お茶の原材料で見かける「サフラワー」は、和名をベニバナ(紅花)といいます。
山形県の県花で、家庭でも育てられる一年草です。

この記事では、ベニバナの育て方と、花の摘み方をまとめました。
先に結論
種まきは春(3〜4月)が一般的。秋(9〜10月)にまいて、翌年5〜6月に咲かせることもできます。
好きなのは日当たりと風通し、水はけのよい土。酸性の土は苦手です。
水のやりすぎは根腐れのもと。乾燥気味に育てます。
ベニバナは、どんな植物?
- 学名……Carthamus tinctorius
- 科・属……キク科ベニバナ属
- 分類……一年草
- 原産……地中海沿岸や中央アジア
- 草丈……1m近くになる
- 開花……5〜7月ごろ。アザミに似た花
葉のふちにはとげがあります。見た目はアザミそっくりですが、キク科の別の仲間です。
サフラワーとサフランの違いは、こちらでくわしくご紹介しています。

お茶に入っているあの黄色い花びら、自分で育てられるんだ!
★種まきは春と秋の2回できる
春まき(3〜4月)……一般的なまき方。夜の気温が10℃を上回るころが目安
秋まき(9〜10月)……翌年5〜6月に開花。暖かい地域向き
秋まきは、株が大きく育って花がよく咲くのが良いところです。そのかわり、まいてから咲くまでの期間が長くなります。
寒さの厳しい地域では、秋まきは無理をせず春まきにするほうが確実です。
種まきの手順
ベニバナは直根性で、太い根をまっすぐ下に伸ばします。根をいじられるのが苦手なので、できれば植える場所に直まきするのが確実です。
まき方
1. 土をよく耕し、石灰を入れるなら2週間前までに
2. 1か所に3〜4粒ずつ、浅く土をかぶせる
3. 芽が出たら、元気なものを残して間引き
4. 最終的に株と株の間を20〜30cmあける
ポットにまいて苗を作る場合は、根が回りきる前に植えつけます。大きくなってからの植え替えは、うまくいかないことが多いところです。
秋にまいたときの冬越し
秋まきにすると、株は小さいまま冬を越します。地面に葉を広げた状態で寒さに耐え、春になってから一気に伸びて、5〜6月に花をつけます。
- 霜が強い地域では、敷きわらや腐葉土で株元を覆う
- 冬に水をやりすぎない(根腐れのもと)
- 雪や寒風が厳しい地域では、春まきのほうが安心
土づくり:酸性の土が苦手
ベニバナは酸性の土壌を嫌います。
日本の土は雨で酸性に傾きやすいので、ここは押さえておきたい点です。土が酸性に傾いているなら、植えつけの2週間ほど前に石灰を入れておきます。
- 土……水はけがよく、有機質を含んだ中性〜弱アルカリ性
- 場所……日当たりと風通しのよいところ
- 水やり……乾燥気味に。やりすぎは根腐れのもと
草丈が1m近くになるので、鉢で育てるなら深めの鉢を選び、倒れそうなら支柱を立ててください。
花の色が、黄色から紅色に変わる
ベニバナのいちばんの見どころです。
- 咲きはじめ……黄色
- 咲き進むと……だんだん紅色へ
この色の変化が、そのまま「紅花」という名前になっています。染料として使われてきたのも、口紅の「紅」が作られてきたのも、この色からです。
摘むときは、とげに注意
葉や総苞(そうほう)にはとげがあります。摘むときは手袋を使ってください。産地の山形では、朝露でとげがやわらかくなる夜明けごろに花を摘みます。昼になるととげが硬くなって、痛くて摘めなくなるからです。
摘みごろの目安は、花の付け根が紅色になったころです。
気をつけたい病害虫
- 病気……炭疽病
- 害虫……アブラムシ、ハモグリバエ
風通しをよくしておくことが、いちばんの予防になります。
花のあとは、種が採れる
花が終わると、アザミの綿毛のような姿になり、中に白い種ができます。よく乾いてから採っておけば、翌年にまく種になります。
- 採るタイミング……花がすっかり枯れて、茶色く乾いてから
- 保存……よく乾かして、紙袋などに入れ、涼しい場所へ
種からはサフラワー油(紅花油)も作られます。花びらだけでなく、種まで使われてきた植物です。
紅花と、山形のむかし
ベニバナは山形県の県花です。江戸時代には最上(もがみ)紅花が最上川の舟運で京都へ運ばれ、染物や口紅の原料として高く取引されました。
花びら数枚から、ほんのわずかな紅しか採れません。とげのある花を夜明けに摘み、水にさらし、発酵させて「紅餅(べにもち)」にする——気の遠くなるような手間をかけて作られてきました。
庭で数株育ててみると、あの色がどれほど貴重だったかが実感できると思います。
切り花・ドライフラワーにも
ベニバナは花もちがよく、乾かしても色が落ちにくいのが特徴です。切り花としてはもちろん、ドライフラワーとしても親しまれてきました。
育てた花をお茶にする場合は、しっかり乾かしてから使います。乾かし方はハーブの乾燥方法をご覧ください。
飲むときに気をつけたいこと
サフラワー(紅花)は、古くから妊娠中は避けるように言われてきたハーブです。妊娠中・妊娠を考えている方は飲まないでください。
キク科の植物(ブタクサ、ヨモギ、カモミールなど)にアレルギーのある方もお控えください。ハーブティーは食品であり、医薬品ではありません。
育てなくても、ブレンドで味わえます
ベニバナは一年草なので、毎年まき直しが必要です。そして花を摘むのも、乾かすのも手間がかかります。生乾きだとカビますし、乾かしすぎると色が抜けてしまいます。
長野県飯田市山本のケーキとビストロ美城(みき)は、ハーブを育てて、乾かして、ブレンドするところまでを10年以上続け、商品として販売しているお店です。敷地内のハーブ畑で20種類以上を自家栽培しています。
サフラワー(紅花)が入っているのは、こちらのブレンドです。
⑤ 女性リズムを整えるブレンド
レモンバーム(長野県飯田産)/ローズヒップ(チリ産)/カモミール(長野県飯田産)/レッドクローバー(長野県飯田産)/サフラワー(中国産)
※妊娠中の方にはあまりおすすめできません(美城の商品ページより)。
サフラワーは中国産ですが、レモンバーム・カモミール・レッドクローバーは飯田の畑で育てたものです。
畑の様子は自家栽培ハーブティーは何が違う?長野・美城のハーブ畑からで写真つきでご紹介しています。
まとめ
- ベニバナ(紅花)=サフラワー。キク科の一年草で、山形県の県花
- 種まきは春3〜4月が一般的。秋9〜10月にまくと株が大きく育つ
- 酸性の土が苦手。植えつけの2週間前に石灰を入れておく
- 乾燥気味に育てる。水のやりすぎは根腐れのもと
- 花は黄色から紅色へ変わる。摘むときはとげに注意
- 妊娠中は避ける。キク科アレルギーの方も注意
種を秋にまいておくと、翌年の初夏に黄色から紅色へ変わる花が見られます。
ほかのハーブについてはハーブの種類・名前一覧図鑑にまとめています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。



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