オレガノは、ピザやトマト料理でおなじみのハーブです。
じつは育てるのもそれほど難しくないハーブで、一度植えれば毎年芽を出してくれます。

それでも「夏に株の中が茶色くなった」「香りが弱い」とつまずく方がいます。原因の多くは水のやりすぎと蒸れです。
この記事では、オレガノの育て方と、香りよく収穫するコツをまとめました。
先に結論
オレガノは寒さに強い多年草。苦手なのは日本の夏の高温多湿です。
日当たりと水はけのよい場所で、水やりは乾かし気味に。
株が込み合ったら切り戻し、収穫は花が咲く直前がいちばん香ります。
オレガノは、どんなハーブ?
- 学名……Origanum vulgare
- 科……シソ科(ハナハッカ属)
- 和名……ハナハッカ(花薄荷)。別名ワイルドマジョラム
- 原産……ヨーロッパ〜中央アジア
- 草丈……30〜90cm
- 開花……6〜8月。ピンクや白の小花
- 寒さ……強い(幼い苗はやや弱い)/暑さ……強い〜普通
いちばんの特徴は、乾かすと香りが強くなることです。生の葉は青くささが残りますが、乾燥させるとそれが抜けて、シャープな香りになります。料理用に乾燥オレガノがよく売られているのは、このためです。

生より乾かしたほうがいいハーブもあるんだね。
植えつけは春か秋。鉢植えがおすすめです
- 植えつけ……春(4〜5月)か秋(9〜10月)
- 用土……水はけのよい、やや砂まじりの土。市販の草花用培養土に川砂を1割ほど混ぜると安心です
- 肥料……植えつけのときに緩効性肥料を少し。あとは秋(9月ごろ)に追肥する程度で十分
オレガノは、やせた土地でも育つハーブです。肥料をたくさんやると葉ばかり茂って、かえって蒸れやすくなります。
地植えもできますが、地下茎で横へ広がる性質があります。庭で広がりすぎるのが心配な方は、鉢で育てるのがいちばん確実です。広がる理由と対策はオレガノを植えてはいけない理由にまとめています。
置き場所と水やり:「乾かし気味」が合言葉
オレガノが好きな場所
1. 日当たりがよい
2. 水はけがよい
3. 風通しがよい(とくに夏)
水やりは、基本的に乾かし気味です。
- 鉢植え……土の表面が乾いてからたっぷり。受け皿に水をためない
- 地植え……根づいたあとは、ほとんど水やり不要。雨まかせで育ちます
「毎日少しずつ」水をやるのが、いちばんよくないやり方です。土がいつも湿っていると、根が傷んで株が弱ります。
★夏の蒸れを防ぐ「切り戻し」
オレガノがいちばん弱るのは、梅雨から夏です。
葉が込み合ったまま高温多湿になると、株の内側から葉が茶色く枯れこんできます。これが「蒸れ」です。
切り戻しのタイミング
1. 梅雨に入る前……込み合った枝を間引き、全体を軽く切って風通しをよくする
2. 花が終わったあと……伸びた茎を切り戻して、株の形を整える
3. 秋……大きくなりすぎた株を整理する

