アップルパイやシナモンロール、チャイ。甘くてスパイシーな香りのシナモンは、寒い季節に恋しくなるスパイスです。
シナモンは、木の「皮」から作られています。

この記事では、シナモンの正体と種類、ニッキとの違い、使うときに知っておきたい注意をまとめました。
先に結論
シナモンは、クスノキ科の木の皮をはいで乾かしたスパイスです。
主な種類はセイロンシナモンとカシアの2つ。ニッキは、日本の別の木の根の皮を使ったものです。
カシアにはクマリンという成分が多く含まれ、とりすぎると肝臓に負担がかかることがあります。毎日たくさん使うなら量に注意しましょう。
シナモンは、どんなスパイス?
- 原料……クスノキ科ニッケイ属の木の樹皮
- 作り方……樹皮をはいで乾かすと、くるくると丸まる。これがシナモンスティック
- パウダー……樹皮を粉にしたもの
- 香り……甘く、少しピリッとした香り

えっ、シナモンスティックって、木の皮が丸まったものなの!?

そうなんです。ちなみに、ローリエの木(月桂樹)も同じクスノキ科。どちらも香りの強い葉や皮を持つ仲間なんですよ。
ローリエについてはローリエとは?でご紹介しています。葉を使うハーブと、皮や種を使うスパイスの違いはハーブとスパイスの違いもご覧ください。
★セイロンシナモンとカシアの違い
- セイロンシナモン……スリランカ原産。皮がうすく、何層にも巻いている。香りは上品でやさしい。クマリンが少ない
- カシア……中国やベトナムなどで作られる。皮が厚く、かたい。香りが強く、少し辛みがある。クマリンが多い
スーパーで「シナモン」として売られているものには、カシアも多く含まれています。どちらなのかは、商品の原材料名や原産国で確かめられることがあります。
ニッキとの違い
ニッキ(ニッケイ)は、シナモンとは別の種類の木です。
- 木……日本固有のニッケイ(クスノキ科ニッケイ属)。徳之島や沖縄島北部に自生
- 使う部分……根の皮(樹皮の香りは弱く、根の皮に強い香りと辛みがある)
- おなじみの味……八ツ橋、ニッキ飴、ニッキ水など

八ツ橋の香りはシナモンだと思ってたけど、ニッキは根っこの皮だったんだね!
同じ仲間なので香りは似ていますが、シナモンは樹皮、ニッキは根の皮と覚えておくと分かりやすいです。
シナモンの効能は?言われていることと、研究で分かっていること
シナモンは、体を温めるスパイスとして、また血糖値によいと言われることの多いスパイスです。漢方でも、シナモンの仲間の樹皮が「桂皮(ケイヒ)」という生薬として使われています。
一方で、アメリカの国立補完統合衛生センター(NCCIH)は、これまでの研究をまとめて、次のように紹介しています(厚生労働省eJIMの日本語訳)。
研究で分かっていること(NCCIHより)
- シナモンは血糖値を下げるものの、長い期間の血糖の状態を表すHbA1cには、あまり影響しない
- 人を対象とした試験の結果からは、どの病気や症状についても、シナモンの使用をはっきり支持するものはない
糖尿病などで治療中の方は、シナモンで血糖値を下げようとせず、主治医の指示に従ってください。シナモンのサプリメントを使いたいときも、必ず医師に相談してください。シナモンは食品で、医薬品のように国の審査で効果が認められたものではありません。
★毎日たくさん使うときの注意:クマリン
シナモン、とくにカシアには、クマリンという香りの成分が多く含まれています。クマリンは、とりすぎると肝臓に負担がかかることがあるとされています。
- ヨーロッパ(ドイツ連邦リスク評価研究所・欧州食品安全機関)は、クマリンを一生とり続けても健康に影響がないとされる量を、1日あたり体重1kgにつき0.1mgとしている
- 体重50kgの人なら、1日5mgが目安
- シナモンに含まれるクマリンは、平均で1kgあたり2,900mg(品種によって8〜4,380mg)と推定されている
(食品安全委員会が紹介した、オーストリア保健・食品安全局の評価より。食品安全委員会)
平均の量で計算すると、シナモンパウダー小さじ1杯(約2g)で5〜6mgほど。体重50kgの人の目安と同じくらいになります。量は品種や商品によって大きく違うので、あくまで目安ですが、「体によさそうだから」と毎日たくさん食べ続けるのは控えたほうが安心です。

カフェラテにちょっとかけるくらいでも、気にしたほうがいいの?

ふりかける程度なら、心配しすぎなくて大丈夫です。気をつけたいのは、毎日スプーンで何杯もとるような使い方や、サプリメントですね。たくさん使いたい方は、クマリンの少ないセイロンシナモンを選ぶのもひとつの方法です。
こんな方は、とくに注意
- 肝臓の病気がある方(カシアを長く多くとるのは控える)
- 妊娠中・授乳中の方(料理に使う程度をこえる量は控え、気になるときは医師に)
- お薬を飲んでいる方、シナモンのサプリメントを使いたい方(医師・薬剤師に相談)
シナモンの使い方
- シナモンティー……紅茶にシナモンスティックを1本入れて、かき混ぜながら香りを移す
- りんごと……焼きりんご、アップルパイ、りんごのコンポートに
- シナモンシュガー……砂糖に混ぜて、トーストやドーナツに
- カレーや煮込み……スティックを1本入れて、最後に取り出す

スティックでかき混ぜるだけなら、すぐにできそう!
スティックは香りがおだやかで、飲み物や煮込みに。パウダーは香りが強いので、お菓子やふりかけに少量ずつ使うのがおすすめです。
体を温める飲み物は、ジンジャーティーや秋の冷えにおすすめのハーブティーでもご紹介しています。
保存のしかた
- 密閉容器に入れて、湿気と光を避けて保存
- パウダーは香りが飛びやすいので、少量ずつ買って早めに使いきる
まとめ
- シナモンは、クスノキ科の木の樹皮から作るスパイス
- 主な種類はセイロンシナモン(クマリン少)とカシア(クマリン多)
- ニッキは日本固有のニッケイの根の皮。八ツ橋やニッキ飴の香り
- 血糖値によいと言われるが、病気や症状への使用をはっきり支持する研究はない
- カシアを毎日たくさんとるのは控える。肝臓の病気・妊娠中・お薬を飲んでいる方は特に注意
香りを楽しむ分だけ、ほどよく。それが、シナモンと長くつきあうコツです。
ほかのハーブについてはハーブの種類・名前一覧図鑑にまとめています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。



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