ハーブティーの売り場でいちばん間違えやすいのが、この3つです。
ローズティー・ローズヒップティー・ローズマリーティー。
名前が似ているので同じようなものだと思われがちですが、中身は完全に別ものです。

この記事では、3つの違いと、ローズティーの香り・淹れ方をまとめました。
先に結論
ローズティー=バラの花びらのお茶。香りを楽しむ。
ローズヒップティー=バラの実のお茶。酸味を楽しむ。
ローズマリーティー=シソ科の別の植物。バラですらない。
★3つの「ローズ」の違い
| ローズティー | ローズヒップティー | ローズマリーティー | |
|---|---|---|---|
| 使う部分 | バラの花びら | バラの実 | 葉(バラではない) |
| 科 | バラ科 | バラ科 | シソ科 |
| 味 | ほぼ無い。渋みが少し | しっかり酸っぱい | 苦味・清涼感 |
| 香り | バラの香りが主役 | ほとんど無い | 松のような強い香り |
| 色 | 淡い黄色〜薄い赤 | 濃いオレンジ〜赤 | 薄い黄緑 |
つまり「ローズ」がつくだけで、同じお茶の仲間ではありません。

ローズマリーだけ仲間はずれなんだ!バラだと思ってた……

そうなんです。ローズマリーは「海のしずく」という意味のラテン語が語源で、バラとは関係がありません。くわしくはローズマリーとローズヒップの違いでも解説していますよ。
ローズティー(ローズレッド)とは
ハーブティーの原材料としては「ローズレッド」という名前で書かれていることが多いお茶です。
- 学名……Rosa gallica など
- 科・属……バラ科バラ属
- 別名……ローズレッドペタル、ローズペタル、玫瑰花(マイカイカ)
- 使用部位……花びら
庭に咲いているバラを摘んでお茶にするのはおすすめしません。園芸用のバラは農薬を使って育てられていることがほとんどだからです。お茶にするバラは、食用として栽培・管理されたものを使います。
「ローズピンク」との違いは?
売り場ではローズレッドとローズピンクが並んでいることがあります。品種や色の違いで、どちらも花びらのお茶です。ローズレッドのほうが色が濃く、香りもはっきりしている傾向があります。
どんな香り・味がするのか
ローズティーは、味ではなく香りを飲むお茶です。

