ヨモギ茶や草餅のために、庭でヨモギを育ててみたい。
その前に、ひとつ知っておいてほしいことがあります。

ヨモギは、地下茎と種の「両方」で増える草です。この記事では、その増え方と、庭で付き合うための方法をまとめました。
先に結論
ヨモギは地下茎が地面の下を横に伸びて広がり、種でも増えます。
地植えにすると、抜いても残った地下茎から出てきます。
育てるなら鉢で。花が咲いたら種ができる前に刈るのが基本です。
ヨモギは、道端でたくましく増える草
ヨモギはキク科の多年草です。日本全国の日当たりのよい野原や道端に、かたまって生えています。
農研機構は、ヨモギについて春に地下茎から萌芽し、夏から秋に開花して、種子と地下茎で繁殖すると説明しています。地下茎は横に広がり、群落をつくって1mほどの高さになります。

道端にいっぱい生えてるのは、そういうことなんだ。
「ヨモギ」という名前も、よく繁って四方に広がることに由来するという説があるほどです。
増え方1:地下茎(ミントと同じ)
地下茎は、地面の下を横に走る茎です。そこから離れた場所に、新しい芽を出します。
- 地上に見えている株のまわりだけでなく、少し離れた場所からも出てくる
- 抜いたつもりでも、土の中に地下茎が残っていれば、また芽が出る
- 冬に地上部が枯れても、地下茎は生きていて春に芽吹く
これは、「植えてはいけない」でおなじみのミントと同じ増え方です。
増え方2:種(シソと同じ)
ヨモギは花が地味なので気づきにくいのですが、夏から秋にたくさんの花をつけ、種をつくります。
日本メディカルハーブ協会によれば、ヨモギは一株あたり1万を超える頭花をつけることがあり、
ひとつの頭花に15ほどの小さな花がつきます。
一株から、それだけの種ができる可能性があるということです。さらに農研機構によれば、ヨモギの種は光があると発芽する性質があります。地面の表面に落ちた種が、そのまま芽を出しやすいのです。
シソが「こぼれ種」で毎年出てくるのと同じ広がり方も、ヨモギは持っています。
「両方」あるから、手ごわい
- ミント……地下茎で広がる → 鉢で囲えば止まる
- シソ……種で広がる → 花穂を刈れば止まる
- ヨモギ……地下茎と種の両方 → どちらの対策も必要
片方だけ気をつけても、もう片方から広がります。ここが、ヨモギを庭に植えるときのいちばんの注意点です。

ミントとシソの、いいとこ取り……じゃなくて、手ごわいとこ取りだね。
増えすぎを防ぐ方法
1. 地植えにせず、鉢で育てる
いちばん確実なのは、これです。
鉢で育てれば、地下茎が庭に広がることはありません。ただし、鉢を地面に直置きすると、鉢底の穴から地下茎が抜け出すことがあります。台の上に置くと安心です。
2. 花が咲いたら、種ができる前に刈る
夏から秋に花穂が伸びてきたら、種ができる前に刈り取ってください。鉢植えでも、種は風で飛びます。
3. 地植えにしてしまった場合
- 芽が小さいうちに抜く……地下茎が浅いうちのほうが取りやすい
- 地下茎ごと掘り取る……土の中の白っぽい茎を、できるだけ残さない
- 何度か繰り返す……残った地下茎から出てくるので、1回では終わらない
同じく地下茎で増えるドクダミの駆除では、防草シートや除草剤を使う方法もまとめています。
一度で根絶しようとせず、出てくるたびに抜く——ヨモギとはそういう付き合い方になります。
鉢で育てるときのポイント
地下茎で増えるヨモギは、鉢の中でもすぐに根がいっぱいになります。
- 日当たり……日当たりのよい場所。道端で元気に育つ草なので、日陰は向かない
- 水やり……土の表面が乾いたらたっぷり。丈夫なので、多少乾いても枯れにくい
- 植え替え・株分け……鉢に地下茎が回ってきたら、株分けして鉢を分ける
- 鉢の置き方……地面に直置きせず、台の上に。鉢底から地下茎が逃げないように
食べるなら、日の当て方に工夫を
日本メディカルハーブ協会によれば、ヨモギは日によく当てると香りの成分(精油)が増える一方、食用にする場合は光を遮ってやわらかくし、新芽付近を使わないと硬くて食べられないとされています。
- 香りを楽しみたい(お茶など)……しっかり日に当てる
- やわらかく食べたい(草餅など)……新芽のやわらかい部分を使う
一般には、初夏に伸びてきたやわらかい先端付近を摘んで使います。こまめに先端を摘むことが、そのまま増えすぎの予防にもなります。
放っておくと、どうなる?
- 1年目……株のまわりに少しずつ芽が増える
- 夏から秋……背が伸びて花が咲き、種ができる
- 2年目以降……地下茎で広がった範囲と、種が落ちた範囲の両方から芽が出る
気づいたときには、花壇の中や別の植物の株元にまで入り込んでいる——ヨモギで困るのは、たいていこのパターンです。ほかのハーブや花と同じ花壇に植えるのは避けてください。
増やしたいときは、簡単
裏を返せば、ヨモギはとても増やしやすい植物です。
日本メディカルハーブ協会によれば、ヨモギは種子や株分け、挿し木で増やすことができます。鉢の中で株が混み合ってきたら、株分けして別の鉢に植えれば十分です。
摘むときに、もうひとつの注意
庭で育てたヨモギなら、道端で摘むより安心です。ただし、野原のヨモギを摘むときは、有毒植物のトリカブトなどとの見分けが大切です。
見分け方はヨモギとトリカブトの見分け方にまとめました。
お茶にするなら
ヨモギ茶の味と淹れ方はヨモギ茶の味と飲み方にまとめています。
育てたヨモギをお茶にするには、しっかり乾かす工程があります。ヨモギは葉の裏の綿毛が多く、乾きむらが出やすいところです。
長野県飯田市山本のケーキとビストロ美城(みき)は、ハーブを育てて、乾かして、ブレンドするところまでを10年以上続け、商品として販売しているお店です。敷地内のハーブ畑で20種類以上を自家栽培しています。
増えやすいヨモギを、畑で手入れしながら育てている——そのヨモギが、こちらのブレンドに使われています。
⑳ よもぎの緑茶
緑茶(国産)/ヨモギ(飯田産)
※妊娠中の方にはあまりおすすめできません。
畑の様子は自家栽培ハーブティーは何が違う?長野・美城のハーブ畑からで写真つきでご紹介しています。
まとめ
ヨモギの増え方と対策について、こちらをお話ししました。
- ヨモギはキク科の多年草。地下茎と種の両方で増える
- 地下茎は横に広がり、抜いても残りから芽が出る
- 一株に1万を超える頭花がつくことも。種は光で発芽する
- 育てるなら鉢で、台の上に。花穂は種ができる前に刈る
- 地植えにしたら、出てくるたびに地下茎ごと抜く
「庭に植える」ではなく「鉢で飼う」。そう考えると、ヨモギは身近で頼もしいハーブになります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。




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