小さな釘のような形をした、こげ茶色のスパイス。甘く、ピリッと刺激のある強い香りがします。それがクローブです。
実はクローブは、花の「つぼみ」を乾かしたものなんです。

この記事では、クローブの正体と使い方、知っておきたい注意をまとめました。
先に結論
クローブは、フトモモ科の木の花のつぼみを乾かしたスパイス。和名は丁子(ちょうじ)です。
香りがとても強いので、肉料理やカレー、チャイに数粒で十分。
香りの成分を濃く集めた精油(クローブオイル)は、子どもが飲むと重い中毒になることがあります。手の届かない場所に保管してください。
クローブは、どんなスパイス?
- 植物名……チョウジノキ
- 学名……Syzygium aromaticum
- 科……フトモモ科
- 原産……インドネシアのモルッカ諸島
- 使う部分……開く前の花のつぼみを乾かしたもの
- 香り……甘く刺激のある強い香り。主な成分はオイゲノール

えっ、この釘みたいなのが、花のつぼみなの!?

そうなんです。先の丸い部分が、開く前の花びらです。英語の「クローブ」はフランス語の「釘」から、和名の「丁子」も釘(丁)の形から来ていると言われています。
ちなみに、同じフトモモ科にはユーカリもあります。どちらも香りの強い成分を持つ仲間です。
クローブの使い方
- 肉料理……豚肉の煮込みやハムに刺して焼く。肉のくさみをやわらげる
- カレー……ホールのまま油で炒めて香りを出す
- チャイ・ホットワイン……シナモンなどと一緒に煮出す
- ピクルス……漬け汁に数粒
使うときのコツ
- 香りがとても強いので、数粒(2〜3粒)から
- 入れすぎると、苦みとしびれるような刺激が出る
- ホールは食べる前に取り出す
甘い香りのスパイスではシナモンや八角と相性がよく、煮込みやチャイに一緒に使われます。チャイの香りの主役になるカルダモンとも相性がよいスパイスです。
香りを飾る「ポマンダー」
ポマンダーの作り方
1. オレンジやりんごなどの果物を用意する
2. 竹串で穴をあけて、クローブをすき間なく刺していく
3. 風通しのよい場所で、数週間かけて乾かす
4. リボンをつけて吊るす

クローブを刺すだけで香りの飾りになるなんて、作ってみたい!
ヨーロッパでは、冬の香りの飾りとして昔から作られてきました。乾くまでの間にカビが生えることがあるので、風通しのよい場所で乾かしてください。食べるものではないので、小さな子どもやペットが口にしない場所に飾りましょう。
歯の痛みに使われてきたって本当?
クローブは、昔から歯の痛みに使われてきたことで知られています。
ヨーロッパの医薬品庁(EMA)は、クローブの精油を「長く使われてきた実績にもとづくハーブ医薬品」として、口やのどの軽い炎症や、虫歯による歯の痛みを一時的にやわらげることに使うとまとめています。ただし、18歳未満、妊娠中・授乳中にはすすめないこと、1週間をこえて使わないことも書かれています(EMAの資料)。
歯が痛いときは、クローブで様子を見ずに歯医者さんを受診してください。市販のクローブや精油は医薬品ではなく、虫歯を治すものではありません。
★精油(クローブオイル)は、子どもの手の届かない場所へ
香りの成分を濃く集めたクローブの精油は、料理に使うクローブとはまったく別ものと考えてください。
イギリスでは、2歳の子どもがクローブオイルを飲んでしまい、肝臓が壊れ、血液が固まりにくくなる重い状態になった例が報告されています(論文)。
守ってほしいこと
- クローブの精油は子どもの手の届かない場所に保管する
- 精油を飲まない。原液を肌や口の中に直接つけない
- 子どもが飲んでしまったとき、ようすがおかしいときは、すぐに医療機関を受診する
- 妊娠中・授乳中の方、お薬を飲んでいる方は、精油を使う前に医師に相談する
料理に数粒使う程度の量で、心配しすぎる必要はありません。気をつけたいのは精油と、たくさんの量です。
保存のしかた
- 密閉容器に入れて、湿気と光を避けて保存
- ホールのほうがパウダーより香りが長もちする
まとめ
- クローブはフトモモ科の木の花のつぼみ。和名は丁子
- 香りが強いので、肉料理・カレー・チャイに数粒で十分
- オレンジに刺すポマンダーは、冬の香りの飾り
- 歯の痛みに使われてきたが、歯が痛いときは歯医者さんへ
- 精油は子どもの手の届かない場所に。飲まない・原液を直接つけない
数粒で、香りはじゅうぶん。小さな釘のようなスパイスを、上手に使ってみてください。
ほかのハーブについてはハーブの種類・名前一覧図鑑にまとめています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。



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