夏に大きな花を咲かせるハイビスカス。
実は、育てるうえでいちばん大事なのは「秋」です。

この記事では、ハイビスカスの育て方と、冬越しのしかたをまとめました。
先に結論
ハイビスカスは寒さに弱い花木です。10月中に、日当たりのよい室内の窓辺へ取り込みます。
冬越し前に全体の半分〜3分の1ほどを残して切り戻すと、冬を越しやすくなります。
冬の水やりは乾かし気味に。春、暖かくなったら外へ戻します。
ハイビスカスは、どんな植物?
- 科・属……アオイ科フヨウ属
- 性質……熱帯・亜熱帯生まれの常緑の花木。寒さに弱い
- 花……朝に開いて夜に閉じる「1日花」。2〜3日咲く品種もある
- 花の時期……暖かい時期。室温が保てれば冬も咲くことがある
1つの花は1日で終わります。しぼんだからといって、枯れたわけではありません。次々につぼみが上がってくるのを楽しむ花です。

あの大きな花、1日でしぼんじゃうんだ!
買う前に知っておきたい「系統」の違い
園芸店のハイビスカスは、大きく3つの系統に分けられます。育てやすさがかなり違うので、ラベルを見ておくと安心です。
- 在来系(オールド系)……中〜大輪。花つきがよく、丈夫。挿し木でふやせる
- ハワイアン系……大輪で華やか。ただし花つきは控えめで、暑さにやや弱く、性質も弱め。挿し木は難しい
- コーラル系……小〜中輪の花が垂れ下がって咲く。暑さに強い
はじめて育てるなら、在来系がいちばん扱いやすい系統です。ハワイアン系は、丈夫な在来系に接ぎ木した苗で売られていることが多くあります。
春〜秋の育て方
- 置き場所……日光がよく当たる場所。日当たりが花の数を左右します
- 真夏……株が弱っているときや、ハワイアン系は半日陰へ移す
- 水やり……鉢土の表面が乾いたらたっぷり。花が咲いている時期は水切れに注意
- 肥料……春〜秋に。夏に株が弱っているときは薄めた液体肥料にする
- 植え替え……1〜2年に1回。適期は5〜6月
寒さに弱いので、基本は鉢植えです。冬に室内へ動かせることが前提になります。
★冬越しは「10月中」が勝負
ここがいちばん大事です。
ハイビスカスは熱帯の花なので、日本の冬を屋外で越すのは難しいとされています。
冬越しの3つのポイント
1. 10月いっぱいまでに、室内へ取り込む
2. 置き場所はガラス越しに日が当たる、暖かい窓辺
3. 室温は最低でも10℃以上を保てると安心
12℃以上を保てて日光も十分に当たれば、冬のあいだも花を咲かせることがあります。逆に、寒い部屋や暗い場所では、花は止まり、葉が落ちやすくなります。
冬の窓辺は、夜に冷えます
昼は暖かい窓際も、夜になるとガラスの近くはぐっと冷え込みます。寒い夜は窓から少し離すと、冷えから守りやすくなります。
取り込む前に、切り戻す
冬越し前に、全体の丈の半分〜3分の1ほどを残して、ばっさり切り戻す方法があります。
- 場所を取らない……室内に置きやすくなる
- 株の負担が減る……日照の少ない冬を越しやすくなる
- 春に新しい枝が出る……その枝に花がつく
冬の水やりと肥料
- 水やり……乾かし気味に。土が乾いてから与える
- 肥料……肥料は春〜秋に与えるもの。冬は休ませる
寒い時期に水をやりすぎると、根が傷みやすくなります。「控えめ」を意識してください。
春に外へ戻す
暖かくなる4月ごろから、屋外で育てられるようになります。いきなり強い日差しに当てず、少しずつ外の環境に慣らしていくと安心です。
剪定は「4月」か「10月」
剪定の適期は4月か10月です。
成長期に強く切ると、長いあいだ花が咲かなくなることがあります。夏に「伸びすぎたから」とばっさり切るのは避けてください。
- 10月……冬越し前の切り戻しを兼ねる
- 4月……形を整え、新しい枝を出させる
