サラダで見かける白い葉のチコリと、ハーブの本に出てくる青い花のチコリ。同じ植物だと思いますか?
どちらも同じチコリの仲間です。育て方と品種の違いで、まるで別の野菜のように見えます。

この記事では、チコリがどんな植物か、トレビス・エンダイブとの違い、食べ方、根から作るチコリコーヒー、「チコリ 効能」で調べたときに知っておきたい研究の中身と注意をまとめました。
先に結論
チコリは、キク科キクニガナ属の多年草で、和名はキクニガナ(菊苦菜)です。
葉は野菜に、炒った根はコーヒーの代わりやお茶になります。
根に多いイヌリンの研究はありますが、お茶の効果を確かめたものではありません。
キク科のアレルギーがある方、妊娠中・授乳中の方、12歳未満のお子さんは、根のお茶を自己判断で飲まないでください。
チコリは、どんな植物?
- 学名……Cichorium intybus(英語ではチコリー)
- 科……キク科キクニガナ属の多年草
- 別の名前……チコリー、キクニガナ(菊苦菜)、アンディーブ、シコレなど
- 生まれ……ヨーロッパから地中海沿岸、中央アジアにかけてとされる
- 高さ……60〜150cmほど
- 花……7〜10月ごろ。多くは薄紫色や水色で、朝に開いて昼過ぎにはしぼむ
(NHK出版「みんなの趣味の園芸」、Wikipedia「チコリー」より)
和名の「菊苦菜」は、キク科の野菜で葉に苦みがあることからついた名前とされています。
日本には明治の初めに入ってきましたが、あまり広まらず、イタリア料理やフランス料理が家庭に広がるなかで、サラダの材料として知られるようになりました。

チコリ、トレビス、エンダイブって、何が違うの?

名前がとても混ざりやすい野菜です。日本のお店での呼び方を、表にまとめますね。
★チコリ・トレビス・エンダイブの違い
| お店での名前 | どんなもの |
| チコリ(アンディーブ) | 光を当てずに育てた白い新芽。先がうすい黄色で、細長い楕円形 |
| トレビス | 赤紫色の葉のチコリの品種群。イタリア語ではラディッキオ・ロッソ |
| リーフチコリー | 葉を食べる品種の総称 |
| エンダイブ | 同じ属の別の種(Cichorium endivia、和名キクヂシャ) |
白いチコリは「アンディーブ」とも呼ばれるので、エンダイブと名前が混ざりやすくなっています。買うときは、お店の説明や見た目で確かめると安心です。
白いチコリの作り方は、19世紀のベルギーで広まったとされています。畑で太らせた根を掘り上げ、暗いところで新芽を出させます。
味と食べ方
葉にはほろ苦さがあります。白いチコリは、根元に近いほど苦みが強くなります。
- 白いチコリ……葉を1枚ずつはがしてサラダに。舟の形を生かして、ディップをのせても。縦に切って蒸し煮やグラタンにも
- トレビス……生のままサラダの彩りに。ソテーやリゾットにも。加熱すると苦みが増すとされる
- 合わせる味……ブルーチーズやマスタードなど、個性のある味とよく合う
遠い昔から食べられてきた野菜で、古代ローマの詩人ホラティウスは、自分の食べ物としてオリーブ、チコリ、マロウを挙げています。
(Wikipedia「チコリー」より)
葉でかぶれた例もあります
チコリの葉を扱っていた料理人に、接触によるアナフィラキシーや皮膚炎が出た報告があります(Willi 2009)。アナフィラキシーの登録データでも、まれな原因のひとつに挙げられています(Worm 2017)。
食べたり触ったりしたあとに、じんましんや息苦しさが出たら、すぐに受診してください。
★根から作る「チコリコーヒー」
チコリの根を炒って挽いたものは、ヨーロッパで古くからコーヒーの代わりや、コーヒーに混ぜるものとして使われてきました。
アメリカのニューオーリンズでは、南北戦争で港が封鎖されたときにコーヒーへチコリの根を加えるようになり、それが伝統として残ったとされています。
コーヒー豆が入っていないチコリコーヒーは、カフェインを含みません。ただし、コーヒーとブレンドした商品もあるので、カフェインを避けたいときは原材料を確かめましょう。
同じキク科で、根をお茶にするものにはごぼう茶があります。ノンカフェインのお茶には黒豆茶もあります。

葉だけじゃなくて、根まで使えるんだね!
★「チコリ 効能」で調べる前に:研究でわかっていること
チコリの根には、イヌリンという水に溶ける食物繊維が多く含まれ、生の根の重さの13〜23%ほどになることがあります。おなかの調子によいと言われるのは、主にこのためです。
ヨーロッパ医薬品庁(EMA)は、チコリの根のお茶を、軽い消化の不調(おなかの張り、消化がゆっくりな感じ)や一時的な食欲不振に使う「伝統的な使い方」としてまとめています。ただし、これは長く使われてきた実績にもとづくもので、臨床試験で効果が確かめられたという意味ではありません(EMAのモノグラフ)。
人で調べた研究には、次のようなものがあります。
- 腸内細菌……食物繊維をあまりとらない健康な大人50人の試験で、チコリのイヌリンなどを1日3gまたは7g入れたバーを4週間食べると、ビフィズス菌の割合が増えたと報告。食品会社の研究者も加わっている(Reimer 2020)
- 血液のねばり……健康な27人が、チコリコーヒーを1日300mL、1週間飲んだ研究で、血液のねばりの数値が下がったと報告。少人数・短期間で、病気を防げるかを調べたものではない(Schumacher 2011)
- ひざや股関節の痛み……変形性関節症の40人で根のエキスを試した、安全性を見るための小さな試験で、改善した人の割合に統計的にはっきりした差は出ていない(Olsen 2010)
どれもバーやエキスで試したものか、少人数で短い研究です。家で飲む1杯で同じようになるとは言えません。デトックスややせることを確かめた研究でもありません。感じ方にも個人差があります。
おなかの不調が2週間以上続くとき、悪くなるときは、自己判断でお茶に頼らず、医師に相談してください。
気をつけたい人と飲み方
- キク科のアレルギーがある方……EMAでは使わないものとされています。ヨモギなどキク科の植物で症状が出たことがある方は避けてください
- 妊娠中・授乳中の方……安全性が確かめられておらず、EMAでは根のお茶をすすめていません。飲みたいときは医師や助産師に相談を
- 12歳未満のお子さん……十分なデータがなく、EMAではすすめていません
- おなかがゆるくなりやすい方……イヌリンを多くとると、おならやおなかの張りが増えることがあります(Bonnema 2010、Ripoll 2010)。少量から試しましょう
- 治療中の方、お薬を飲んでいる方……飲む前に医師や薬剤師に聞いておくと安心です
ハーブは、医薬品のように国の審査で効果が認められたものではありません。ハーブと生薬の違いは、こちらの記事も参考にしてください。

まずはサラダのほろ苦さから楽しんでみようかな!
まとめ
- チコリは、キク科キクニガナ属の多年草。和名はキクニガナ
- 白いチコリは光を当てずに育てた新芽。トレビスは赤紫色の品種群。エンダイブは別の種
- 葉はサラダや加熱料理に。炒った根はコーヒーの代わりになる
- イヌリンなどの研究はあるが、家で飲む1杯の効果を確かめたものではない
- キク科アレルギーの方、妊娠中・授乳中の方、12歳未満のお子さんは、根のお茶を自己判断で飲まない
青い花も、白い葉も、炒った根も、同じチコリの仲間です。
ほかのハーブについてはハーブの種類・名前一覧図鑑にまとめています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。


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