左が乾燥させた花びらとつぼみ。これを煮出すと、右のようなやさしい色になります。ローズヒップのような濃い赤にはなりません。
味と香り
- 香り……まぎれもないバラ。お湯を注いだ瞬間に立ちのぼる
- 味……ほとんどありません。奥にわずかな渋みと、かすかな甘い余韻
- 色……淡い黄色〜うすい赤。品種と濃さで変わります
飲んだあとに鼻に抜けていく香りが、このお茶のいちばんのごちそうです。カップを口に運ぶ前から楽しめるので、ゆっくりできる時間に向いています。
渋くなってしまったときは
ローズティーは長く置くと渋みが出ます。香りは早い段階でしっかり出ているので、3分ほどで引き上げるのがコツです。渋みが苦手なら2分でも十分です。
淹れ方
基本の淹れ方(ティーバッグ1個・カップ1杯分)
1. カップにティーバッグを入れる
2. 熱湯を注ぐ
3. ふたをして3分置く
4. ティーバッグを引き上げる
ふたをする——これがローズティーではとくに大事です。香りが湯気と一緒に逃げてしまうからです。お皿1枚をのせておくだけでも違います。
合わせやすいもの
- 紅茶……いちばんの定番。市販の「ローズティー」の多くは紅茶+花びらです(美城にも㉓バラの紅茶があります)
- カモミール……花の香り同士でまとまります
- ハイビスカス……酸味に香りが乗って、味の空白が埋まります
- はちみつ……甘みを足すとバラの香りが立ちます
見た目がきれいなのも魅力
乾燥した花びらは、お湯のなかでゆっくり開いていきます。ガラスのポットで淹れると、その様子がそのまま見えます。
贈り物に選ばれやすいのは、この見た目のよさもあります。味のクセが少ないので、相手の好みが分からないときにも渡しやすいお茶です。
美城のブレンドでは
長野県飯田市山本のケーキとビストロ美城(みき)のブレンドティーには、ローズレッドが10種類に使われています。全23種のうち10ですから、いちばん多く使われているハーブです。
なかでも㉓は、この記事で説明した「紅茶+バラの花びら」そのものです。
㉓ バラの紅茶
原材料:紅茶(インド産)/ローズレッド(パキスタン産)
商品ページには「香料は使わず、バラのみをブレンドしています」と書かれています。
※妊娠中の方にはあまりおすすめできません。
市販のローズティーは、香料で香りをつけているものも少なくありません。そういう意味では、㉓は上で説明した「紅茶に花びらを合わせる」という定石をそのままやっているお茶です。
⑱ のどをやさしくまもるブレンド
甜茶(中国)/カモミール/マロウブルー/ローズレッド(パキスタン)
各1袋(ティーバッグ2個入り)300円です。
ほかにローズレッドが入っているブレンド
⑥ストレス解消!さわやかな香り / ⑦心身をリラックスさせる花の香り / ⑩体をまもるパワーチャージ / ⑪すっきりすらっと!デトックス / ⑬さわやかな香りで幸せな気分を導く
※⑩は妊娠中の方にはあまりおすすめできません。
おもしろいのは④と⑨の使われ方の違いで、④は酸味のあるブレンドの香りづけ、⑨は花を見て楽しむブレンドの一員として入っています。同じローズレッドでも、役どころがまったく違います。
とくに⑨は、マロウブルーの青・カレンデュラのオレンジ・ローズレッドの赤が同じ袋に入っているので、カップの中が花畑のような見た目になります。
飲んだ感想(美城のスタッフより)
⑱ のどをやさしくまもるブレンド
これは本当に私にぴったりで、リピートしたくなりました。
甜茶が入っているので、砂糖を足していないのに甘みがあります。そこにカモミールの爽やかさと、ローズレッドのバラの香りが重なって、すごく飲みやすい。
ハーブティーは香りを楽しむものだと思っているんですが、これは香りも味も両方うれしいです。気分が素敵、っていう感じ。
感じ方には個人差があります。ハーブティーは食品であり、医薬品ではありません。
なお、ローズレッドはパキスタン産です。美城が自家栽培しているのはカレンデュラやヨモギなどで、畑の様子は自家栽培ハーブティーは何が違う?長野・美城のハーブ畑からでご紹介しています。
飲むときに気をつけたいこと
こんな方はご注意ください
バラ科の植物(イチゴ、モモ、リンゴ、ラズベリーなど)にアレルギーのある方はお控えください。
また妊娠中・授乳中の方、持病のある方、お薬を飲んでいる方は、かかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。
ハーブティーは食品であり、医薬品ではありません。
香りの強いお茶なので、香りが苦手な日は無理に飲まない——それくらいの距離感がちょうどいいと思います。
まとめ
- ローズティー=バラの花びら。香りが主役、味はほとんどない
- ローズヒップティー=バラの実。しっかり酸っぱい
- ローズマリーティー=シソ科。そもそもバラではない
- 原材料表示では「ローズレッド」と書かれることが多い
- ふたをして3分。長く置くと渋くなる
- 庭のバラは農薬の問題があるので、食用のものを使う
- 美城では10種類に使われている。いちばん多いハーブ。㉓バラの紅茶は紅茶+バラそのもの
名前が似ているだけで、飲んだときの体験はまるで違います。酸っぱいのが好きならローズヒップ、香りに包まれたいならローズティー——そう覚えておくと選びやすくなります。
ほかのハーブについてはハーブの種類・名前一覧図鑑にまとめています。



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