そうめんや冷ややっこに欠かせない薬味、ミョウガ(茗荷)。実は家の日陰でよく育つ、和のハーブです。
日当たりの悪い庭の隅が、いちばんの特等席になります。

この記事では、ミョウガの育て方と、たくさん採るためのコツをまとめました。
先に結論
ミョウガは直射日光と乾燥が苦手。日陰で、湿り気のある場所がいちばんよく育ちます。
植えつけは春(3月中旬〜4月中旬)に根株(地下茎)で。
収穫は1年目は9月から、2年目以降は7月ごろから。花が咲く前に摘み取ります。
ミョウガは、どんな植物?
- 学名……Zingiber mioga
- 科……ショウガ科ショウガ属
- 分類……多年草(冬は地上部が枯れ、春にまた芽を出す)
- 性質……日陰に強く、直射日光と乾燥が苦手
- 植えつけ……3月中旬〜4月中旬
- 収穫……1年目は9月〜、2年目以降は7月〜

ミョウガって、どこを食べているの?

ふだん食べているのは花のつぼみ(花蕾)です。株元の地面から、にょきっと顔を出します。若い茎を日に当てずに育てたものはミョウガタケと呼ばれます。
ジンジャー(ショウガ)と同じショウガ科の仲間です。葉の形もよく似ています。
★いちばん大事なのは「日陰」と「湿り気」
ミョウガは、ほかの野菜やハーブとは好みが反対です。
日当たりのよい場所では、かえって育ちにくくなります。
- 向いている場所……建物の北側、木の下、庭や菜園の隅など半日陰〜日陰
- 向いていない場所……一日じゅう日が当たり、土が乾きやすい場所
日当たりのよい場所しかない場合は、株元にワラを敷いて乾燥を防ぐ、遮光ネットで日陰をつくるといった工夫が必要です。梅雨が明けてからは、水やりも欠かせません。

使い道がなかった庭の日陰が、ミョウガにはぴったりなんだね。
日当たりのよい場所は、日光が好きなハーブや野菜にゆずる——そんな場所の使い分けができるのも、ミョウガのよいところです。
植えつけは春、根株で
ミョウガは種ではなく、根株(地下茎)で植えるのが一般的です。春先になると、園芸店やホームセンターに根株やポット苗が並びます。
植えつけの手順(3月中旬〜4月中旬)
1. 植える場所に堆肥や腐葉土を混ぜ込み、水もちのよい土にしておく
2. 根株を、芽のある側を上にして横に寝かせて植える
3. 5cmほど土をかぶせ、たっぷり水をやる
4. 芽が出始めたら、株元に敷きワラをして乾燥を防ぐ
ミョウガは一度植えると4〜5年は同じ場所で育つので、植える場所はじっくり選んでください。
プランターでも育てられます
プランターで育てるなら、深さのある大きめのものを選びます。庭植えより土が乾きやすいので、表面が乾いたらたっぷり水をやり、夏は置き場所を日陰に移してください。
水やりと敷きワラ
- 水やり……乾燥が苦手。とくに梅雨明けから夏は、土が乾かないように
- 敷きワラ……ワラや落ち葉を株元に敷くと、土の乾燥を防げる
敷きワラには、もうひとつよいことがあります。ワラの下から出てきたミョウガは、色がきれいなピンクになり、苦みも少なくなると言われています。
★収穫:花が咲く前に、手で折る
収穫のしかた
- 株元の地面からつぼみ(花蕾)が顔を出したら収穫どき
- 花が咲く前の、かたく締まった状態で採る
- 根元から手で折り取る
花が咲くと、中がフカフカにやわらかくなり、味も食感も落ちます。
ミョウガはワラや落ち葉の下に隠れて見つけにくいので、収穫の時期は株元をこまめにのぞいてください。

葉っぱの上じゃなくて、地面を探さないといけないんだ!
収穫できる時期
- 植えた年(1年目)……9月ごろから
- 2年目以降……7月ごろから採れ始める
夏に採れるものを夏ミョウガ、秋に採れるものを秋ミョウガと呼びます。品種によって、採れる時期が違います。
冬は地上部が枯れます
秋の終わりになると、ミョウガの葉や茎は枯れていきます。
枯れても、地下茎は土の中で生きています。春になると、また新しい芽を出します。
- 枯れた葉や茎は、冬のあいだに刈り取る
- 株元に落ち葉や堆肥をかぶせておくと、土の乾燥や寒さから守れる
レモンバーベナのように、冬に姿が消えても枯れたわけではない植物はほかにもあります。慌てて掘り起こさないでください。
4〜5年に一度、植え替える
ミョウガは地下茎でどんどん広がります。何年もたつと地下茎が混み合い、つぼみが小さくなったり、数が減ったりします。
植え替えのしかた(2〜3月)
1. 地下茎をていねいに掘り上げる
2. 15cmぐらいの長さに切り分ける
3. 場所を変えて植えつける
植え替えは、ミョウガを増やす方法にもなります。
「植えてはいけない」と言われるのはなぜ?
ミョウガも、ミントと同じように地下茎で横に広がります。放っておくと、思わぬところから芽が出てくることがあります。
広がりすぎないようにするには
- プランターや鉢で育てる
- 地植えなら、育てる範囲を決めて、周りに仕切り(根止め)を入れる
- 4〜5年ごとの植え替えのときに、増えすぎた地下茎を整理する
日陰で乾きにくい場所ほど、よく広がります。ミョウガにとって居心地がよい証拠でもあります。
ミョウガを食べると物忘れする?
「ミョウガを食べると物忘れがひどくなる」という話を聞いたことがあるかもしれません。
これは昔からの言い伝えです。お釈迦さまの弟子に、自分の名前も忘れてしまう人がいて、その人のお墓から生えてきた草を「名(みょう)」を「荷(にな)う」と書いて「茗荷(みょうが)」と呼んだ——という話が由来とされています。

えっ、名前の由来にそんな話があったの!?

あくまで言い伝えです。食べて物忘れをするという根拠はありませんから、安心して薬味にしてください。
採れたミョウガの使い方
- 薬味……刻んで、そうめん・冷ややっこ・みそ汁に
- 甘酢漬け……さっとゆでて甘酢に漬けると、きれいなピンク色に
- 天ぷら……縦半分に切って揚げる
- 和えもの……きゅうりやなすと一緒に
採ったミョウガは乾燥に弱いので、湿らせた紙で包んで冷蔵庫に入れ、早めに使い切ります。
和の薬味をもっと育てたい方へ
ミョウガのほかにも、家で育てられる和のハーブがあります。
- 山椒(サンショウ)の育て方……葉も実も使える、和の香りの代表
- シソ(大葉)……こぼれ種で毎年生えてくるほど丈夫
- ジンジャー(ショウガ)……ミョウガと同じショウガ科
まとめ
- ミョウガはショウガ科の多年草。食べているのは花のつぼみ
- 直射日光と乾燥が苦手。日陰で湿り気のある場所がいちばん
- 植えつけは3月中旬〜4月中旬に根株で。芽が出たら敷きワラ
- 収穫は1年目は9月〜、2年目以降は7月〜。花が咲く前に手で折る
- 冬は地上部が枯れるが、地下茎は生きている
- 4〜5年ごとに掘り上げて植え替える。広がりすぎ対策にもなる
日陰の庭こそ、ミョウガの出番です。
ほかのハーブについてはハーブの種類・名前一覧図鑑にまとめています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。



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