香りが足されるから
- 鉄の器はNG。色が変わります
- 美城では④と⑫に使われている
酸っぱいから苦手、で終わらせるにはもったいないハーブです。合わせるものと濃さを変えるだけで、ずいぶん印象が変わります。
ほかのハーブについてはハーブの種類・名前一覧図鑑にまとめています。


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