- 夏……伸びすぎた枝を少し整える程度にとどめる
花が咲かないときに確かめること
よくある原因
- 日当たりが足りない……いちばん多い原因。花の数は日光で決まる
- 成長期に強く剪定した……花芽のつく枝を切ってしまっている
- 寒い……冬は室温が足りないと咲かない
- 水切れ……花の時期に乾かしすぎると、つぼみが落ちやすい
気をつけたい病害虫
- 害虫……アブラムシ、ハダニ、カイガラムシ、ハマキムシ、アザミウマ
- 病気……炭疽病、立枯病
冬の室内は乾燥しやすく、ハダニが出ることがあります。ときどき葉の裏を見る習慣をつけておくと、早く気づけます。
ふやし方:挿し木
在来系は挿し木でふやせます。
- 時期……在来系は4月中旬〜6月、コーラル系は5〜9月
- 長さ……10cmほどの枝を使う
- ハワイアン系……挿し木は難しく、接ぎ木でふやすのが一般的
庭のハイビスカスは、お茶にならない
ここで、よくある勘違いをひとつ。
赤くて酸っぱい「ハイビスカスティー」は、園芸店のハイビスカスの花から作るものではありません。
原料は「ローゼル」という、同じフヨウ属の別の種です。しかも使うのは花びらではなく、花のあとに赤くふくらむ萼(がく)。庭のハイビスカスの花を摘んでも、あの赤いお茶にはなりません。
- ハイビスカス(園芸用)……花を観賞する。寒さに弱い常緑の花木
- ローゼル……萼をお茶にする。日本では寒さに耐えられない一年草として扱われる
ローゼルも家庭で育てられます。花が秋まで咲かないという、ちょっと変わった性質があります。
ハイビスカスティーが酸っぱい理由や淹れ方は、ハイビスカスティーはなぜ酸っぱい?にまとめています。
ハイビスカスティーを手軽に楽しむなら
ローゼルは一株から採れる萼がそれほど多くなく、寒さが来る前に収穫できるかという難しさもあります。お茶にするほど集めるのは、なかなか大変です。
また、ハイビスカスティーは酸味が強く、香りがほとんどないお茶なので、ほかのハーブと合わせると飲みやすくなります。
長野県飯田市山本のケーキとビストロ美城(みき)は、ハーブを育てて、乾かして、ブレンドするところまでを10年以上続け、商品として販売しているお店です。敷地内のハーブ畑で20種類以上を自家栽培しています。
ハイビスカス(エジプト産)が入っているブレンドは、こちらの3つです。
⑯ お疲れリセット!元気充電ブレンド
レモンバーム(長野県飯田産)/ローズマリー(長野県飯田産)/ハイビスカス(エジプト産)/エルダーフラワー(ウクライナ産)
④はステビアのやさしい甘みが入るので、酸っぱいのが苦手な方にも飲みやすいブレンドです。
※⑫・⑯は妊娠中の方にはあまりおすすめできません(美城の商品ページより)。
畑の様子は自家栽培ハーブティーは何が違う?長野・美城のハーブ畑からで写真つきでご紹介しています。
まとめ
- ハイビスカスは寒さに弱い。基本は鉢植え
- 10月中に、日当たりのよい室内の窓辺へ。室温は10℃以上が目安
- 冬越し前に半分〜3分の1を残して切り戻す。剪定の適期は4月か10月
- 冬の水やりは乾かし気味。肥料は春〜秋
- 花が咲かない原因は、まず日当たりを疑う
- はじめてなら在来系が育てやすい
- ハイビスカスティーの原料はローゼルの萼。庭のハイビスカスとは別もの
夏の花を翌年も咲かせられるかどうかは、涼しくなりはじめる秋の準備で決まります。
ほかのハーブについてはハーブの種類・名前一覧図鑑にまとめています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。





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