ワイルドストロベリーを育てているけれど、普通のイチゴのようにランナー(つる)が出てこない。
育て方を間違えたのでは、と心配になるかもしれませんが、そうとは限りません。

この記事では、ワイルドストロベリーの育て方と、ランナーが出ない理由をまとめました。
先に結論
ワイルドストロベリーは寒さに強い多年草です。
品種によってはランナーが出にくく、株そのものが大きく育つ性質があります。
気をつけたいのは夏。根が浅いので、乾燥で枯れやすいハーブです。
ワイルドストロベリーは、どんな植物?
- 学名……Fragaria vesca
- 科……バラ科
- 和名……エゾヘビイチゴ、ヨーロッパクサイチゴ
- 性質……耐寒性多年草
生活の木のハーブ図鑑では、ワイルドストロベリーを「耐寒性多年草」としています。冬の寒さはあまり心配いりません。一度植えれば、何年も楽しめるハーブです。
果実は食用に、葉は乾燥させてお茶にします。葉のお茶についてはワイルドストロベリーの葉はお茶になるにまとめました。
ランナーが出ないのは、品種の性質
普通のイチゴ(オランダイチゴ)は、親株からランナーと呼ばれるつるを伸ばし、その先に子株をつくって増えます。
ワイルドストロベリーも同じように増えると思われがちですが、生活の木のハーブ図鑑は「品種によってはランナーが出にくく、株自体が大きく生長していきます」としています。
ランナーが出ない=育て方の失敗、ではありません。
そういう性質の品種なら、株が横に太っていくのが正常な育ち方です。

つるが出ないからって、心配しなくていいんだね。
自分の株がどちらのタイプか、見分けるには
- 株元から細いつるが横に伸びてくる……ランナーが出るタイプ
- つるは出ず、株元の葉がどんどん増えてこんもりする……株が大きくなるタイプ
苗を買うときにラベルに書かれていることもあります。「ランナーが出ない」「株が大きくなる」などの表記を確かめてみてください。
夏に枯れる理由は「根が浅い」から
ワイルドストロベリーを枯らしてしまう時期は、冬ではなく夏です。
生活の木のハーブ図鑑によれば、根が浅いため、夏の過度な乾燥で枯れる場合があります。
- 根が浅い……土の表面近くにしか根がない
- 夏は表面の土から乾く……根のある層が真っ先に乾いてしまう
- 鉢植えはさらに乾きやすい……真夏は1日で乾ききることもある
夏越しのコツ
- 真夏は半日陰へ……生活の木のハーブ図鑑も、真夏は半日陰を好むとしている
- 水やりは朝のうちに……土の表面が乾いていたらたっぷり
- 株元を覆う……ワラやバークチップで土の乾燥を和らげる
- 鉢は地面に直置きしない……照り返しの熱を避ける

冬より夏のほうが、気をつけなきゃいけないんだ。
土と置き場所
生活の木のハーブ図鑑は、風とおしと水はけのよい土をすすめています。
- 春と秋……日当たりのよい場所
- 真夏……半日陰。午後の強い西日は避ける
- 土……水はけのよい土。ただし乾きすぎにも注意
- 株まわり……葉が混み合ったら古い葉を取って風を通す
「水はけはよく、でも乾かしすぎない」——少し矛盾するようですが、水が溜まって根が傷むのも、乾いて根が枯れるのも避けたいということです。
鉢で育てるときのポイント
ワイルドストロベリーは小さな鉢やプランターでも育てやすいハーブです。ベランダでも楽しめます。
- 鉢の大きさ……株が大きくなるタイプなら、ゆとりのある鉢を
- 鉢の素材……素焼き鉢は乾きやすいので、夏は特に水切れに注意
- 植え替え……根が鉢いっぱいになったら、春か秋にひとまわり大きな鉢へ
- 実を汚さない……実が土に触れると傷みやすい。株元にワラを敷くと実もきれいに保てる
地植えより乾きやすいぶん、夏の水やりだけは地植え以上に気をつけてください。
よくあるトラブル
葉が茶色く縮れる
夏の乾燥や、強い日ざしが原因のことが多いです。半日陰に移し、水やりの間隔を見直してください。
実がつかない、少ない
日当たり不足を疑ってください。春と秋はしっかり日に当てると、花と実がつきやすくなります。
株の中心が弱ってくる
株が古くなると、中心部分から元気がなくなることがあります。株分けで若返らせるタイミングです。
実が鳥に食べられる
赤い実は、鳥にもよく見つかります。熟したらこまめに摘むか、気になる場合は防鳥ネットをかけてください。
冬の管理
耐寒性多年草なので、冬は多くの地域で外のままで大丈夫です。
- 水やり……控えめに。土が乾いてから
- 傷んだ葉……枯れた葉は取りのぞいて、株元の風通しをよくする
- 肥料……冬はいらない。春の芽吹きに合わせて少し
増やし方
ランナーが出るタイプ
伸びたランナーの先に子株ができたら、子株の下に小さな鉢を置いて根を出させ、根づいたらランナーを切り離します。
ランナーが出にくいタイプ
株が大きくなってきたら、株分けで増やします。
- 暑さのやわらいだ春か秋に行う
- 株を掘り上げて、根をつけたまま手で分ける
- 分けたら、しばらくは半日陰で水を切らさないように
夏の株分けは避けてください。根が浅いうえに傷んだ状態で乾燥にさらされると、枯れやすくなります。
実も葉も、両方楽しむ
- 実……赤く熟したものから摘む。小さくても香りが強い
- 葉……元気な葉を摘んで乾かし、お茶に
葉を摘むときは一度に取りすぎないようにしてください。葉が少なくなると株が弱り、夏越しがさらに難しくなります。
乾燥のしかたはハーブの乾燥方法を参考にしてください。
葉のお茶を、手軽に楽しむなら
ワイルドストロベリーの葉は、一株から採れる量が多くありません。お茶にするほど集めるのは、意外と時間がかかります。
長野県飯田市山本のケーキとビストロ美城(みき)は、ハーブを育てて、乾かして、ブレンドするところまでを10年以上続け、商品として販売しているお店です。敷地内のハーブ畑で20種類以上を自家栽培しています。
ワイルドストロベリーも、飯田の畑で育てたものが使われています。
⑪ すっきりすらっと!デトックスブレンド
ワイルドストロベリーリーフ/サンショウ/ローズレッド(パキスタン産)
畑の様子は自家栽培ハーブティーは何が違う?長野・美城のハーブ畑からで写真つきでご紹介しています。
まとめ
ワイルドストロベリーの育て方について、こちらをお話ししました。
- 寒さに強い多年草。冬越しはあまり心配いらない
- ランナーが出にくい品種があり、その場合は株が大きくなるのが正常
- 枯れやすいのは夏。根が浅く、乾燥に弱い
- 真夏は半日陰、水やりは朝、株元を覆う
- 増やすならランナーの子株か、春・秋の株分け
「冬は放っておいて、夏に気をかける」。このリズムを覚えれば、毎年実と葉の両方を楽しめます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。




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