切った枝は捨てずに料理に使えます。切り戻しと収穫を、いっしょにしてしまいましょう。
★収穫は「花が咲く直前」がいちばん香ります
葉は春から秋(4〜10月)まで、使う分だけ摘めます。
まとめて収穫して乾燥させるなら、花が咲く直前がおすすめです。このころが、いちばん香りが強くなります。
- 切る位置……地上部の3分の1くらいを切る
- 乾かし方……小さな束にして、風通しのよいところに吊るす
- 保存……からからに乾いたら、葉をしごいて密閉容器へ
花が咲く前に刈り取ると、こぼれ種で増えすぎるのも防げます。収穫と増えすぎ対策が、いっぺんに片づくわけです。家庭での乾かし方はハーブの乾燥方法、保存のしかたはハーブの保存方法にもまとめています。
ふやし方は3つ
- タネまき……春。発芽に適した温度は20℃前後。光に当たったほうが発芽しやすいタネなので、土はかぶせない
- 挿し芽……春か秋。やわらかい茎の先を切って、清潔な土に挿す
- 株分け……2〜3年に1回、花のあとに。古い根を整理して、新しい部分を植え直す
株分けは、ふやすためだけでなく、株を若返らせるためにも大切です。何年も植えっぱなしにすると株の中心が古くなって、葉の出が悪くなります。
冬越しと病害虫
寒さには強いので、特別な冬支度はいりません。冬は地上部が枯れたように見えることがありますが、根は生きていて、春にまた芽を出します。
ただし、植えたばかりの幼い苗は寒さにやや弱いので、秋に植えた小さな苗は、霜の当たらない軒下などで冬を越させると安心です。
病害虫は少ないほうですが、乾燥が続くとハダニ、風通しが悪いとアブラムシがつくことがあります。葉の裏をときどき見てあげてください。
「花オレガノ」や「マジョラム」とは違います
売り場では、オレガノの名前がついた別のものも並んでいます。
- 花オレガノ(’ケント・ビューティ’など)……ホップのような花を楽しむ観賞用。料理用のオレガノとは別物で、暑さにもやや弱い
- スイートマジョラム……同じハナハッカ属の仲間で、昔からオレガノと混同されてきました。香りは甘くやさしく、寒さにやや弱いのが大きな違い
料理やお茶に使うなら、「オレガノ」か「ワイルドマジョラム」と書かれた苗を選んでください。
育てるのが大変なら、育てている人から
オレガノは丈夫なハーブですが、夏の蒸れに気をつけて、切り戻して、花の前に刈り取って——と、香りよく使うまでには意外と手がかかります。
そして、育てるのと同じくらい難しいのが「乾かす」ことです。生乾きだとカビますし、乾かしすぎると香りが飛んでしまいます。
長野県飯田市山本のケーキとビストロ美城(みき)は、ハーブを育てて、乾かして、ブレンドするところまでを10年以上続け、商品として販売しているお店です。敷地内のハーブ畑で20種類以上を自家栽培していて、オレガノもそのひとつです。
4種すべてが長野県飯田産の自家栽培ハーブです。オレガノは香りが強いので主役ではなく、桑の葉とシソのやさしい土台に、スペアミントといっしょにすっきりした香りを添える役で入っています。
「自分で育てるのは大変だけれど、オレガノの入ったお茶は飲んでみたい」——そういうときは、こういう選択肢もあります。
畑の様子は自家栽培ハーブティーは何が違う?長野・美城のハーブ畑からで写真つきでご紹介しています。
お茶にするときは
オレガノは香りが強いので、ごく少量から試してください。シソ科の植物にアレルギーのある方はお控えください。妊娠中・授乳中の方、持病のある方、お薬を飲んでいる方は、かかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。ハーブティーは食品であり、医薬品ではありません。
ほかのハーブも育ててみたい方へ
- ローズマリーの育て方……同じく地中海の乾いた土地が好きなハーブ
- レモンバームの育て方……寒さに強い多年草。ミントとの違いも
- ミントを植えてはいけない理由……こちらも地下茎で広がるハーブ
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ほかのハーブについてはハーブの種類・名前一覧図鑑にまとめています。
まとめ
- オレガノはシソ科ハナハッカ属の多年草。和名はハナハッカ
- 寒さに強く、夏の高温多湿に弱い
- 植えつけは春か秋。地下茎で広がるので鉢植えが安心
- 水やりは乾かし気味。肥料は控えめでよい
- 梅雨前・花のあと・秋に切り戻して、蒸れを防ぐ
- 収穫は花が咲く直前がいちばん香る。乾かすと香りが強くなる
- ふやし方はタネまき(土をかぶせない)・挿し芽・株分け
- 花オレガノは観賞用、スイートマジョラムは寒さに弱い別の仲間
水は控えめ、風通しよく、花の前に刈る。——この3つを守れば、オレガノは毎年たっぷり収穫できるハーブです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。



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