酸っぱくて真っ赤なハイビスカスティー。
あの原料は、園芸店で見るハイビスカスではなく「ローゼル」という植物です。そして、家庭でも育てることができます。

この記事では、ローゼルの育て方と、自分でハイビスカスティーを作るまでをまとめました。
先に結論
ローゼルは暑さを好み、寒さに弱い植物です。
日が短くなってから咲く「短日植物」なので、花は9〜11月。
お茶に使うのは花びらではなく、花のあとに赤くふくらむ萼(がく)。寒くなる前に収穫できるかが勝負です。
ローゼルは、どんな植物?
- 学名……Hibiscus sabdariffa
- 科……アオイ科フヨウ属(園芸のハイビスカスと同じ属)
- 原産……西アフリカ説、インド〜マレーシア説など諸説ある
- 大きさ……高さ2〜3mに育つことも
- 別名……食用ハイビスカス
生活の木のハーブ図鑑では、ローゼルを「非耐寒性一年草」としています。寒さに耐えられない、ということです。
園芸用のハイビスカスとの違いは、ハイビスカスティーはなぜ酸っぱい?の「観賞用のハイビスカスとは別の植物です」で詳しく書きました。

家で育てたハイビスカスで、お茶ができるの?
お茶にするのは「花」ではなく「萼」
ハイビスカスティーという名前から、花びらを乾かしていると思われがちです。
実際に使うのは、花が終わったあとに残る萼(がく)と苞(ほう)です。これが肉厚にふくらんで、赤く熟します。
- 花……クリーム色。葉のつけ根に1輪ずつ咲く
- 萼と苞……花のあと、肥厚して赤く熟す。ここを摘んで乾かす
赤く熟した萼は酸味があって、生でも食べられます。ジャムやゼリーにも使われます。
いちばんの特徴:秋まで花が咲かない
ローゼルを育てるうえで、ここがいちばん大事です。
ローゼルは短日植物で、9〜11月ごろに開花します。
短日植物とは、日が短くなってくると花を咲かせる植物のことです。
夏の間はどれだけ大きく育っても、花は咲きません。
つまり、春に種をまいて、夏に株を大きくして、秋に咲かせて、萼を収穫する——という一年になります。

夏に咲かないって知らなかったら、失敗だと思っちゃうね。
寒さとの競争になる
ここに、日本で育てるときの難しさがあります。
- 花が咲くのは9〜11月
- 萼がふくらんで赤く熟すのは、花のあと
- 一方でローゼルは寒さに弱い
生活の木のハーブ図鑑は、10月中旬以降は屋内に入れる必要があるとしています。
花が咲いて、萼が熟すまで、寒さが来るのを待ってくれるか——これが収穫できるかどうかの分かれ目です。
収穫までたどり着くためのコツ
- 鉢植えで育てる……秋に屋内へ動かせる
- 夏のうちに株をしっかり育てる……花や萼の数が増える
- 冷え込む前に、軒下や日当たりのよい室内へ
育て方の基本
生活の木のハーブ図鑑をもとに、ポイントをまとめます。
- 日当たり……日当たりのよい場所。真夏は半日陰で管理
- 肥料……初夏から成長が旺盛になるので、肥料を切らさない
- 土……酸性の土に弱い。雨の多い時期は土が酸性に傾きやすいので注意
- 寒さ……10月中旬以降は屋内へ
「暑い時期にしっかり育てて、寒くなる前に守る」と覚えておくと、迷いにくくなります。
種まきは、暖かくなってから
ローゼルは暑さを好む植物なので、種まきは十分に暖かくなってからにしてください。
- 早くまきすぎると、低温で芽が出にくい・苗が育たない
- 遅すぎると、夏のうちに株が大きくならず、秋の花が少なくなる
夏にしっかり株を作れる時期にまくことが、秋の収穫につながります。
萼を収穫して、お茶にする
- 花が終わって、萼が赤くぷっくりふくらんだら摘む
- 中にある種の入った実を取りのぞく
- 萼をよく乾かす
萼は肉厚で水分が多いので、しっかり乾かさないとカビやすいところです。乾燥のしかたはハーブの乾燥方法を参考にしてください。
手軽に楽しむなら、ブレンドで
ローゼルは、一株から採れる萼の量がそれほど多くありません。そのうえ寒さとの競争があるので、お茶にするほど集めるのはなかなか大変です。
ハイビスカスは酸味が強く香りがほとんどないので、ほかのハーブと合わせると飲みやすくなります。
長野県飯田市山本のケーキとビストロ美城(みき)は、ハーブを育てて、乾かして、ブレンドするところまでを10年以上続け、商品として販売しているお店です。敷地内のハーブ畑で20種類以上を自家栽培しています。
ハイビスカス(エジプト産)が入っているブレンドは、こちらの3つです。
⑫ 輝く目に!きらきらひとみブレンド
レモンバーム(長野県飯田産)/カレンデュラ(長野県飯田産)/ハイビスカス(エジプト産)/ローズマリー(長野県飯田産)/マロウブルー(長野県飯田産)
※妊娠中の方にはあまりおすすめできません。
⑯ お疲れリセット!元気充電ブレンド
レモンバーム(長野県飯田産)/ローズマリー(長野県飯田産)/ハイビスカス(エジプト産)/エルダーフラワー(ウクライナ産)
※妊娠中の方にはあまりおすすめできません。
畑の様子は自家栽培ハーブティーは何が違う?長野・美城のハーブ畑からで写真つきでご紹介しています。
まとめ
ローゼルの育て方について、こちらをお話ししました。
- ハイビスカスティーの原料はローゼル(アオイ科フヨウ属)
- お茶にするのは花のあとに赤くふくらむ萼と苞
- 短日植物で、花は9〜11月。夏には咲かない
- 寒さに弱く、10月中旬以降は屋内へ。萼の収穫は寒さとの競争
- 真夏は半日陰、初夏から肥料を切らさない、酸性土に注意
夏に育てて、秋に咲かせて、寒さの前に摘む。その一年を知っておけば、自家製ハイビスカスティーにも手が届きます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。



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