ミントを育てようと調べると、必ずこの言葉に出会います。
「ミントを植えてはいけない」
香りもよくて、育てやすくて、料理にもお茶にも使えるのに。なぜでしょうか。

この記事では、その理由と、増えすぎたときにどうすればいいかをまとめました。
先に結論
理由は「増えすぎるから」。地下茎が地面の中を横に走って、離れた場所から次々に芽を出します。
毒があるとか、危険という話ではありません。
鉢で育てれば、まったく問題ありません。
なぜミントだけ、こんなに言われるのか
増えるハーブは他にもあります。オレガノも、シソも、放っておけば広がります。
それでも「ミントテロ」という言葉があるのはミントだけです。理由は、増え方が三重になっているからです。
1. 地下茎が、地面の中を横に走る
ミントは地面の下に茎(地下茎)を伸ばします。この茎が横に走り、離れたところでひょっこり芽を出します。
地上で見えている株のまわりだけ気にしていても、1m先、2m先から生えてきます。ここがオレガノとの決定的な差で、ミントの地下茎は年に数十cm〜1mほど伸びます。

土の中の様子。白い地下茎が横に走り、その節から新しい芽が地上に出ます。地上だけ見ていても分からないのは、このためです。
2. 地上の茎も、倒れたところから根を出す
伸びた茎が自分の重みで倒れると、地面に触れた節から根が出ます。
つまり地下と地上の両方から陣地を広げます。刈らずに伸ばしっぱなしにすると、これが起こります。
3. こぼれ種で、別の場所にも出る
花が咲いて種が落ちれば、翌年そこから芽が出ます。
しかもミントは種類どうしで交雑しやすいハーブです。種から出たものは、親と同じ香りとはかぎりません。

三重って……勝ち目がなさそう。

地面に直接植えたらね。でも鉢なら、地下茎は外に出られません。それだけの話なんですよ。
毒があるわけではありません
「植えてはいけない」と強い言い方をされますが、危険という意味ではありません。食べられますし、お茶にもなります。「庭に直接植えると管理が大変」という話です。
増やさない植え方
1. 鉢・プランターで育てる(いちばん確実)
地下茎は鉢の外に出られません。これで悩みの9割は解決します。
ただし鉢の底穴から根が地面に届くと、そこから逃げます。地面に直置きせず、レンガなどで浮かせてください。
2. 地植えなら「根止め」をする
底を抜いた大きめの鉢や、専用の根止め板を土に埋めて、その中に植えます。
ミントの地下茎は深くは潜らないので、深さ30cmほどで足ります。
3. 花が咲く前に刈る
こぼれ種を防げます。しかも花が咲く直前がいちばん香りが強いので、収穫を兼ねて刈ってしまうのが合理的です。
4. 茎を倒れさせない
伸びたら早めに切り戻します。倒れて根を出す前に切る——これだけで広がり方がまるで違います。
結局のところ、こまめに使っていれば増えすぎません。使わずに放っておくから広がるのであって、使う人にとっては「いくらでも採れるありがたいハーブ」です。
もう増えすぎてしまったら
すでに庭じゅうに広がってしまった場合です。
手順
1. 地上部を刈り取る……まずは見通しをよくします
2. 土を掘り上げて、白い地下茎を拾う……ここが本番です
3. 翌年も見張る……取り残しから必ず出てきます
根を1本でも残すと、そこから復活します。1回では終わらないと思っておいたほうが、気持ちが楽です。
刈った葉の捨て方に注意
刈った茎をそのまま花壇の隅に積んでおくと、そこから根づくことがあります。
処分するなら、しっかり乾かしてからゴミに出してください。
採れすぎた葉の使い道
刈ったぶんを捨てるのは、もったいない話です。
- お茶にする……生でも乾燥でも。生葉と乾燥茶葉では味が変わります
- 乾燥させて保存する……常温で数か月もちます
- 入浴剤にする……ミント風呂の作り方
- 製氷皿で凍らせる……夏の飲み物にそのまま入れられます
保存の仕方はミントが黒くなるのはなぜ?冷蔵庫での保存方法と長持ちのコツにまとめています。
育てるのが大変なら
ここまで読んで、「増えるのは分かったけれど、そこまで手をかけたいわけではない」と感じた方もいると思います。
ミントは育てるのは簡単ですが、飲めるところまで持っていくのは別の話です。刈って、選別して、乾かして——この「乾かす」がいちばん手こずります。生乾きだとカビますし、乾かしすぎると香りが飛びます。
長野県飯田市山本のケーキとビストロ美城(みき)は、ハーブを育てて、乾かして、ブレンドするところまでを10年以上続け、商品として販売しているお店です。敷地内のハーブ畑で20種類以上を自家栽培し、全国に配送しています。
ミントも、飯田の畑で育てたものが使われています。
⑥ ストレス解消!さわやかな香りブレンド
原材料:スペアミント(長野県飯田産)/ブラックミント【ペパーミント】(長野県飯田産)/ローズレッド(パキスタン産)/シソ(長野県飯田産)
ミント2種にシソを合わせた、和のニュアンスのあるブレンドです。1袋(ティーバッグ2個入り)300円。
㉑ シソ・ミントグリンティー
原材料:緑茶(国産)/シソ(長野県飯田産)/スペアミント(長野県飯田産)/ブラックミント【ペパーミント】(長野県飯田産)
緑茶がベースなので、ミントが苦手な方にも飲みやすいお茶です。
※妊娠中の方にはあまりおすすめできません。
畑の様子は自家栽培ハーブティーは何が違う?長野・美城のハーブ畑からで写真つきでご紹介しています。
飲むときに気をつけたいこと
こんな方はご注意ください
シソ科の植物(バジル、シソ、オレガノなど)にアレルギーのある方はお控えください。
妊娠中・授乳中の方、持病のある方、お薬を飲んでいる方は、かかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。ミントティーと妊娠についてはこちらの記事で詳しく書いています。
ハーブティーは食品であり、医薬品ではありません。
まとめ
- 「植えてはいけない」の理由は増えすぎるから。危険という意味ではない
- 増え方が地下茎・倒れた茎・こぼれ種の三重。ここが他のハーブとの差
- 鉢で育てれば9割解決。ただし底穴から根が逃げないように浮かせる
- 地植えなら深さ30cmの根止め
- 花が咲く前に刈ると、種も防げて香りもいちばん強い
- 増えすぎたら地下茎を掘り上げる。1回では終わらない
- 刈った茎は乾かしてから捨てる(そのままだと根づく)
- 美城では⑥と㉑。ミントは飯田産の自家栽培
増えすぎるのは、裏を返せばとても丈夫だということです。植え方さえ間違えなければ、いちばん長く付き合えるハーブだと思います。
ミント全体についてはミントの効能効果や育て方!種類別の使い方まとめに、ほかのハーブはハーブの種類・名前一覧図鑑にまとめています。



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