「なつめ」と聞いて、赤い実を思い浮かべますか?それともナツメグやデーツでしょうか。
ナツメは、秋に赤く熟す実を食べるクロウメモドキ科の木です。ナツメグやデーツとは別の植物です。

この記事では、ナツメがどんな植物か、よく似た名前のものとの違い、味と食べ方、「なつめ 効能」で調べたときに知っておきたい研究の中身と注意をまとめました。
先に結論
ナツメは、クロウメモドキ科ナツメ属の落葉高木で、実は生でも干しても食べられます。
干した実は、漢方に使う生薬「大棗(たいそう)」にもなります。
便秘やコレステロールについての研究はありますが、人数が少なく、エキスや粉末で試したものです。干した実を食べて同じようになるとは言えません。
妊娠中・授乳中の方、糖尿病などでお薬を飲んでいる方は、サプリメントやエキスを自己判断で使わず、医師や薬剤師に相談してください。
ナツメは、どんな植物?
- 学名……Ziziphus jujuba(英語ではジュジューブ)
- 科……クロウメモドキ科ナツメ属の落葉高木
- 生まれ……ヨーロッパ南東部からアジアにかけて自生
- 日本へ……万葉の時代に中国から伝わったとされる
- 花……夏に、黄緑色の小さな花
- 実……長さ約2cmの楕円形。9〜10月に暗い赤色に熟す。中に大きな種が1つ
(NHK出版「みんなの趣味の園芸」、「デジタル大辞泉」「精選版 日本国語大辞典」より)
名前は、初夏になってから葉の芽を出すことによるとされています。幹にはまばらにとげがあります。
庭先で育てられてきた家庭果樹で、日本では昔からなじみのある木です。

ナツメって、ナツメグとは違うの?

名前は似ていますが、まったく別の植物です。下の表で比べてみましょう。
★ナツメグ・デーツ・茶道具の「棗」との違い
| 名前 | どんなもの |
| ナツメ | クロウメモドキ科の木の実。この記事のもの |
| ナツメグ | ニクズクの種からとる香辛料(ナツメグとは?) |
| デーツ | ヤシの仲間、ナツメヤシの実 |
| 棗(茶道具) | 抹茶を入れる漆塗りなどの器。形がナツメの実に似ていることからの名前 |
味と食べ方
熟した実は甘ずっぱい味で、次のように食べられてきました。
- 生で……そのまま食べる
- 干して……ドライフルーツのような乾果に
- 砂糖漬けに……砂糖漬けにしてから干した「蜜棗」
(「精選版 日本国語大辞典」より)
干した実を煮出した「なつめ茶」も、売られています。買うときは原材料を見て、砂糖や甘草など、ほかに何が入っているか確かめましょう。
種に気をつけましょう
ナツメの実には、紡錘形の大きな硬い種があります。
小さなお子さんや、飲みこむ力の弱くなった方に食べてもらうときは、種を取り除き、細かく刻んでください。

小さな実なのに、大きな種が入っているんだね。
★生薬の「大棗」と、食べるナツメの違い
ナツメの実を干したものは、「大棗(たいそう)」という生薬になります。医療用の生薬の説明書では、使いみちは「漢方処方の調剤に用いる」となっています(医薬品医療機器総合機構(PMDA)の添付文書)。
辞典には「強壮薬に用いる」とありますが、これは漢方の中での使われ方です。お店で買った干しナツメを、お薬の代わりにするものではありません。
漢方薬を飲んでいて、干しナツメをたくさん食べたいときや、サプリメントを足したいときは、医師や薬剤師に聞いておくと安心です。
同じように、食べるものと生薬で名前が変わる例には、はと麦茶(ハトムギと生薬のヨクイニン)があります。
★「なつめ 効能」で調べる前に:研究でわかっていること
ナツメは、便秘やコレステロールなどによいと言われ、研究もあります。ただし、どれも小さな研究です。
- 大人の便秘……便秘の37人にナツメの液状エキスを12週間飲んでもらった比較試験で、便の通りがよくなったと報告(Naftali 2009)
- 子どもの便秘……2〜10歳の試験で、ナツメのシロップと便秘の薬を比べ、シロップの結果のほうがよかったと報告。最後まで続けたのは62人で、著者も副作用についてさらに研究が必要としている(Keihanian 2025)
- コレステロール……肥満で脂質異常のある12〜18歳86人の試験で、実の粉末を1か月とった群で総コレステロールとLDLが下がったと報告。体格指数(BMI)は変わらなかった(Sabzghabaee 2013)
- 妊娠しやすさ……多嚢胞性卵巣症候群で不妊治療中の196人の試験で、ナツメのエキスは血糖や脂質の数値を改善したと報告されたが、妊娠した人の数にはっきりした差はなかった(Mashhadi 2026)
大人の慢性的な便秘に使うサプリメントの試験をまとめた報告でも、ナツメの試験は1本だけでした(van der Schoot 2023)。
どれもエキスやシロップ、粉末で試したもので、干した実をおやつに食べたときに同じようになるとは言えません。感じ方にも個人差があります。
便秘が続く、血糖やコレステロールが気になるときは、自己判断でナツメに頼らず、医師に相談してください。

研究があっても、おやつで同じになるわけじゃないんだね。
気をつけたい人
- 妊娠中・授乳中の方……サプリメントなどの安全性について、十分な情報がありません。食品より多い量をとるものは避け、気になるときは医師に相談を(RxList)
- 糖尿病の方……食品より多い量で血糖が下がる可能性が指摘されています(RxList)。一方で、大棗には糖が多く含まれます(近畿大学東洋医学研究所)。干した実やサプリメントをとるときは、主治医に相談を
- 手術の予定がある方……血糖や神経の働きに影響する可能性があるため、サプリメントなどは手術の2週間前までにやめるよう案内されています(RxList)。医師に伝えてください
- お薬を飲んでいる方……眠くなるお薬や糖尿病のお薬などを飲んでいるときは、医師や薬剤師に相談を
ここで挙げた注意は、主にサプリメントやエキスなど、食品より多い量をとるときのものです。
ほかのノンカフェインのお茶には、黒豆茶もあります。ハーブと生薬の違いは、こちらの記事も参考にしてください。

秋の実として、種に気をつけて楽しめばいいんだね!
まとめ
- ナツメは、クロウメモドキ科の落葉高木。9〜10月に赤く熟す実を食べる
- ナツメグやデーツとは別の植物
- 干した実は生薬「大棗」になるが、お店の干しナツメはお薬の代わりではない
- 便秘などの研究はあるが、小規模で、エキスや粉末で試したもの
- 実の中の大きな硬い種に注意。妊娠中・授乳中の方、お薬を飲んでいる方は、サプリメントを自己判断で使わない
言われていることと、研究でわかっていることは、分けて知っておくと安心です。
ほかのハーブについてはハーブの種類・名前一覧図鑑にまとめています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。



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